抗原検査で“偽陰性”要注意…お盆帰省後の会食 医師「1日あけてゆったりプランで」(2022年8月10日)
最大11連休となるお盆休みを前に、都内の主要な駅に設けられた無料検査場には、多くの人が訪れています。2年半ぶりに帰省する男性を追いました。
■「2年半ぶり実家」両親歓喜 “お袋の味”堪能
JR池袋駅構内にある白いテントでは、抗原検査を受けることができます。検査を受ける人で列ができています。会場には、スーツケースを片手に訪れる人もいました。
祖父の実家へ:「(陰性で)ちょっとホッとしています」「(Q.おじいちゃん家行ったら何する?)ゲームをいっぱいする」
仙台の自宅へ:「3日前から、仙台から東京に遊びに来てて。こまめに(検査を)受けるというのも、これからは有りなのかなと」
和歌山から埼玉の実家に帰省する高原陽さん。最終チェックのため、池袋の臨時検査場を訪れました。
高原さん:「(陰性で)良かったです。実家に帰るのが、2年半ぶり。うちの父は肺が悪い。だから、一番気を付けなくちゃいけない。ちょっと悩んだんですけど、活用して。本当に、いつ人間って亡くなるか分からない。常に会いたいですよ。会える時に会いたい」
食卓に並ぶのは、“お袋の味”唐揚げです。久しぶりの再会に、笑顔があふれました。
■検査“偽陽性”も…“ゆったりプラン”会食を
9日、都内の新型コロナウイルス新規感染者は、2万9115人。4日連続で、前の週の同じ曜日を下回りました。
東京・北区にあるクリニック。数字上では、感染者数のピークを超えたように見えますが、今週も多くの患者がキャンセル待ちの状態だといいます。
医師:「真っ赤ですね。痛いでしょ、のど」
77歳男性:「そうそう。のど痛い」
医師:「ワクチン打ってましたっけ?」
77歳男性:「俺は打ってる4回」
医師:「4回目は、いつ打ちました?」
77歳男性:「(先月)13日か14日に行った」
医師:「ちょうど3週間プラス2日。ワクチン、一番効果ありそうな時期ですけどね。これが現実だな」
患者の中には、ふらつき気味で、のどが痛み、声が出づらい男性もいます。
医師:「きのう、熱が39.1℃まで。強烈ですね。自宅で抗原検査やったが、陰性だった。 抗原検査というのは、本当にタイミングが」
潜伏期間中では、陰性と出てしまう可能性がある抗原検査。陰性と出た場合でも、注意が必要だといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:「帰省の時に、本来はPCR検査ですけど。代わりに、(抗原検査を)やる場合は、(検査後)会食をしたり、マスクなしの会話はしないという日を1日、2日設けて。2日目とか3日目になってから、おじいちゃん、おばあちゃんと食事をする。“ゆったりプラン”で考えると、より安全性が高くなる」
■“感染報告届”に医師グッタリ…50項目も入力
診療が終わっても…。
伊藤院長:「午後8時55分、やっときょうの診療が終わって。きょうも15人(情報入力)ハーシスしなくてはいけません。残り3時間、間に合うとは思うんだけど、ほんとグッタリですね。これがなければなと、正直思います」
「HER-SYS」(ハーシス)とは、厚生労働省が運用する感染者情報の管理システムで、入力作業のほとんどを医師が行っています。
伊藤院長:「生年月日、昭和48年10月。俺と同じ。基礎疾患のある・ない。軽症。入院の必要性ない。診断方法PCR」
一人の患者に対し、およそ50項目が用意され、それを日付が変わるまでに打ち込むのです。
伊藤院長:「一応、きょう中に15人分入りました。ちょっと体の節々が痛いけど、他の仕事に移ります」
政府は医療機関の逼迫(ひっぱく)を受け、今後ハーシスの項目を7つに削減することを決定。また、日本医師会などは、毎日感染者を発表する「全数把握」の全面見直しを厚労省に要請しています。
伊藤院長:「医師が本来やらなくてはいけない医学というところから、遠ざかったところで、エネルギーを使い果たして、深夜を迎える。患者さんがあふれている現状で、全数把握ができているとは思えない。何倍もの患者さんが、診てあげられなくて、断念しているという現状を考えたら。少しでも、時間を労力を診療のほうに向けさせて頂きたい」
(「グッド!モーニング」2022年8月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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