病院前に救急車の列「患者受けきれない」 コロナ以外の診察に支障も 第7波の影響(2022年8月9日)

病院前に救急車の列「患者受けきれない」 コロナ以外の診察に支障も 第7波の影響(2022年8月9日)

病院前に救急車の列「患者受けきれない」 コロナ以外の診察に支障も 第7波の影響(2022年8月9日)

 東京では9日、2万9115人の新規陽性者が確認され、4日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。しかし、都内の病院の前では治療の順番を待つ救急車が長い列を作ってました。一体、医療の現場で何が起きているのか深掘りします。

 9日、東京都が確認した新型コロナウイルスの感染者は2万9115人。

 4日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。数字上では感染者の波は収まってきたように見えます。しかし、入院患者は増え続けていて、病床使用率は6割近くとなりました。重症者数は8日から1人増えて40人です。

 そして、都内の医療現場では今も深刻な問題が起きています。

 東京・新宿区の病院。その前には救急車の列ができています。

 国立国際医療研究センター病院第2救急科・小林憲太郎医長:「当院も患者を受け入れているのですが、やはり発熱とか呼吸器症状の新型コロナ感染症を疑う患者の診療はどうしても個室に区切られた空間で診療しなければいけない」

 こちらの病院では救急外来の中に個室は3部屋しかないといいます。それだけでは対応が追い付かず救急車が列を作っていたのです。

 国立国際医療研究センター病院第2救急科・小林憲太郎医長:「実際、発熱などの症状の患者さんでもコロナではない患者がおられますので、救急車内でまず否定して受け入れることをさせて頂いているなかで“車内待機”という表現を使っているんですが、車内で検査をさせて頂いて診察をする」

 救急車の中でトリアージしながら診察室が空くのを待つ車内待機。これが5時間に及ぶ日もあるそうです。

 救急医療の最前線に立つ小林医長はこれまでの感染の波で経験したことがない状況に陥っているといいます。

 国立国際医療研究センター病院第2救急科・小林憲太郎医長:「今回は患者の絶対数がかなり多くて、とにかくコロナを疑わなければいけない患者がすごくたくさんいて、病院として地域として受けきれていないというのが現状」

 第7波の影響は救急医療にとどまっていません。SNS上では病院にコロナではない診療を断られたという報告が相次いでいます。

 東京都は医療の逼迫(ひっぱく)を緩和するための対策を強化しています。

 今月から始まった抗原検査キットの無料配布。この制度は専用ホームページか電話で申し込むと自宅まで検査キットが届きます。陽性であればオンラインで報告することで医師の診察なしで療養に入れる仕組みです。これまで20代だけが対象でしたが、9日から30代にも拡大されました。

 小林医師は医療が厳しい状況はまだまだ続くとしています。そのうえで、コロナ以外の診察にも支障が出ている実情に葛藤を抱えていました。

 国立国際医療研究センター病院第2救急科・小林憲太郎医長:「これだけひとつの病気が流行することって僕らとしても今まで経験がないわけで、それだけ医療を必要とする人がいることは確かなんです。一方で、新型コロナとは関係のない病気で緊急を要する方もたくさんいるわけで、そういう方に適切な医療が提供できているかというと、今までのコロナがない状況での医療を提供できているわけではない。(これまでのような医療提供が)できていないというのが現実。そこは本当に難しい問題だと思っています。解決策があれば本当に教えてほしいところですけど…」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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