「国民に弔意の強制しない」国葬決定の“法的根拠”は…岸田総理が国会で初の説明(2022年9月8日)

「国民に弔意の強制しない」国葬決定の“法的根拠”は…岸田総理が国会で初の説明(2022年9月8日)

「国民に弔意の強制しない」国葬決定の“法的根拠”は…岸田総理が国会で初の説明(2022年9月8日)

安倍元総理の国葬決定後、岸田総理が初めて国会で質疑に応じました。

岸田総理:「国として葬儀を執り行うことで、安倍元総理を追悼するとともに、我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示してまいります」

まず、与党から指摘されたのは、16億6000万円かかるとされる費用について。

自民党・盛山正仁衆院議員:「6日になって警備・接遇費が発表された。『金額を低く見せるために、わざと遅らせて発表したのでは』との批判も受けました。当初から警備・接遇費等含めて発表できなかったのか」

岸田総理:「今明らかにできるだけでも、アメリカのハリス副大統領、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相、シンガポールのリー首相、ベトナムのフック国家主席、EUのミシェル欧州理事会議長、カナダのトルドー首相、オーストラリアは、ハワード元首相、アボット元首相、ターンブル元首相の参列の意向が示されています。状況が徐々に分かりつつあるなかで、できるだけ早く数字を示そうと、仮定の数字を置いたうえで説明させていただいた次第」

誰を国葬にするのか、それを決める法律はありません。そうしたなか、閣議決定だけで国葬を決めたことについても問われました。

立憲民主党・泉健太代表:「例えば佐藤栄作元総理は当時、戦後最長の在任期間だった。ノーベル平和賞を受賞して、でも国葬ではなかった。この数十年間、元総理にどんな業績があっても、自民党内閣は内閣自民党合同葬を行ってきた。その知恵や深慮遠謀を壊して、今回、国葬を強行しようとしている。総理あなたじゃないですか」

岸田総理:「行政権の範囲内で内閣府設置法と閣議決定を根拠に決定したが、どう評価するかについては、その時の国際情勢、あるいは国内の情勢によって評価は変わるわけであります。その時々、その都度、政府が総合的に判断し、どういった形式をとるのか判断する。これがあるべき姿だと、政府としては考えているところ」

立憲民主党・泉健太代表:「総理、国際情勢・国内情勢とおっしゃった。なぜ多くの国民はこれだけ反対してるんでしょうね。森友加計問題で100回を超える、この委員会の場で虚偽答弁を行った。統一教会の問題。まさに自民党の中で最も統一教会との関係を取り仕切ってきた。そういう人物じゃないですか。評価が分かれるわけだから、これだけ反対の声が起きてる時に国際情勢・国内情勢、それでは到底、国民は納得しない」

岸田総理:「安倍元総理の統一教会との関係は、それぞれのご本人の当時の様々な情勢における判断に基づくものですから、本人が亡くなられてたこの時点において、実態を十分に把握することは限界がある」

立憲民主党・泉健太代表:「歴代の内閣葬では、自民党が半額負担していましたよね。今回は自民党は負担しないのですか?」

岸田総理:「合同葬ももちろん、国の税金は支出することになるわけです。何よりも大事なのは、国としてどういった形で、国際的な弔意を受け止めるのか。日本国民全体に対する弔意に対して、どう応えるのか。こうしたことが重要であると認識しています」

日本維新の会・遠藤敬議員からは、遺族の気持ちについて指摘されました。

日本維新の会・遠藤敬衆院議員:「国葬で一番忘れてならないのは、安倍元総理ご本人や遺族の方々のお気持ちに配慮することが抜け落ちてるのではないかなと危惧をしております」

岸田総理:「安倍元総理の国葬儀の検討にあたっては、ご遺族の気持ちも勘案しながら進めていかなければならない。厳粛かつ、心のこもったものとなるよう、引き続き万全の準備を進めていきたい」

疑惑が残るまま、国葬にすべきではないとの質問も。

共産党・塩川鉄也衆院議員:「統一教会と深い関わりを持ってきた安倍元総理を国葬とすることは、関係を断ち切るべき団体である統一教会の活動を是認することになりませんか?」

岸田総理:「今、国葬儀について議論をいただいております。日本国民全体に対する弔意に、日本国としてどう応えるか。これを考えた際に、国葬儀を行うべきである判断に至ったと説明をさせていただいております」

共産党・塩川鉄也衆院議員:「お答えになっておりません。統一教会と安倍氏の関係について、あいまいなまま国葬ということにはならないというのが、国民の声でもあります。国政選挙における安倍氏と統一教会の関係について、どうお考えですか?」

岸田総理:「まず自民党においては、ご指摘の点も含めて所属国会議員に対して、今日までの在りようについて、しっかり点検を行い、その点検の結果を党に報告する。その取り組みを進めさせていただいております」

国民民主党の浜野喜史議員からは…。

国民民主党・浜野喜史参院議員:「今回、国葬儀を行うということであるなら、国民の皆様方に共に追悼しようではないかということを呼び掛けるということが、私は極めて自然なことではないかと」

岸田総理:「故人に対する敬意と弔意を表す儀式として、安倍元総理の国葬儀を行うことが適切であると判断したわけですが、一方で、今般の国葬の実施にあたっては国民一人一人に弔意の表明を強制する、強制的に求めるものであるとの誤解を招くことがないように、弔意表明の協力方の要望を行わない」

国民民主党・浜野喜史参院議員:「失礼ながら、政府の説明に一貫性がない。安倍元総理を追悼申し上げようということですね(国民に追悼を)呼び掛けるのはごく自然なこと。弔意表明の強制につながるからやらないという説明は、全く通らないと思います」

岸田総理:「弔意強制というような誤解につながらないように、丁寧な説明を行いたいということを申し上げさせていただいています。ぜひ多くの国民の皆さんとともに、安倍元総理に弔意を示せる、こうした国葬儀にしたい」

約3時間にわたった岸田総理の国会答弁。国会の周辺では国葬に反対するデモが行われました。

会社員(63):「(Q.総理の説明の印象は?)真面目そうなのは分かった。あれでは批判が増えてしまうのでは」

会社員(34):「国葬って国を挙げての葬儀という意味。そこには多額の税金が投入される。国の一部の人たちだけで決めていいものではない。(Q.きょうの説明は納得?)納得はもちろんしてないですね」

年金生活者(78):「自分なりに国葬と決めたことだけの理由を言っているだけで、国民が知りたい、そういう丁寧な説明にはなっていない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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