【異常気象】ダム干上がり“沈んだ学校”出現 イラクで32年ぶり深刻渇水(2022年9月9日)
世界各地で、深刻な干ばつが起きるなか、イラクでダムが干上がり、32年ぶりに沈んでいた学校が姿を現しました。
熱波で、川などが干上がる現象。アメリカやヨーロッパはご存じかもしれません。このエリアはどうでしょう。
イラク北部の「デュホック・ダム」。水位が低下し「建物の土台」のようなものが見え始めています。
地元の住民:「表面に現れてきたのは『学校』です。現れたのは2度目。前回は1990年でした」
32年ぶりの出現は32年ぶりの「渇水」を意味します。
デュホック・ダムの所長:「満水時と比べ、水位は16メートル下がっています。これは記録的な低さです」
ワシントンポストによれば、「中東の温暖化」は長期的に見て他の地域のおよそ2倍のスピードで進んでいるといいます。
このエリアの「温室効果ガス」が急増しているのが原因で、デュホック・ダムも近年は安定しない状況が続いているといいます。
デュホック・ダムの所長:「毎年水量が減ったり、雨が降らなくて影響が出ることがある」
このダムは「飲料水」や「灌漑(かんがい)用水」の確保が目的。
一方、こちらは「発電」に影響が出始めました。
オーストリアを流れるドナウ川。手前がダム湖で水が減り一部が干上がっています。
電力会社フェアブント・広報担当者:「今年はとても乾燥していて、岩とか階段がむき出し」
その結果、発電量が低下。オーストリアは「3分の2」が水力発電で、電力の卸価格は去年の「およそ5倍」に高騰しているといいます。
必要なところには降らないのに「もういい」という場所には、猛烈に降る雨。
パキスタンでは、多くの地域で水が引いたものの、南部・シンド州の一部などは、いまだにこの状態です。住民はヤギを肩などに乗せて運び、ひざまで水に浸かりながら再会を喜びます。
親戚の救援に来た人:「6日間孤立していた親戚に、食料と薬を持ってきました。病気になった親戚もいて、身の回りの品は何も残っていません」
6月中旬に始まった洪水で、パキスタンでは50万人以上が家を失ったとされます。
洪水を免れた地域には大量のテントが張られていますが、衛生的とは言えない状況です。
医師:「定員は500人ですが、1400人の患者を受け入れています。安全とはいえない水を飲むなどし、80%の子どもが下痢などに悩まされています」
こうした状況はいつまで続くのでしょう。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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