疲弊する医療現場“全数把握”見直しへ…既に“独自対策”(2022年8月20日)
8月20日、東京都の新規感染者は、2万5277人。全国の新規感染者は25万人を超えました。
医療機関の大きな負担となっている“全数把握”。感染者数の情報や把握するための入力作業が負担となっています。
【4~5時間かかる データ入力の負担】
医師「きょうはどうしましたか?」患者「発熱がきのうからあって」
診療後も、医師には重要な作業が残っています。
カラダとココロのクリニック~西調布院~ 西尾有司 院長
「発熱外来も全部終わって、もう終了なんですけど、ここからハーシスを入力していこうと思います。ここからが大変なんですけど」
HER―SYS(ハーシス)とは、厚労省が感染者の情報や全数を把握するために、『発生届』を入力するシステムのこと。感染者急増で医療機関の大きな負担になっています。
カラダとココロのクリニック~西調布院~ 西尾有司 院長
「お盆明けで、あの50人ぐらい実際外来の患者さんがいらして、まあほとんどの方が陽性だったんで、(ハーシスの入力に)4、5時間ぐらいかかっちゃう計算になっちゃうんですよね。休み時間中か、もう診察の後にやるしかもうなくて、ハーシスの負担はかなり大きいとは思いますね。」
東京都医師会も…
東京都医師会 尾崎治夫 会長
「“全数把握”できているとはとても思えませんので、もう既に破綻をしている。」
政府は今週、“全数把握”を見直し、指定した一部の医療機関だけに『発生届』の提出を限定する“定点把握”などの導入を検討し始めました。
カラダとココロのクリニック~西調布院~ 西尾有司 院長
「五類に落して“定点把握”もいいんじゃないかなというのは、なんとなく思ってるところではありますね。でもやはり患者さんの状態に関しては、我々臨床の担当者が患者さんたちを診ていくというのが常だと思うので、そこはちょっと分けて考えるべきものなんじゃないかなっというふううに、個人的には思っています。」
【八王子市の独自対策 患者自身が『発生届』を入力】
八王子市では医療機関への負担を減らすため“独自の対策”を始めています。医療機関、市役所、保健所が、週2回オンライン会議を行い、患者の情報を共有。市内の8割の医療機関が発熱外来を行うなど、全市を挙げて医療の逼迫を抑える取り組みを行っていますさらに今月9日からは、医療機関の負担となっている『発生届』を患者自身が入力するシステムを始めました。
八王子市保健所 職員「まず症状の有無を選んでいただいて、一般的に出るような症状があるかどうかを選択してもらう形に。」
自宅で検査キットを使い陽性が判明した場合、医療機関を受診せずオンラインで報告し、保健所の医師が診断します。
八王子市保健所 渡邉 洋子所長
「これによって保健所の医師が『発生届』を出したということで“ハーシス”に入力されることになります。」
発熱外来の受診者は、減ったといいますが、“全数把握”の見直しについては…
八王子市保健所 渡邉 洋子所長
「やはり医療が必要な方を速やかに救い上げるための、『発生届』にフォーカスをしてほしいという要望書を提出しております。やはり現実とは離れている状況だと思いますので、速やかに、そのステージに合わせた『発生届』の仕方そのような仕組みを作っていただく必要があると考えています。」
サタデーステーション 8月20日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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