“ノロノロ”台風6号 夏休みの観光を直撃 「経験がない」奄美“宿の苦悩”(2023年8月7日)

“ノロノロ”台風6号 夏休みの観光を直撃 「経験がない」奄美“宿の苦悩”(2023年8月7日)

“ノロノロ”台風6号 夏休みの観光を直撃 「経験がない」奄美“宿の苦悩”(2023年8月7日)

 台風6号は奄美地方を暴風域に巻き込みながらゆっくりとしたスピードで北上を続けています。影響が長引くなか、市街地を流れる川では橋の欄干ギリギリまで水が押し寄せるなど、危険な状態が続いています。

■8月“1カ月分”超える雨を観測

 台風6号は迷走を続けながら猛威を振るっています。5日から暴風域に入り続けている鹿児島県奄美大島。島内のすべての市町村で警戒レベル4の避難指示が出されました。街を流れる川は普段とかけ離れた光景が広がります。海から来た水が波を打つように川を逆流していきます。

 大型で強い勢力の台風6号は沖縄を通過したのち、“異例のUターン”で再び沖縄を直撃しました。現在、奄美地方を暴風域に巻き込み、ゆっくりと北に進んでいます。

 気象庁:「台風6号は9日から10日にかけ、九州に接近する模様。暴風が長く続く恐れがある。警戒を強めていただきたい」

 長引く台風。奄美市ではこの72時間におよそ400ミリの雨が観測されています。これは平年の8月1カ月分を優に超える量です。市内を流れる新川。水は茶色く濁り、水面はうねりを上げています。

■奄美 増水で高まる“氾濫危険”

 日頃、橋の近くを通る住民は。

 撮影者:「普段は水位も低く、ひざほどの水位しかない。海側から風が強く、あふれそうな状態」

 橋の水位は7日は欄干ギリギリまで水が迫り、危険な状態が続いています。

 撮影者:「歩行者が通るような小さい橋はほとんどギリギリだった。人は通らない方がいい状態」

■「経験がない」奄美“宿の苦悩”

 コバルトブルーの海と白い砂浜が続く、美しい奄美のビーチ。書き入れ時の夏休みです。台風の影響は計り知れません。ホテルの中まで雨水は押し寄せました。

 ネイティブシー奄美 スタッフ:「繁忙期で毎日満室の状態でダイビングも予約でいっぱいだったが全部ゼロ。まだ、丸一日以上先も暴風圏内。これだけ長時間暴風域にさらされているのはあまり経験がない」

■影響長期化“停電警戒”の民宿

 九州の南部にも徐々に影響が出始めています。宮崎では雨が降ったと思ったら、再び晴れ間に。不安定な天気が続きました。宮崎市内では視界を奪うほどの大雨に見舞われます。道路はたちまち水浸しになりました。

 砂浜にはパラソルが広がり、海水浴客でにぎわうはずの日南のビーチ。台風を警戒してか、人の姿はありません。地元で取れた新鮮な海の幸が堪能できる民宿。苦い思い出がよみがえります。

 鵜戸民宿 鵜戸や 源美佐子さん:「去年の台風でいけすの中のイセエビを全滅させた。停電が3日半くらい続いて何の対策もやっていなくて。これはだめだなと」

 去年9月の台風で停電が起こり、いけすの魚は全滅しました。民宿は停電への備えに新たに発電機を準備。窓には板を張り、暴風に備えます。

 鵜戸民宿 鵜戸や 源美佐子さん:「(Q.沖縄の台風被害を見て?)大変だなと思って、このまま通り過ぎていってくれればいいなと」

■4年ぶり“よさこい祭り”大丈夫?

 台風6号から遠く離れた四国にも影響が出ています。雨のなか準備が進められているのは9日から開催される「よさこい祭り」です。ところが、初日の「前夜祭」が台風の影響で“ピンチ”です。

 よさこい祭振興会 統括 岡林成海さん:「台風が非常に迷走台風といいますか、進路予想が日々変わってくるような状況。ステージの準備、音響関係、ストップしている状況。準備は早めに進めたんですが、いまだ完了していない」

 4年ぶりに通常開催される今年の「よさこい祭り」。例年、およそ100万人もの人が訪れる“夏の風物詩”です。9日の「前夜祭」は現時点では実施される予定ですが、台風接近で中止になる可能性があるといいます。

 よさこい祭振興会 統括 岡林成海さん:「台風の影響で前夜祭が中止になったのは過去1回だけ。何とかして開催したいというのが本心。安全を極力担保できる状態を作りながら、開催できる方策があるのか検討している状況」

 よさこい祭の「前夜祭」を行うかどうかは前日の8日、最終判断するそうです。

■航空券求め“長蛇の列”続く空港

 関東も台風周辺の湿った空気の影響で大気の状態が不安定となっています。午前8時半ごろの横浜市内の様子は雲が徐々に広がり、急に視界は真っ白に。今週中頃にかけて、急な雷雨に注意が必要です。

 台風が過ぎ去った後の沖縄。まだまだ影響は続いています。長い間、足止めにあっていた観光客などで混雑してる那覇空港。空の便に台風の影響が残っていて、152便が欠航。およそ1万6000人に影響が出ています。

 さらに、8日の飛行機のチケットを取った3人家族。まだ不安は拭えないようです。
 
 撮影者:「風は若干吹いているがもう普通。まだ台風がそんなに遠くにいっていないので、あす、ちゃんと飛ぶかが若干不安」

■山陽新幹線「計画運休」の可能性

 また、台風6号の接近に伴い、山陽新幹線は9日の夜から10日の午前中にかけて新大阪駅から博多駅間で列車の運転を取りやめる可能性があると発表しました。今後の台風の進路によっては日時や範囲は変わることもあるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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