“値上げの秋”激安スーパーにも影響…独自戦略「大量仕入れ」で“価格据え置き”(2022年8月31日)

“値上げの秋”激安スーパーにも影響…独自戦略「大量仕入れ」で“価格据え置き”(2022年8月31日)

　9月から食料品を中心に、値上げラッシュが続きます。薄利多売で勝負する激安スーパーにも、その影響が出始めています。

■激安スーパーも70品目“値上げ”

　東京・足立区にあるスーパー「ABS卸売センター」。近所では、激安店として知られていますが、9月以降の値上げでどれだけ影響があるのでしょうか？

　30日、店先に並んでいたのは、1本38円の麦茶。山積みのドレッシングソースは、1本68円。アルコールジェルは、なんと2本で68円です。

　世間の値上げラッシュもどこ吹く風という感じですが、社長に店内を案内してもらいました。

　ABS卸売センター・唐鎌孝行社長：「こちらの商品が9月1日から、ほぼ全品、値段改定ということで値上がりします」

　冷蔵庫に入っている練り物や総菜、すべての商品を来月1日から値上げする予定です。さらに…。

　唐鎌社長：「こちらのカレー粉（ルー）、9月の値上がりが決定している。新しく仕入れると、値段が1割ぐらい上がります」

　他にも、焼き鳥の缶詰やポテトチップスなどを値上げする予定だといいます。

　この店舗で、この秋に値上げが予定されている主な商品を集めてみました。主な物だけで、なんと70品以上あるといいます。

　唐鎌社長：「原材料費が上がっていること。円安で輸入経費が上がっていること。そういう経費が、それぞれ全部上がりますので。今までの値段ではやっていけないということが、大手さんも含めてあるんじゃないでしょうか」

　客：「（Q.値上がりが多い実感は？）あります。ものすごく値上がっていますよ」「（Q.家計に与える影響は？）ありますよ。（値段が）上がった分、（家計も）上がりますよね」

　客：「しょうがないよね。それなりにやっていかなきゃ。私がどうのこうの言っても、安くなるわけじゃないから。それに応じて、生活していくしかないと思う」

　客：「前まで1500円とかで収まっていたのが、2000円、3000円いっちゃって。お菓子ちょっとやめようかなとか、アイス安いの選ぼうかなとか。我慢しなくちゃいけない物が、子どもの食べ物とかでも出ているので。ちょっと痛いなと」

■“大量仕入れ”価格据え置きも

　一方、店内には、メーカーが値上げの発表をしているにもかかわらず、価格据え置きで提供する商品もあるといいます。

　唐鎌社長：「売れ筋のコーヒー用のクリーミーパウダーですが、うちとしては当面、値段を据え置きにします」

　この商品は、メーカーから9月に値上げすると連絡がありましたが、店頭価格は、しばらく変更しないそうです。

　さらに、魚肉ソーセージも、そうするといいます。

　唐鎌社長：「1カ月くらいは、この値段でいけると思います」

　一体なぜ、据え置きにできるのでしょうか？その答えが、店舗の裏手にある大きな倉庫にありました。

　唐鎌社長：「値段の上がる商品でも、大量に一括で現金で仕入れるものが多いので。そういったものは、“前買い”の安い仕入れ価格なので。その商品が（在庫）続く限りは、現状維持で。メーカー価格が上がっても、その商品については価格が維持できる」

　食用油は、7月にメーカーが値上げをしましたが、事前に大量に仕入れていたため、9月以降も据え置きで提供するといいます。

　唐鎌社長：「通常の小売店よりは、一品あたりの在庫量はあるので。安く提供できるのは強みでもあるし、少しでも前向きに考えて、安く良いものを提供し続けられればいいなと思っています」

（「グッド！モーニング」2022年8月31日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>