崎陽軒「シウマイ弁当」 焼き魚がマグロ→サケに変更「会社としては苦渋の決断」のワケ|TBS NEWS DIG
横浜名物「崎陽軒」の「シウマイ弁当」。17日から焼き魚をマグロからサケに1週間限定で変更しました。変更は実に59年ぶりなんですが、この変更、魚をめぐって日本に起きている異変を象徴しています。
1日2万食以上が売れる崎陽軒の「シウマイ弁当」。17日から1週間限定で、焼き魚が「マグロの漬け焼」から「サケの塩焼き」に変更になりました。
客
「シウマイ弁当が目当て」
「期間限定だし、私たち横浜市民はシウマイ弁当大好きだから」
限定のサケを食べようと熱心なファンが訪れ、横浜の本店では午後2時には一時売り切れとなりました。
中にはこんな人まで・・・。
Twitterより
「夜行バスで東京に行き、新幹線でとんぼ帰りです。サケの塩焼きもありかな!?」
崎陽軒での焼き魚の変更は実に59年ぶりだと言います。いったい、なぜ異例の事態が起きたのでしょうか。
崎陽軒広報・マーケティング 野本幸裕主任
「円安の影響もあるんですけれども、主たる要因として、新型コロナの感染拡大によって、マグロが必要量確保できなかった。シウマイ弁当の中でも、『鮪の漬け焼』は人気の食材の一つ。会社としては苦渋の決断」
コロナ以降続く、世界的な物流の混乱。そこに今年3月ごろから急速に進んだ円安の影響が加わり、マグロを仕入れられなかったというのです。
7月には、1ドル139円台に達し24年ぶりの円安水準となった円相場。これが、日本の仕入れには不利に働きます。
例えば100ドルの魚を買う場合、半年前の1ドル=115円の水準なら1万1500円ほどです。しかし、円安が進んで1ドル=135円前後になった最近の相場では、1万3500円ほどになってしまいます。日本は消費者が安値を求める傾向も強いため、高値では買い付けられず他の国に「買い負け」してしまうのです。
東京・足立区のスーパー。
記者
「円安による買い負けの影響は、こちらのスーパーでも出始めています」
例年、今の時期は、台湾産のマグロやノルウェー産のサバなどを多く仕入れていますが…。
生鮮市場さんよう 鮮魚担当 関利光さん
「マグロはちょっと見通しが立たない。サバはやっぱりない。(仕入れ量は)4割ぐらい下がっている。買い付けられない、手に入らない、入荷がない」
魚を食べる文化が広がる中国が多くの魚を買い付けてしまい、仕入れが減ってきていると言います。
客
「スーパーから魚がなくなることは想定外ですよね。日本国民としては悲しいねぇ」
専門家は、幅広い魚介類で日本の「買い負け」が起きていると話します。
水産研究・教育機構 荒井大介広報課長
「特にコロナからの回復によって、マグロの需要が高まってきていて、日本に出すよりは北米の方に出した方がいいという判断もあって、中国に対しても鰻で買い負けしてるというような状況も報告がありました」
日本は食用の魚介類のおよそ4割を輸入に頼っています。「シウマイ弁当」に起きた小さな異変は、日本の食卓から魚が消えかねない状況を警告しています。
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