3連休直撃“台風15号” コロナ禍の旅館に大量土砂…静岡で大規模“停電・断水”(2022年9月26日)

3連休直撃“台風15号” コロナ禍の旅館に大量土砂…静岡で大規模“停電・断水”(2022年9月26日)

3連休直撃“台風15号” コロナ禍の旅館に大量土砂…静岡で大規模“停電・断水”(2022年9月26日)

 3連休を直撃した台風15号の影響で、静岡県内で浸水や土砂崩れによる被害が相次ぎました。一部エリアで起きている断水は、今後さらに広がる恐れがあります。

■旅館に濁流「生きた心地しなかった」

 巨大な送電線の鉄塔が倒壊。住宅は土砂に押し潰され、増水した川の勢いで橋は崩落。地下の駐輪場は水であふれ、住宅地は一面、水につかりました。

 東海地方を中心に記録的な大雨をもたらした台風15号。静岡県では発達した積乱雲が流れ込み続ける「線状降水帯」が発生。土砂崩れなどで2人が死亡、1人が行方不明になっています。

 観測史上1位となる12時間雨量が400ミリを超えた静岡市では…。

 旅館の中で撮影された映像です。館内に浸水して廊下が川のように。最大で2メートルの高さまで達したといいます。

 旅館の前に止めてあった車は、濁流に飲み込まれてしまいました。

 当時、旅館には4人の宿泊客と従業員2人がいましたが、2階に避難。全員ヘリで救出されました。

 宿泊客:「もう逃げられないと思いました。本当に生きた心地がしなかった。初めてそう思いました」

 大雨の翌日、旅館を訪ねると、道路にはまだ川の様に水が流れ、車が土砂に埋もれていました。

 お風呂場は、もはや原型をとどめていません。元々、非常口があった場所は、濁流によって壁が破られました。

 旅館の中には、大量の土砂や岩が流れ込んでいて、復旧のめどは立ちません。旅館の社長は、大きなショックを受けていました。

 「元湯館」社長:「ここ2年半コロナ禍を耐えてきたのですけど、こういった自然災害ですべてを奪われてしまうというのは、ちょっとやるせないですね。非常に悔しい」

 少し下流の旅館では、車が流され建物に激突。浸水し、館内は土砂まみれになっていました。

 「油山苑」従業員:「全部、土砂が一気に入ってきちゃった感じですね。お客様が26人いらっしゃったんですけど、広間に集まって、避難してもらった感じです」

 水の勢いでドアが開かなかったため、ガラス戸を破った時にけがをした旅館の専務は、今後の見通しは立たないと肩を落とします。

 「油山苑」・大塚祐史専務:「60数年住んでますけど初めてです。何とか立て直してやれるとこまでやって、お客様を迎えたいと思うんですけど、どこまで復帰できるかは分かりません」

■鉄塔倒壊…12万軒の大規模“停電”

 大雨で静岡市の山間部にある送電線の鉄塔2基が倒壊。静岡県内では一時、最大でおよそ12万軒の大規模な停電が発生しました。

 静岡県岩間地区では、停電の影響で信号機が止まっています。

 この家では、発電機を使って部屋に明かりをつけていました。

 住人:「通電しそうもないもんだから。暗いと何をするにしても大変」

 一方、オール電化の家ではカセットコンロを使って夕飯の準備をしていました。

 住人:「ごはんも炊いて。あと、カレーとかそういう感じで」

 食事は何とかなりますが、電気でお湯を沸かすため風呂は…。

 住人:「水でした。水で風呂へ。泥だらけで帰って来たから、きょう」

■静岡で大規模断水「遊びに来たら…」

 一方、静岡市清水区は辺り一帯が池のような状態に。家の中は浸水し、チャイルドシートや畳などが浮いています。

 さらに、住民たちを苦しめていたのは断水。

 給水の列が途切れることはありません。多くの人が、水を求めて訪れています。

 静岡市を流れる興津川の取水口に、大量の土砂や流木が流れ込んだため、水を取り込むことができなくなったのが原因です。

 清水区では今も、およそ6万3000軒で断水。25日は28カ所に給水車が配置され、住民が長い列をつくりました。

 給水に来た人:「遊びに来て、断水になっちゃって」

 3人は友人同士。清水区で一人暮らしをしている友人のもとに、3連休で2人が遊びに来ていて、県外の遊園地から帰ってくると断水していました。

 給水に来た人:「(Q.待ちましたか?)今、1時間ぐらいですかね」

 1時間かけて汲んできた水の使い道は3日ぶりのシャンプー。

 給水に来た人:「(Q.いかがですか?)めっちゃ気持ちいい」

 トイレにも使います。あっという間に、ペットボトル3本分がなくなりました。

 給水に来た人:「(水は)あとこれだけ」

■営業中に断水…洗い物がたまったままに

 台車で大量の水を運ぶ男性。

 給水に来た人:「きょうは、これで3回目。お風呂に入れないし、洗濯、要は洗濯です」

 自宅に到着すると、重たい水を運び込みます。これがかなりの重労働。

 給水に来た人:「(水が)重いですよ」

 もらってきた水は煮沸して、飲料水や洗い物に使います。皿にアルミホイルを敷いて水をあまり使わないように工夫されていました。

 給水に来た人:「風呂も水がたまらないから、体を拭く程度。シャンプーもできるか分からない」

 洗濯にも挑戦しますが、水が全然足りません。

 給水に来た人:「これまた中断です。(水を)私、またもらって来なきゃいけない」

 ラーメン店は24日、昼の営業中に断水になってしまいました。シンクの中には、洗い物がたまっています。

 ラーメン店店主:「断水になるとは思わなかったもんで」

 入り口には「断水のため営業できません」との貼り紙が。断水は、いつまで続くのでしょうか。

(「グッド!モーニング」2022年9月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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