岸田総理も感染の中“全数把握見直し”へ 医師の不安「行政から抜け落ちる可能性も」(2022年8月21日)

岸田総理も感染の中“全数把握見直し”へ 医師の不安「行政から抜け落ちる可能性も」(2022年8月21日)

岸田総理も感染の中“全数把握見直し”へ 医師の不安「行政から抜け落ちる可能性も」(2022年8月21日)

お盆が終わってからも全国で感染拡大が続いていますが、21日、岸田総理大臣が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

▽岸田総理が新型コロナ感染
21日、岸田総理大臣が、新型コロナに感染していることがわかりました。
20日夜から微熱やせきなどの症状があったということです。総理公邸にある私邸で療養中です。

▽お盆を過ぎても“発熱外来”に続々と
(佐々木一真アナウンサー)「こちらは東京板橋区にあります発熱外来です。朝からご覧のように混雑していますね。今、親子連れの方がまた1組、病院の中へと入っていきました。」
(医師)「近くにいましたコロナ(の人)は?」
(患者)「今週夏休みで浅草まで遊びに行ったくらいで…」
(医師)「人ごみの中に行っちゃったってことですね…」
(患者)「孫が一昨日熱を出して検査をしたら」
(医師)「コロナだった?」
(患者)「はい」

発熱外来にはひっきりなしに患者が訪れ、20日は150人に上りました。
(なないろクリニック 島陽一郎院長)「ここに来て、お盆で帰省された方、行楽地に行かれた方で帰って来られて風邪の症状、発熱がある方の受診は少し目立ってきていますね。」
21日の全国の感染者は22万人を超えました。
お盆休みが終わって、じわじわと増加、岩手や徳島では過去最多になるなど、感染拡大が続いています。
こちらの病院では、診察終了後、院長が「発生届HER-SYS(ハーシス)」への入力に追われていました。
感染症法で、医師は全てのコロナ患者の情報を保健所に報告することになっています。
(なないろクリニック 島陽一郎院長)「細かいなぁ。一つ一つ入れるのは大変なんだよな。これは分かんないな、どこで感染したか…」
当初120あった「ハーシス」の入力項目は段階的に簡素化されましたが、結局、この日、作業が終わったのは、診察終了から3時間以上経った午前0時近くでした。
(なないろクリニック 島陽一郎院長)「診察終了後に入力しますので、一日の疲労がたまった後の仕事になりますので、かなり負担はありますし、途中で眠くなったり…」

そんな中、議論が始まったのは、コロナ“全数把握”の見直しです。もし発生届が全数(把握)から定点(把握)になった場合、指定された一部の医療機関だけが感染状況を報告することになり、この病院の作業はなくなります。
しかし、院長は「定点把握」への不安をこう話します。
(なないろクリニック 島陽一郎院長)「重症化リスクのある患者さんが医療機関、行政から抜け落ちるという可能性がありますし、それによって新型コロナで重症化する、もしくは命をなくされる方が増える可能性はあります。」

▽重症化リスクある人「取りこぼされないように」
(佐々木一真アナウンサー)「東京港区の保健所です。土曜日は本来であれば業務はお休みということなんですが、土日を問わず多くの発生届が届くため、職員の方は今日も業務にあたっています。」
(みなと保健所 地域医療連携担当 二宮博文課長)「発生届の処理であるとか、重症化リスクのある人を逃さないようにいろいろこれまで工夫を重ねてきてましたので、今なんとか運用してるかなと思っています。」
(保健所の職員)「体調の確認でのご連絡なんですけど、今体調いかがですか?鼻水もなくて…最近何か解熱剤飲んだりとかってしてますかね?全然飲んでない?わかりました。」
Q. 電話していたのはどういう方?
(保健所の職員)「70代中盤のご高齢の方で、お一人暮らしで、重症化のリスクのある糖尿病とかいろいろお持ちだったので、周りに頼れる方もいらっしゃらないので、保健所から毎日、安心のためにもお電話させていただいています。」
今、議論されている“全数把握の見直し”について聞いてみると…
(みなと保健所 地域医療連携担当 二宮博文課長)「現場の人間からすると必要な方に必要な医療を提供するであったり、必要な方にそういった情報をしっかり提供するというところは大事なことかと思っておりますので、そういった方が今回見直しされるとしても、取りこぼされないように、そういった制度設計をぜひして頂きたいと思っております。」

8月21日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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