「注意が必要な道」カーブ続き、動物も…観光バス横転 1人死亡3人重傷(2022年10月13日)

「注意が必要な道」カーブ続き、動物も…観光バス横転 1人死亡3人重傷(2022年10月13日)

「注意が必要な道」カーブ続き、動物も…観光バス横転 1人死亡3人重傷(2022年10月13日)

 静岡県小山町の県道で観光バスが横転し、これまでに1人が死亡し、3人が重傷です。他にも複数のけが人が出ているということです。一体、なぜ事故は起きてしまったのでしょうか。地元の運転手は「現場周辺は注意が必要な道」だと指摘しています。

 特に前方部分はバンパーが外れ、フロントガラスは人が出入りできるほどに大破しています。横転しているのは乗客34人を乗せた観光バスでした。

 事故が起きたのは13日午前11時50分ごろ、小山町の市街地から富士山須走口をつなぐ県道「ふじあざみライン」を下っている時だったとみられます。

 バスは県外からのツアーだったといいます。ツアーに参加していた70代の女性が心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、その後死亡が確認されています。また女性3人が重傷だといいます。

 一体、なぜ事故は起きたのでしょうか。

 「ふじあざみライン」をよく走っている地元のタクシードライバーは、注意が必要な道だと話します。

 御殿場タクシー・関本和夫さん:「カーブが非常に多い所でクネクネ道。勾配もかなりきつい。(ギアは)セカンドぐらいじゃないと上がれません」

 地図で見ても「ふじあざみライン」は富士山須走口5合目からつづら折りのカーブが続いています。

 事故が起きたのは、そのうち1つのカーブを抜けた先でした。

 周囲は山に囲まれていて、動物が飛び出してくることもあるといいます。

 御殿場タクシー・関本和夫さん:「シカが時折道路を横断するとか、車とシカが衝突するとかは時々聞く。上に行けば行くほど道は狭くなる」「(Q.道の狭さはどのくらい?)5メートルから4メートルくらいの幅の所もある。すれ違いは相手が観光バスだとできないと思う」

 現場周辺では、12日夜から雨が降ったりやんだりしていました。こうした気象条件によっては危険な道になると指摘しています。

 御殿場タクシー・関本和夫さん:「(きょうは)路面は濡れていて霧が掛かっている可能性もあるかもしれない」「(Q.路面が濡れていると滑りやすい?)かなり勾配はきついので、上りはともかく下りはスピードを出しているとスリップの可能性があって危険が伴う。どうしてそういうふうになったのかな。スピードの出し過ぎだったのか、運転を誤ってしまったのか。横転したというのは結構スピードが出ていたんじゃないかと思う」

 警察は26歳のバスの運転手・野口祐太容疑者(26)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。

 そして、バスの周辺には多くの土が散らばっています。

 警察などによると、道路の左側の法面(のりめん)にタイヤが乗り上げてバスが横転したということです。

 法面に突っ込む前、観光バスに何があったのでしょうか。

 交通事故鑑定の専門家はこう分析しています。

 交通事故調査解析事務所・熊谷宗徳代表:「法面に乗り上げた地点も相当手前。横転している場所よりもバス1、2台程度後ろからカーブを直進するような状態でまっすぐ法面に乗り上げて、左側が相当破損しているので、おそらく法面の上にあった樹木などに衝突した後に右に横転した状況だったと思う」

 専門家が注目したのはタイヤの向きです。

 交通事故調査解析事務所・熊谷宗徳代表:「ハンドルは右に切られている状況で、右の前輪も左の前輪も右に向いている状況が確認できた。もし右にハンドルを切った状態でまっすぐ行っている状況であれば、カーブに見合わない速度を出し過ぎた可能性。右にハンドルを切っているのに、まっすぐ法面に突っ込んでしまった可能性も。前方不注意など色々な可能性が考えられる」

 さらに散らばった土がバスの下にあることから、土砂崩れなどが起きたのではないことが分かると言います。

 交通事故調査解析事務所・熊谷宗徳代表:「映像ではブレーキ痕が見当たらなくて結構前から左側の法面にまっすぐ突っ込むような状態で突っ込んでいるという痕跡は確認できた。いずれにしても曲がり切れなかった。何らかの原因があった。スピードが一番の原因かなと」

 「ふじあざみライン」は、観光バスが道路をふさいでいるため入り口から通行止めの状態が続いています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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