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【解説】津波に警戒!最大死者約20万人日本海溝・千島海溝地震とは?『週刊地震ニュース』
日本海溝・千島海溝沿いでは巨大地震の発生が心配されています。激しい揺れと巨大な津波によって最悪の場合、死者約20万人にのぼると想定されています。
国は、7道県108市町村を「津波避難対策特別強化地域」に指定して対策を急ピッチで進めると共に、今年12月からは「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表します。日本海溝・千島海溝地震は、早期避難などの対策をとれば約8割の死者数を減らせるとされています。社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。
【週刊地震ニュース】
■東北・北海道で震度3が3回 先週は震度1以上の地震は31回
10日から16日までのこの期間、国内では震度1以上の地震が31回発生しました。このうち震度3以上の地震は3回でした。
▼10日午前9時3分ごろ、北海道広尾町で震度3の揺れを観測する地震がありました。この地震の震源は十勝沖でマグニチュードは4.8、震源の深さは42キロでした。
▼10日午前9時26分頃、岩手県一関市で震度3を観測する地震がありました。この地震の震源は宮城県沖、地震の規模を示すマグニチュードは4.8、深さは42キロでした。
▼11日午後8時28分頃、福島県楢葉町と大熊町で震度3を観測する地震がありました。この地震の震源は福島県沖、地震の規模を示すマグニチュードは4.6、深さは53キロでした。
■巨大地震発生の切迫性高まる 日本海溝・千島海溝とは
北海道から岩手県にかけての沖合の日本海溝・千島海溝は太平洋プレートが陸のプレートに沈みこんで「ひずみ」がたまるため、地震が起きやすい場所の1つで、これまでもマグニチュード8を超える巨大地震も起きています。
■最大死者20万人も…北日本特有の被害も「低体温症」にも注意
去年12月に国が公表した、日本海溝・千島海溝での最大クラスの地震による被害想定です。北海道東部で震度7や震度6強、青森県や岩手県の沿岸部を中心に震度6強の激しい揺れに。
巨大な津波も想定されていて、北海道の東側では30メートル近くに、東北地方の太平洋側でも20メートル以上の津波となる可能性もあるということです。
特に冬の深夜、積雪が多い厳しい状況では死者数は最悪の場合――
▼日本海溝地震で約19万9千人
▼千島海溝地震で約10万人
全壊する建物は
▼日本海溝地震で約22万棟
▼千島海溝地震で約8万4千棟
北日本特有の被害想定として、「低体温症対処者数」という数字も公表されています。災害直後の積雪寒冷地での避難生活でも、厳しい冷え込みなどで厳しい状況が予想されます。
■30~40分で来る津波…108市町村が特別対策地域に
国は特に対策が必要な地域を「津波避難対策特別強化地域」として、北海道から千葉県までの7道県108市町村を指定しました。これは地震発生から30~40分以内に30センチ以上、浸水するエリアです。このような地域では、津波避難タワーや避難経路を整備するための費用について、国からの補助が引きあげられます。
■M7クラスの地震から数時間~数日後…更に巨大な地震も 「後発地震」注意情報とは?
日本海溝・千島海溝エリアではマグニチュード7クラスの地震発生後、数日程度の期間をおいて、さらに規模の大きなマグニチュード8以上の地震が続発する事例がありました。
2011年3月9日に起きたマグニチュード7.3の2日後に、マグニチュード9の東日本大震災が発生しました。1963年に択捉島南東沖で起きたマグニチュード7の地震では、約18時間後にマグニチュード8.5の地震が起きています。
そこで国は、このエリアでマグニチュード7クラスの地震が起きた場合は、より大きな「後発地震」への注意を呼びかけることを決めました。それが「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。
この情報では、事前避難は求められません。1週間程度は、地震が起きたらすぐに避難できるように身の回りを準備したりしてほしいとしています。情報が出される対象は北海道から千葉県にかけての太平洋側の地域で、最大クラスの地震津波想定で震度6弱以上、津波の高さが3メートル以上と想定される地域です。
最初にマグニチュード7クラスの地震が起きた後、気象庁が約2時間後をメドに記者会見を行いますが、そのタイミングで内閣府と情報を出して説明が行われる見通しで、早ければ今年12月にもスタートするということです。
このエリアではマグニチュード7クラスの地震が頻繁に起きていて、計算では2年に1回程度の頻度で情報が出されることになりそうです。
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