「軽症者多い」オミクロン患者診る医師に聞く 懸念は“子どもの感染”(2022年1月10日)

「軽症者多い」オミクロン患者診る医師に聞く 懸念は“子どもの感染”(2022年1月10日)

「軽症者多い」オミクロン患者診る医師に聞く 懸念は“子どもの感染”(2022年1月10日)

急拡大する新型コロナ・オミクロン株について、医療現場はどう見ているのでしょうか。国際医療福祉大学成田病院・津島健司副院長に聞きます。

(Q.これまでに60人以上の入院患者を診てこられたということですが、症状の特徴をどう見ていますか)

津島健司副院長:「デルタ株と一番違うところは、息切れという症状がなくて、発熱・のどの痛み・鼻づまり・頭痛・せきなど、上気道の症状で非常に軽症だなという印象を受けます。中等症は今のところ、CTできちんと確認して2人だけです。60人以上のなかの2人だけですので、非常に少ないと思います。1人がワクチンを打っていない若い方で、もう1人が肺に基礎疾患がある70代になります。」

国内で承認された軽症者向けの治療薬は、経口治療薬『モルヌピラビル』、中和抗体薬『ソトロビマブ』、抗体カクテルとも呼ばれる『ロナプリーブ』があります。

(Q.オミクロン株の患者に対して、こういった薬はどのように使われていますか)

津島健司副院長:「薬剤の供給が十分ではないので、全部が使える訳ではありません。リスクの高い患者に経口薬としてモルヌピラビル、点滴薬としてソトロビマブを使っています。今まで使っていたロナプリーブは、デルタ株には有効でしたが、オミクロン株には乏しいのではないかということで、我々は使わない形でやっています。

軽症の方が非常に多いので、発熱・せきくらいだと、解熱剤・せき止めだけで、点滴薬や内服薬までほしいという方は少ないです。症状が乏しいので、使ってもどうなのかなというところはあります。ただ、重症化は確実に抑制しているのではないかと思いますが、判断が非常に難しいです」

(Q.今後、子どもへの感染は懸念材料になりますか)

津島健司副院長:「子どもは、まだワクチン接種をやりましょうという段階になっていないので、まず子どもが感染して、そこから親などに感染し得る可能性があります。我々もそういう患者を何人も経験していますし、そこが懸念材料です。

(Q.冬休みが終わって、11日から学校が始まる家庭も多いと思いますが、子どもの感染に対して気を付けるべきことはなんですか)

津島健司副院長:「発熱など、子どもの毎日の体調をしっかりと把握してもらって、体調が悪ければ休ませることが重要です。親の都合で、解熱剤を使って行かせることはしてはいけないと思います。子どもは症状が軽いことが明らかだと思いますが、そこを逃さないよう観察してあげる必要があります」

(Q.3回目のワクチン接種は7日時点で、人口の0.6%、約75万人ということですが、進み方に懸念はありますか)

津島健司副院長:「非常に問題だと考えています。高齢者施設の方々がオミクロン株に感染してしまった場合を懸念しています。第3波の時には、高齢者が多く亡くなりました。今のところは、それほど出てきていませんが、高齢者施設でのクラスターをいかに抑制するかが重要です。そこに関わってくる医療従事者や介護者の3回目のワクチン接種を早く進めてもらいたいですし、高齢者がどの程度、重篤化してくるかもみていかないといけないと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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