【独自】電動キックボード“飲酒運転”10人中4人 制止振り切り…乗車する人も【もっと知りたい!】(2022年9月29日)
先日、全国初の死亡事故が起きた電動キックボード。飲酒運転が原因とみられていて、夜の渋谷を取材すると危険な飲酒運転が横行する実態が明らかになりました。
■飲酒運転か…初の“死亡事故”も
街で見掛ける機会が増えた一方で、一部利用者の運転マナーの悪さが問題となっている「電動キックボード」。25日には、全国で初めて死亡事故が起きました。
事故が起きたのは東京・中央区のタワーマンションの駐車場内でした。男性は反転した際に、車止めに衝突。その後、頭から地面に突っ込んだとみられています。男性は、ヘルメットをかぶっていませんでした。
運転していたのは、52歳の会社役員の男性で、頭を強く打ち、死亡しました。
男性の電動キックボードは、国の実証実験として認可を受けているLUUP社からレンタルしたもので、ヘルメットの着用は任意でした。
近隣住民:「救急車が来たのと、警察(パトカー)が2台か3台きて。血痕が(事故現場を)朝見たんですけど、まだ一部残ってたかな」
警視庁によると、男性はビールを飲んだ後に運転していたとみられ、現場の状況などから、酩酊(めいてい)状態だった可能性が高いということです。
■飲酒運転“正当化”しようとする人も
自らや周囲に大きな危険をもたらす恐れがある電動キックボードの飲酒運転。過去の取材でも…。
飲酒運転している男性:「実際は飲んでますけど、4杯くらいです。飲んでることを忘れてました。飲酒運転って感覚がなかったです」
なかには、飲酒運転を正当化するような主張を行う男性もいました。
飲酒運転している男性:「紙コップで買ってきたお酒、レモンサワーの素(もと)とかで炭酸水入れて飲んだりしてたので、そんなにいってない。これだけろれつが回るくらい」「(Q.正直、どのくらい飲みました?)何杯とか分からないです、正直言うと。ぶっちゃけ、終電後に足としてあるけど、そこまで悪いことではないんじゃないかなと思って」
■事業者も“対策”を講じるも…
こうした事態に、警視庁はLUUP社などのレンタル事業者に対し、飲酒運転根絶のための対策を要請。
7月、LUUP社の岡井大輝社長は報道陣に「具体的には、全利用者が乗る前にですね、アプリ上で受けて頂く交通安全テストの出し方をより難しくしたり、テストの問題数を増やしたり、中身を難しくしたりなどの対策を今後していきたいと考えております」と答えていました。
現在、利用者が電動キックボードを借りる前に、アプリ上で受けなければならない交通安全テストは、全部で12問。飲酒運転についての質問もありますが、過去にこのテストを受けたうえで飲酒運転をしたという男性は…。
飲酒運転をしたことがある男性:「テストを受けたのは、うろ覚えで。やったなってことは覚えてるんですけど。そこまで(交通安全テストが)注意喚起されるものではなかったです」
さらに男性は、信じがたい体勢での運転も行ったといいます。
飲酒運転をしたことがある男性:「結構、移動距離が長かったので。しゃがみながら乗ったりもしました。ずっと立ってるのも疲れるので。座りながらも、全然できなくはない」
■制止振り切り“飲酒運転”歩道走行も
果たして、アプリ上での交通安全テストに飲酒運転根絶の効果が、どこまであるのでしょうか…。
実際、東京・渋谷区内にある電動キックボードのレンタルスペースを取材すると、酒を飲んだ利用者がいました。
酒を飲んだ利用者:「(Q.お酒を飲んでる?)2杯しか飲んでいない。ビールを2杯ですね。全然酔っ払ってないぐらいで。酔っ払ってたら、ちゃんと会話もできないんで」「(Q.飲酒運転で亡くなった人がいるのをどう思う?)結局、自分次第かなというか。本当に酔っ払ってるなと思ったら、絶対に乗らないですし」
LUUP社の電動キックボードを初めて利用するという男性。乗る前に交通安全テストを受けたのか、聞いてみると…。
酒を飲んだ利用者:「(Q.交通安全テストは受けた?)確かに、さっき登録する時に、テストみたいなのは受けたっすね。法律とか道路交通法みたいなのの確認というのは受けたっすね」「(Q.それを見ても乗る?)でも、全部ちゃんと理解はしてたんで、そこは。別に結局、自己責任だと思うので、それに尽きるっす」
番組スタッフが、男性に飲酒運転をやめるよう促しますが…。
酒を飲んだ利用者:「別に、ここら辺の道もよく知っているんで。危ないところは降りて押して、人が少ない住宅街とかに入ったら乗ろうかなと」
そう言い残し、その場を去っていった男性。そこで、番組スタッフが追跡取材を行いました。
男性の電動キックボードが交差点に差し掛かった、その時でした。電動キックボードは車道での走行しか認められていないにもかかわらず、なんと男性は歩道を走行。そのまま走り去っていきました。
■3時間で…10人中4人が“飲酒運転”
その後も、レンタルスペース周辺で取材を続けると…。
午後10時から3時間、電動キックボードの利用者10人に話を聞きました。すると、このうち4人が、お酒を飲んで運転していることを認めました。
横行している電動キックボードの飲酒運転。全国初の飲酒運転とみられる死亡事故が起きたことを受けて、電動キックボードを貸し出した、LUUP社は次のようにコメントしました。
LUUP:「今回の事故を重く受け止め、安全性向上に向けた不断の検証を進めるとともに、飲酒運転の防止や交通ルール順守の周知をより一層徹底して参ります」
警視庁は、今回の事故の経緯や当時の飲酒の状況を調べるとともに、今後も電動キックボードで違反をした利用者の取り締まりを続けていく方針です。
(「グッド!モーニング」2022年9月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く