温暖化でもワイン作り続けたい“簡単な”栽培方法でぶどうの成熟を涼しい秋に遅らせる(2022年9月22日)

温暖化でもワイン作り続けたい“簡単な”栽培方法でぶどうの成熟を涼しい秋に遅らせる(2022年9月22日)

温暖化でもワイン作り続けたい“簡単な”栽培方法でぶどうの成熟を涼しい秋に遅らせる(2022年9月22日)

 テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で気候変動問題などSDGs企画をお伝えします。22日のテーマは「気候変動に具体的な対策を」です。地球温暖化が日本ワインの一大産地を悩ませてます。枝を切るという簡単な作業が解決の切り札になるかもしれません。

 全国一のブドウの生産量を誇る山梨県は、日本ワインの発祥の地でもあります。

 ブドウ農家・金子雄輝さん:「日焼けなんです。干からびちゃっている。レーズンみたい」

 この日の最高気温は33℃。山梨県では温暖化が進み、この100年で年間の平均気温が2度以上、高くなっています。

 ブドウ農家・金子雄輝さん:「ワイン用のブドウっていうのは、色が入らないと赤ワインの良い原料にはならいなので、色が入ってくれなくなってしまうんじゃないかなあって懸念してます」

 この品種は通常は黒く着色しますが、暑さの影響できれいに黒くならず、まだらになります。

 サントリーが経営するワイナリーも山梨県にあり、暑さに悩まされています。

 山梨大学ワイン科学研究センター・岸本宗和准教授:「10月下旬から11月くらいになると、かなり気温が下がりますので」

 サントリー登美の丘ワイナリー・栽培技師長:「収穫のぎりぎりまで待てるというのも副梢(ふくしょう)栽培の強いところ」

 「副梢栽培」。この新たな栽培方法は、岸本准教授が8年前から研究を続けています。

 山梨大学ワイン科学研究センター・岸本宗和准教授:「副梢栽培では、花が咲くころに枝の先端と房を切り落とします。葉の付け根から新しい枝が伸びてきて、この房を使うのが副梢栽培」

 副梢栽培で栽培されたブドウは山梨の夏の暑さを避け、成熟期を1カ月ほど遅らせることができるといいます。

 登美の丘ワイナリーでは去年、通常9月に迎える収穫期を1カ月遅らせることに成功。今年は、副梢栽培の面積をおよそ8倍に拡大しました。

 山梨大学ワイン科学研究センター・岸本宗和准教授:「(温暖化が進んでも)ブドウが栽培されるすてきな風景がいつまでも続いて、おいしいワインが作り続けられるように頑張って研究を進めていきたい」

 山梨県の気候の特徴として、夏の気温が非常に高いのですが、秋になると急激に気温が下がります。

 それを利用して、ブドウの生育をいったんリセットするという副梢栽培。ワインに理想的なブドウが作れるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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