イラン女子選手がヒジャブなし“クライミング競技” 「英雄」と称賛も安否に懸念(2022年10月20日)

イラン女子選手がヒジャブなし“クライミング競技” 「英雄」と称賛も安否に懸念(2022年10月20日)

イラン女子選手がヒジャブなし“クライミング競技” 「英雄」と称賛も安否に懸念(2022年10月20日)

 スポーツクライミングの国際大会に出場したイランの女子代表選手が「ヒジャブ」を着けておらず、スカーフデモに連帯したのではと称賛の声が上がるなか、選手の安否が懸念される事態に。

 首都テヘラン郊外の空港に集まった人々が「英雄だ」と喝采を送ったのは、エルナズ・レカビさん(33)。イランのスポーツクライミング選手です。

 称賛を受けた理由は韓国で競技に出場した時の、その頭髪です。イランが女性に義務付けている頭髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」を着けていなかったのです。

 イランでは先月、22歳のマフサ・アミニさんがヒジャブのかぶり方が良くないとして風紀警察に逮捕され、その後、急死しました。

 警察官による暴行が疑われ、政府に対する抗議が全国的に広がっています。

 そんななか、レカビ選手はヒジャブを着けずに競技に出たのです。

 「抗議への連帯だ」と称える声が出る一方、安否を巡る懸念も高まっていました。

 今月19日、イランに帰国したレカビ選手は意図的ではなかったと釈明しました。

 スポーツクライミングイラン代表、エルナズ・レカビ選手:「偶然起きたことです。靴を履いたり、装備を準備したりするのに苦労していて、かぶるべきヒジャブを忘れて壁に登りに行ってしまいました」

 レカビ選手は前日にもソーシャルメディアに同じ趣旨のコメントを投稿しています。

 ただ、当局に強制されたとの見方もあり、やはり人々は英雄だと称賛しました。

 イランでの抗議は1カ月以上、続いています。

 当初は女性や若い人を中心に始まりましたが、今や様々な人、様々な世代が政府への抗議に加わっています。

 一方、当局は激しい弾圧を加え、これまでに200人以上が死亡したとみられています。

 国連人権高等弁務官事務所・報道官:「一部情報では子ども23人が殺され、負傷した子どもも多くいます」

 イランでは制限されているダンスの仕事をトルコでするイラン人女性は、国が変わることを期待しています。

 イラン人ダンサー、ミカエイル・アリザデさん:「今回は今までと違います。なぜなら男性も加わっているからです。だから今の体制は終わると思っています」

 一方、フランスでボクシングの試合に出たことで逮捕状を出され、帰国できなくなったイラン人女性は悲観的な見方をしています。

 イラン人ボクサー、サダフ・ハデムさん:「政府はすごく強力です。人々を逮捕し、殺しています。うまくいくことを願っていますが、楽観的にはなれません」

 今回のデモは、ここ近年では最大規模に発展しています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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