習主席が異例3期目へ 党大会で自画自賛、台湾問題では「武力行使放棄しない」と強調(2022年10月16日)
ゼロコロナ政策や経済対策など世界が注目するなか、中国で5年に一度の共産党大会が始まりました。国家主席である習近平総書記は演説で、台湾を巡って「決して武力行使の放棄を約束しない」と強調しました。
中国共産党員9600万人以上を代表する約2300人の党員に拍手で迎えられた党トップの習近平総書記。過去10年間の報告は自画自賛でした。
中国共産党・習近平総書記:「国際情勢の急激な変化に直面したが、国の発展と安全の主導権を掌握し、世界の注目を集める大きな成果を上げた」
党大会で慣例である2期10年の任期満了を迎える習総書記は、異例の3期目が確実視されています。
北京では不測の事態を防ぐため、厳戒態勢が敷かれていました。
13日には北京市内の高架橋に習総書記を痛烈に批判する横断幕が掲げられていました。
横断幕は当局によってすぐさま撤去されましたが、習総書記への権力集中の批判は、くすぶっています。
特に推し進めてきた“ゼロコロナ政策”は…。
中国共産党・習近平総書記:「コロナに直面したが、人民の命の大切さにゼロコロナ政策で大きな成果を上げました」
と、こちらも自画自賛でしたが…。
感染者が確認されると施設は突如、閉鎖され、利用者は強制隔離。
各地で不満が高まっています。
一方、習総書記は核戦力についても強化する方針を示唆しました。
中国共産党・習近平総書記:「我々は人民戦争の戦略・戦術を強化する。強固な戦略的抑止システムを構築し、新分野の戦闘部隊の比率を高め、実戦に即した軍事訓練を徹底して推進しなければならない」
約1時間40分にわたった習総書記のスピーチ。中国のSNSでは、視聴を義務付けられた学生や企業の職員たちとみられる様子が投稿されていました。
一番長く大きな拍手が起きたのは、台湾問題について語った時でした。
中国共産党・習近平総書記:「台湾問題は中国人自身のことであり、中国人が自分で決めなくてはいけない。決して武力行使の放棄はしない。必要な、あらゆる措置を取る選択肢を続ける。祖国の完全な統一は必ず実現しなくてはならず、また必ず実現できる」
武力行使は放棄しないとしました。これについて台湾では…。
権力集中はどこまで進むのでしょうか。党大会は今月22日まで開かれ、習総書記をトップとする新たな指導部の顔ぶれが判明します。
習総書記の演説について、ポイントはどこにあったのでしょうか。中国から報告です。
(富阪範明記者報告)
5年前より1時間以上、短くなった演説ですが、習総書記はこれまでの目標だった「ゆとりのある社会」はすでに実現したとして、これからは現代化した社会主義の強い国を目指すと強調しました。
そのうえで、アメリカなどとは違う、西側とは違う中国独自の発展モデルで成長を続け、世界に貢献すると自信を示しています。
また、台湾問題についても必ず統一を実現すると言い切る形で、会場からは大きな拍手が湧きました。
この後に改定される党規約でも台湾統一に向けた党の役割が協調される形で盛り込まれる可能性があります。
ただ、私が気になったのは国民が最も気にしている「ゼロコロナ政策」をどうするのか、今後についての説明がなかったことです。
異例の3期目就任が確実視され、権力の集中が進んでいる習総書記ですが、今後は「ゼロコロナ政策」からの脱却が最初の課題となるかもしれません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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