“歴代最強級台風”温帯低気圧に“台風一過”青空にならないワケは(2022年9月20日)
過去最強クラスの台風14号は温帯低気圧に変わりましたが、関東などでは断続的に雨が強まり、この後も局地的に雨が強まる恐れがあります。一方、九州では一部で道路が崩壊したほか、8万戸以上で停電が続くなど台風の影響が続いています。
20日の明け方の新潟は、台風の真っただ中にありました。係留された船が大きく揺れているのが分かります。
20日午前4時すぎ、新潟市付近に再上陸した台風14号。通勤時間帯を直撃しました。
新潟市のシンボルでもある萬代橋。今シーズン一番の最大瞬間風速を観測した新潟。橋を渡る人々は、雨と風との戦いです。
傘で必死に雨風を防ぐ人、かっぱでしのぐ人、傘を諦めた人…。
街の人:「多分(傘)役に立ってないと思う。いつもより1時間早く出た。不安だったので」
都内も雨はやみません。激しく打ち付ける雨が階段を滝のように流れています。
午前8時の品川駅。3連休、台風で予定が狂った一家がいました。
福岡に帰る家族:「福岡から来て台風で延泊して今から帰る」「ディズニーランドの時は雷が落ちて怖かった」
午前9時。“歴代最強クラス”で上陸した台風14号は温帯低気圧に変わりました。ただ“台風一過”の青空は見えません。
六本木も横殴りの雨が吹き付けています。前線や低気圧の影響で、関東や東北は激しい雨が降りました。
新宿では、道路が冠水する場所もありました。渋谷区では、家が浸水した人も居ました。
家が浸水した人:「都内で水没。帰宅したら居間が池になってた」
築30年程の部屋。それがこの雨で浸水しました。いったい何があったのでしょうか。
家が浸水した人:「ゲリラ豪雨が来て普通の排水溝だと流れるように設計されているが、限界を超えてしまった」
先月の雨で雨漏りをしたときに修理したものの、それを超える雨が降りました。保険を使い、これから修理するそうです。
家が浸水した人:「今はホテルに避難している。都内に住んでいるのでこんなことはないと思った」
いったいなぜ“台風一過”の青空とならなかったのでしょうか?
気象予報士・今村涼子:「関東は台風が温帯低気圧に変わった後、前線と一体化して長く伸びて掛かり続けている。しかも東海上にある高気圧の勢力が強いので前線をブロックしてとどまり続けている」
一方、台風が過ぎ去った西日本。一夜明け、被害の全容が明らかになってきました。国道が真っ二つになったのは、宮崎県の北部・諸塚村です。
台風が上陸する前、現場にはトンネルへ続く一本道でした。それが、一夜にして崩落…。ガードレールは宙に浮き、手前のアスファルトも、今にも崩れ落ちそうです。復旧の目途は立っていません。
未明から、強い風と大雨に見舞われた岐阜県。朝になって、ヒヤリとする事態が…。真下にあった車には、崩れた外壁が降り注ぎ、屋根はへこみ、ミラーも無残な姿に…。
郡上市では、土砂崩れが発生しました。およそ1.6キロの区間で今も通行止めが続いています。
一方、広島では…。車の行く手を遮るように、道路に大きな穴が。車は引き返せざるを得ません。県内では、心配な事態も…。82歳の男性の行方が分からなくなったのです。消防と警察40人掛かりで、捜索が続いています。
冠水による被害も深刻です。今回の台風で9月平年の半分の雨が降った宮崎県西都市。19日…。冠水していた場所にはいくつものハウスが並んでいましたが…。ハウスの半分の高さまで水に浸かりました。水は明け方になっても、なかなか引かず…。ようやく本来の姿を見せたのは、昼頃になってから。
収穫間近の台風直撃に、農家は肩を落としていました。
地元農家・永野公寛さん:「月末くらいから(きゅうりの)収穫ができそうな感じだった。まだハウスが残っているだけましかなって。頑張ればまたそれしかないなって感じですね」
生活への影響も広がっています。
九州全域では8万戸余りが今も停電しています。
商店店主・永野六夫さん:「ここがアイスクリームなんですけど、全部廃棄処分です」
宮崎市内の商店では、丸一日停電が続き、冷蔵庫が使えず多くの商品の売り物にならなくなりました。
商店店主・永野六夫さん:「学校給食を納品しているので30~40万ぐらいの損失はあるかと思う」
ただ、電気が復旧しても注意が必要です。
長崎県松浦市で未明に発生した火事。発生時の瞬間風速は14.9メートル。火は燃え広がり、複数の住宅を焼きました。
出火の原因とみられているのが「通電火災」です。停電が復旧した後に起こる火災で、警察が詳しい原因を調べています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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