東京都基準で4人 国基準で224人“重症者数”に違い・・・現場で何が(2022年1月13日)

東京都基準で4人 国基準で224人“重症者数”に違い・・・現場で何が(2022年1月13日)

東京都基準で4人 国基準で224人“重症者数”に違い・・・現場で何が(2022年1月13日)

東京の新型コロナ重症者数は13日、都の基準では4人でしたが、国の基準では224人となっています。国の基準では、1カ月前と比べて20倍近く増えています。

東京と同じ基準で発表している沖縄は、県の基準で重症者はゼロですが、国の基準では35人でした。

都の基準では、人工呼吸器やECMOをつけた患者を重症者としています。国の基準では、それ以外に集中治療室での管理が必要な患者も含むことになっています。

人工呼吸器はつけていないのに、集中治療室にいる患者はどんな症状なのでしょうか。

順天堂医院・比企誠医師:「集中治療室で血圧のこと診ながら、透析が必要などの患者。(他に)人工呼吸器一歩手前だが、肺炎は広い範囲にあって、いつ何どき人工呼吸器になってもいいけど、高流量の酸素で対応しているとか、そういう患者さんが国と都の基準のギャップのところに当てはまってくるかと思う」

基準は統一すべきではないかとの議論は1年半前にもありましたが、東京都は「集中治療室にいる患者すべてが必ずしも重症ではない」と、都の基準を発表することを継続しています。

順天堂医院・比企誠医師:「全身の管理でどれくらい大変化になるので、集中治療室に入っているのは、集中治療が必要な重症の患者だと」

こうしたなか、オミクロン株の特性も見えてきました。

順天堂医院・比企誠医師:「肺炎の患者さんは少ないような気がします。もっと患者さんを診てみないと分からないですが」

では、どんな場合に重症化するのでしょうか。

順天堂医院・比企誠医師:「重症化リスクのある動脈硬化、心臓の病気、脳血管疾患があるとか、腎臓が悪くなって透析になっているとか、糖尿病とかそういう方も」

加えて、99%以上がオミクロン株に置き換わったニューヨークの救急医が、基礎疾患とコロナの関係について、興味深い報告をしています。

ニューヨーク州救急医、クレイグ・スペンサー氏:「今は2020年3月時点とは違います。酸素吸入を必要とする患者はいます。コロナで基礎疾患が悪化してしまった患者が多いです」

ここにきて、国内では、オミクロン株疑いで死亡する人も出ています。千葉県が13日、90代以上の女性の死亡を発表しました。女性は、循環器系の疾患があり、去年8月に2回目のワクチン接種を終えていました。

オミクロン株疑いの死者は12日、大阪府と静岡市でもそれぞれ発表されています。2人とも高齢で、重い基礎疾患があったということです。

東京都北区の保健所長で、医師の前田秀雄さんに聞きます。

(Q.オミクロン株は重症化しにくいという見方もあるなかで、基礎疾患がある方はリスクが高いのではないかという報告もあります。どう見ていますか)

前田秀雄さん:「全体から見ると、重症化率は低い状況です。感染された方のなかでも、ハイリスクの方、基礎疾患を持つ方は少ない状況で、そういう意味ではある程度、安心なところはあると思います。ただ、今問題なのは、全体の感染者が非常に多いことです。軽症の方には迅速に対応しながら、リスクのある方を見逃さず、きめ細かい経過観察、訪問診療・訪問看護を行っていくことが重要だと思います」

(Q.注意すべき基礎疾患はどのようなものがありますか)

前田秀雄さん:「肺炎が一番大きな死因なので、呼吸器疾患を持っている方はリスクがあります。保健所で見ていて感じるのは、糖尿病です。糖尿病は免疫系の能力を落とします。あるいは高度の肥満の方。こういった方はしばしば、療養中に重症化することがみられました。高齢で疾患をお持ちの方や、複数の基礎疾患を持つ方のリスクは高いです。私たちはそうしたところを見逃さないで、きめ細かく健康観察を行いますし、リスクがある方への早期治療で未然に重症を防いでいきたいと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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