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後期高齢者の医療費負担 一部の人で原則1割から2割に引き上げ 不安の声も|TBS NEWS DIG
75歳以上の高齢者の医療費の窓口負担が、今月から一部の人で原則1割から2割に引き上げられました。社会保障を支える現役世代の負担を抑えるという目的がありますが、高齢者からは不安の声も聞かれています。
東京・北区にある整形外科でリハビリに励むのは、79歳の杉本安子さんです。週に2回ほど通院をしていますが、いま心配しているのが…
杉本安子さん(79)
「これから医療費が上がる年代ですよね。それが2割になっちゃうとすごい負担」
今月から、これまで原則1割だった75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担が、▼単身世帯は年収200万円以上の人、▼複数世帯は世帯年収が320万円以上で2割に引き上げられたのです。対象となるのは、75歳以上のおよそ2割。370万人に上ります。
杉本安子さん(79)
「病院をやめるっていうわけにはいかないでしょ。だから、こればっかりはね。ぜいたく品をやめて、医療費の方に少し予備で取っておかないと」
政府は、負担を緩和するために今後3年間は1か月の自己負担の増加額を「最大3000円」までとする措置を設けていますが、食品などの値上げが相次ぐ中で不安の声も…
85歳男性
「私の場合は、(年間の医療費が)7万ぐらい。年間でそれが今度は倍になる。単純に14万になるということは、もう大変」
78歳男性
「月あたりに必要なものが増えているということだから。今までちょっと飲みに行くとかね、そういうのに使えていたのがちょっと行けなくなった」
医療機関からは、コロナ禍の外出自粛によって影響が出た高齢者の「受診控え」を心配する声も聞かれます。
十条整形外科リハビリクリニック 村瀬鎭人院長
「(コロナ禍で)筋力が落ちました、骨が弱くなりました、骨粗鬆症ですとか、やっぱり転倒・骨折とかそういったリスクは増えてきている。リハビリ頑張ってもらおうかなというところでの10月だったんで、その辺はやっぱり気になります」
一方、高齢化を背景に1990年度には20兆円程度だった医療費は年々増え続けていて、この30年で倍の40兆円を超える状況となっています。負担を見直す意義について、加藤厚労大臣は…
加藤勝信厚生労働大臣
「負担能力に応じて、全ての世代で増加する医療費を公平に支払う仕組み。そういう仕組みの構築に向けて、見直しを図っていくことが必要だと考えております」
様々な要因が重なる中で始まった負担の見直し。医療費が増え続ける中、政府はさらなる制度改革の検討も迫られそうです。
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