【謎の水柱】正体は“温泉水” 工事なら莫大費用「塩害」「騒音」住民困惑(2022年8月23日)

【謎の水柱】正体は“温泉水” 工事なら莫大費用「塩害」「騒音」住民困惑(2022年8月23日)

【謎の水柱】正体は“温泉水” 工事なら莫大費用「塩害」「騒音」住民困惑(2022年8月23日)

 北海道長万部町で噴き出した巨大な水柱。町の調査でこの水が温泉水であることが分かりました。

 北海道長万部町の林で大きな音とともに噴出している謎の水柱の正体が、ついに判明しました。

 長万部町のホームページ:「水柱の水質検査結果について低温泉水と推定されるとのことです」

 検査機関の成分分析の結果、長万部町は水温21.5℃の「温泉水」と推定。微量のヒ素が検出されたものの、人体に害となる数値ではないとしています。

 ただ、近隣住民は…。

 近隣住民:「花がこれ。まだ枯れる時期じゃないんだもん。塩水みたいな…。塩分が入っているから黒くなって死んじゃった」

 塩分が含まれている「食塩泉」ということで、周りの植物に被害が出ていると訴えます。

 一方、水柱の周りは見物人も…。

 水柱を見に来た人:「いやーすごいな。びっくりするな」「(Q.これが『温泉』だと分かったが?)観光資源にうまく使えればな、うるせーけど、いいと思うんだけどな」

 林の中で轟音(ごうおん)とともに噴出し続ける「謎の水柱」。長万部町は、水質調査の結果を受け温泉水だったと発表しました。

 見物客からは観光資源として使ってほしいとの声も上がりますが、専門家に話を聞くと…。

 公益財団法人中央温泉研究所・滝沢英夫研究部長:「そもそも、温泉を取り扱うのに『温泉法』という法律がある」

 まずは、温泉掘削や温泉採取の許可、また湧出量を増加させるための動力使用許可などが必要だそうです。仮に、許可が下りたとしても…。

 公益財団法人中央温泉研究所・滝沢英夫研究部長:「1000メートルとか掘れば昔は1億から2億と言われていた。掘削深度にもよるが、最低でも数千万円はかかる工事になる」

 掘削に莫大な費用が…。噴き出した温泉水をそのまま利用すればと思いますが、それも簡単にはいかない理由が…。

 公益財団法人中央温泉研究所・滝沢英夫研究部長:「特に今回、水柱を上げて吹き出すような状況が確認されたので、『この井戸を掘る場合にはガス対策をしっかり講じなさい』となる」

 滝沢さんによると、2007年に東京・渋谷区で起こった温泉施設での爆発事故をきっかけに可燃ガスが出る場合、必ず対策をしたうえで掘削するようになりました。

 長万部の場合も、ガスとともに水が噴出している可能性があるため可燃ガスの分離施設を作ることになれば、さらに、数百万円の費用がかかるそうです。

 では、温泉ではなく「水柱」自体をそのまま観光資源にできないのか。

 公益財団法人中央温泉研究所・滝沢英夫研究部長:「この温泉は、それなりの成分が入っているでこのまま出し続けると『塩害』。付近の車やトタン屋根が錆びてしまうということがあるので、今のまま、観光資源として使うことは、なかなか難しい」

 長万部町役場によると、温泉水だったと発表後も「有効活用してほしい」という問い合わせは1件も来ていないそうです。

 近隣住民:「音がとにかくうるさいので止まってほしい。まだ活用は考えられない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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