原告「差別に正面から向き合っていない」“入試差別”東京医科大に賠償命令1800万円(2022年9月9日)
女性であることを理由に、東京医科大学の入試で不当な扱いを受けたとして、元受験生の女性ら28人が賠償を求めていた裁判で、東京地裁は9日、大学側に対し合わせて1800万円余りの支払いを命じました。
原告・長谷川麻矢さん:「入試の不正を正すのは簡単。単純に点数で切ればいいだけなので。性別という属性は何の問題にもならない社会になってほしい」
東京都内で働く現役医師・長谷川麻矢さんは、2006年に東京医科大学を受験し、2次試験で不合格に。他の大学の医学部に進みました。
原告・長谷川麻矢さん:「入試で女性差別が行われることが許されるのか。世間の人に考えてもらいたかった」
東京医科大学では2018年、当時の文部科学省の局長の汚職事件をきっかけに、次々と入試の不正が明らかになりました。女性や一部の受験生には減点するなど、得点操作を長年にわたって続けていました。
東京地裁は9日の判決で、東京医科大学の入試は「女性の受験生を一律に不利益に扱うもの」として、「元受験生の進路決定に影響を及ぼしたもので、精神的苦痛は必ずしも小さいものではない」と指摘。慰謝料は受験1回につき、原則20万円が相当として、大学側に総額約1800万円を支払うよう命じました。
原告・長谷川麻矢さん:「(Q.今回の裁判を通して社会に訴えたいことは?)男性医師の方が求められていると感じることが多くある。ただ、じゃあ女性医師を減らそう、女性受験生を低く扱おうということが、問題を解決に向かわせるかと考えると、絶対に間違っている」
原告側は“差別に正面から向き合っていない”として、今後の対応を協議するといいます。
一方の大学側は「判決内容を精査して対応を検討する」としています。
この問題をきっかけに、文部科学省は、性別などの属性を理由に入試で不当な扱いをしないよう、明確にルール化。2021年度の医学部の入試では、女性の合格率が初めて男性を上回りました。
医学部志望の受験生:「医師をめざす女性が減っていった時に、地方の医師不足などが深刻になっていくかも」
医学部志望の受験生:「中途半端な気持ちでやってるわけじゃない。勉強する場は平等に与えてほしい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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