「サツマイモ」ピンチ カビ病気“ステルス拡大”…芋焼酎値上げ 生産者「消毒徹底」(2022年8月26日)

「サツマイモ」ピンチ カビ病気“ステルス拡大”…芋焼酎値上げ 生産者「消毒徹底」(2022年8月26日)

「サツマイモ」ピンチ カビ病気“ステルス拡大”…芋焼酎値上げ 生産者「消毒徹底」(2022年8月26日)

 秋の味覚「サツマイモ」に異変が起きています。大雨の影響で、カビの病気が各地で発生。収穫量にも影響が出始め、値上げを決めた企業もあります。

■“ステルス拡大”基腐病「外見全く異常ない」

 甘い香りが立ち上る、ホックホクの「焼きイモ」。この秋、値上がりするかもしれません。

 去年撮影された、収穫期を迎えたサツマイモ畑。ところが、一面に枯れ葉が広がっています。

 被害を受けた農家:「もう、ほとんど全部、菌におかされている状況。中身がジュクジュクしている状態」

 サツマイモを腐らせる「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」が発生していました。

 基腐病は、沖縄で初めて確認された2018年以降、感染が急拡大。これまでに全国27都道県で確認され、サツマイモの収穫量が年々減り続けています。

 昔から庶民のおやつとして愛され、今や海外でも大人気の焼きイモへの影響も懸念されます。

 一体、どのような病気なのでしょうか?専門家は、次のように話します。

 農研機構 植物防疫研究部門・眞岡哲夫所長:「一言でいうと、カビの病気。基本的にカビの病気は、ジメジメした所、つまり水分が好き。(南九州では)去年かなり被害が大きかったが、8月後半から雨が多かったり、台風が来たりで爆発的に増えてしまった」

 そして、ここまで被害が広がっている理由の一つが…。

 眞岡所長:「種イモ業者も農家もプロなので、病気が出ていれば、だいたい分かるが。外見全く異常がないような状態で、実は感染しているというのが見破れない」

 今年の記録的な大雨に加え、今後の台風シーズンの影響によっては、被害が拡大する可能性もあるということです。

■芋焼酎値上げ…焼きイモ店「とても心配」

 サツマイモの収穫量が減ったことで、宮崎県の芋焼酎を製造するメーカーは、来週から値上げすることを決めました。

 霧島酒造 企画室・章性民さん:「9月1日に弊社から出荷する芋焼酎16銘柄すべての価格を引き上げる。主力の黒霧島で約8%程度の引き上げとなる」

 基腐病の調査や検査、対策に使われる費用なども、値上げ分に含まれるということです。

 一方、浅草の人気焼きイモ店では、今のところ仕入れのサツマイモに影響はないものの、基腐病の拡大を懸念しています。

 焼き芋専門店 芋やす浅草店・河上洋巳店長:「これから、こちらのほうにも、大きな影響が出る広がる病気であれば、収穫量も減るので、当店としては、とても心配なところ」

■生産者も警戒…畑・苗を消毒“感染対策”

 全国2位の生産量を誇る茨城県。干しイモの原料となるサツマイモを年間120トン生産する農家も、不安を抱えています。

 おおすが農園・大須賀亨介さん:「(感染した)サツマイモとか苗を自分の家に仕入れないっていうことが一番。その他は、水はけのいい畑を作ったり、植え付け前の畑の消毒。あと、植え付ける苗も消毒を一応している」

 県内で初めて基腐病が確認された去年から、徹底した対策で、感染防止に努めているということです。

 大須賀さん:「(Q.自身にとって、サツマイモとは?)かなり大切な存在。じゃないと、生活もできないので。基腐病は、やっぱりないほうが。絶対に出しちゃいけない」

(「グッド!モーニング」2022年8月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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