「ひょう」「豪雨」被害 “傷物フルーツ”格安販売で人気…ナシお得に スイカ半額も(2022年8月24日)

「ひょう」「豪雨」被害 “傷物フルーツ”格安販売で人気…ナシお得に スイカ半額も(2022年8月24日)

「ひょう」「豪雨」被害 “傷物フルーツ”格安販売で人気…ナシお得に スイカ半額も(2022年8月24日)

 23日、千葉県市川市にできたのは、お得なナシを求める100人の行列です。水害などの影響を受けて傷が付いたフルーツなどを格安で販売する試みが、各地で人気を集めています。

■ひょう害“傷物ナシ”格安販売 10分で完売

 千葉県の市川市役所の一角にできた行列、およそ100人。その先にあったのは、市川市特産「ナシ」です。

 しかし、よく見ると、売られているナシの表面には傷があります。その原因が、6月3日に降った「ひょう」です。

 市川市では、大きいもので数センチはあろうかというひょうが30分も降り続き、ガラスが割れるなどの被害が出ました。

 ひょうは、成長途中のナシも直撃。出荷基準に満たない“傷物”となってしまったのです。

 市川市農業振興課・石井啓友課長:「傷やへこみ、見栄えが悪いものはありますが、味は例年と変わりなく、非常においしいナシができたので。それを皆さんに知って頂きたい。被害を受けた農家を応援してもらいたいということで。今回、このような企画をさせて頂いた」

 いわゆる“規格外”として販売されたナシ。23日は、ブランド梨の「幸水」が1袋3個入りで600円と、通常よりお得な値段で販売されました。140袋用意されたものは、わずか10分ほどで完売に。

 購入者:「すごく安い」「中まで影響がある何かだったら別だけど、表面だけでしょ。だから、大丈夫です」

■企業も“規格外ナシ”利用 10トンに増やす

 規格外のナシは、企業でも利用されています。

 「山崎製パン」は以前から、出荷基準を満たさない市川のナシを使った製品開発を積極的に行っていて、これまでに30種類ほどの商品を発売してきました。

 今年は当初7、8トンの梨を使用する予定だったところ、ひょう被害を受けて、10トンに増やしたといいます。

■フードロス削減にも貢献…“訳あり品”販売

 実は今、こうした規格外の農作物を廃棄せずに、販売しようという取り組みが増えています。

 生産者と消費者をオンラインで直接つなぎ、インターネット上で産地直売所を提供している「ポケットマルシェ」。“訳あり”コーナーを設け、規格外のものや賞味期限が近いものなどを販売しています。

 ポケットマルシェ・仲野脩さん:「一部廃棄になってしまう商品であったりとか、市場に流通できない品っていうのが『食べられるのに、もったいないよね』という声がありまして。フードロスの削減にも貢献できるかなというところで、(訳ありコーナーを)開始する運びとなった」

 今回、山形県のスイカを購入しました。糖度12度を超えてから収穫し、甘さと食感がバツグンと評判のスイカです。

 左側は豪雨被害に遭い、規格外になったもので、正規品に比べ、なんと半額です。一体、何が違うのでしょうか?

■味変わらず…「高級スイカ」3000円が半額に

 規格外の理由は「日焼け」。このスイカが栽培されていたのが、山形県米沢市にある畑です。

 まさに、収穫時期を迎えていた今月上旬、集中豪雨で半分近くが水に浸かり、ツルが枯れてしまいました。

 本来であれば、右の動画のように葉っぱが生い茂り、直射日光が遮られるのですが、ツルが枯れた場所では、日焼けが起きてしまったのです。

 EDEN・我妻飛鳥さん:「大玉スイカは特に、他の果物と比べたら皮が厚めなので。外側のダメージが大きくても、中は影響無いというのが多い」

 そう語るのは、豪雨被害に遭った生産者の我妻さんです。

 我妻さん:「(Q.被害に遭ったときは、どんな気持ち?)収穫してもダメで、また畑に捨てていく作業が、何とも言えないむなしさがある。あれだけ苦労して作ったスイカを行き場がなく、ただ畑に捨てに行くのかというむなしさと悲しさと、そういう気持ち。もちろん、無事だった畑もあるので、そういう所は収穫して出荷作業している」

 そんななか、ネット通販で豪雨被害を応援するコーナーがあることを知り、スイカを捨てることなく販売できたのだといいます。

 日焼けした規格外のスイカですが、気になる味は、甘くてみずみずしくておいしいです。これが規格外のスイカというのは、食べただけでは、絶対に分かりません。

 我妻さん:「3000円くらいの商品を半値ぐらいで買ってもらう感じ。せっかく、ここまでして育てたものを捨てるのかと思うと、安くてもいいから、誰かに食べてもらったほうが、私達もうれしいし。お客さんも、ラッキーという訳あり品でもいい方に届いてくれたら、うれしいと思う」

(「グッド!モーニング」2022年8月24日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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