「苦しくても生きて償いを忘れないで」京王線“ジョーカー”事件 男(26)に懲役23年 東京地裁立川支部|TBS NEWS DIG

「苦しくても生きて償いを忘れないで」京王線“ジョーカー”事件 男(26)に懲役23年 東京地裁立川支部|TBS NEWS DIG

「苦しくても生きて償いを忘れないで」京王線“ジョーカー”事件 男(26)に懲役23年 東京地裁立川支部|TBS NEWS DIG

東京の京王線の車内で映画の悪役「ジョーカー」に扮した男が、乗客を刺し車内に放火した罪に問われている裁判。東京地裁立川支部は、男に懲役23年を言い渡しました。

「燃えてる、燃えてる」

おととし10月、ハロウィーンの夜に、走行中の京王線の電車内で起きた無差別刺傷事件。

無職の服部恭太被告(26)は、乗客の男性(当時72)をナイフで刺して大けがをさせた後、車内に火をつけ、別の乗客12人を殺害しようとした罪などに問われています。

映画の悪役「ジョーカー」に扮した大胆な犯行。しかし…。

服部被告
「自分に対する評価、存在価値がかなり低いと考えています」

裁判では、自分の苦悩や弱さを淡々と語りました。

服部被告は裁判で、事件のきっかけとして「失恋」と「職場でのミス」があったことを明らかにしました。

服部被告
「『金銭的余裕がある人がいい』と言われました」

事件の1年前、およそ9年間交際し、結婚を考えていた女性に別れを告げられた服部被告。さらに、アルバイトから契約社員へと登用してくれた会社からも、ミスをきっかけに部署異動を告げられます。

服部被告
「会社のミスであったり、彼女のことで自殺願望を持つようになった。自分で自分を殺すことができなくて、他人に殺してもらうしかないと思いました」

しかし、事件を起こすためには「ジョーカー」になりきらなければならなかったとも話しました。

服部被告
「殺人についてなんとも思っていないようなキャラクターに見えました。それくらいの感覚を持たないと、殺人を犯すことができない」

東京地裁立川支部はきょう。

裁判長
「自分勝手な理由から、多数の乗客の生命を狙った無差別的な犯行。凶悪で卑劣というほかない」

こう述べたうえで、懲役23年を言い渡しました。

一方、乗客12人のうち2人に対しては、死亡の危険のある場所にいたかが明らかではないことから、殺人未遂罪の成立を認めませんでした。

裁判長が最後に、「苦しくても生きて被害者らにきちんと対応し、償うことを忘れないでください」と諭すと、服部被告は「はい」と述べました。

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