「助けられる人が助けられない」疲弊する医療の現場 病院に心ない言葉を吐く人も|TBS NEWS DIG

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「助けられる人が助けられない」疲弊する医療の現場 病院に心ない言葉を吐く人も|TBS NEWS DIG

今週後半からお盆休みに入るにあたり、東京都は帰省や旅行をする人のために臨時の無料検査場を設置しました。一方、病院では感染者数増加によるスタッフの疲弊が続いています。

■“3年ぶり”花火&夏祭りが復活

この週末、新型コロナで中止されていた「夏の風物詩」が各地で復活しました。

3年ぶりの開催となった愛媛県・松山市の花火大会。混雑を避けるため、会場内の全ての席を有料とするなどの感染対策がとられました。

東北三大祭りのひとつ「仙台七夕まつり」も通常開催は3年ぶりで、8月8日まで3日間の日程で行われています。感染対策として、七夕飾りの「吹き流し」は、人の手が届かない地上2メートル以上の高さに設置。初日と2日目の人出は、およそ167万人でコロナ前の2019年と比べ、5万人近く増えました。

奈良の東大寺。3年ぶりに行われたのは、お盆前に大仏にたまった埃を払う「お身拭い」です。

参拝者
「大仏さんも喜んでいるのとちがうかな。来年再来年も引き続いて、やっていただけたらいいなと思います」

“第7波”による感染拡大が続く中、今週後半からは、「お盆休み」の期間に入ります。

東京都は、帰省や旅行をする人向けに、東京や上野、品川など主要な駅6か所に、臨時の無料検査場を設置。期間は8月18日までで、無症状の人が抗原検査を受けることができます。検査には原則予約が必要ですが、空きがあれば当日に受けることも可能だということです。

人々の移動が増えるお盆休みを前に、医療の現場は厳しさを増しています。

■コロナ病床3週間で埋まる医療ひっ迫「助けられる人が・・・」

埼玉医科大学総合医療センター岡秀昭教授
「3週間前までは(コロナ用ベッドは)大部分が空床でした。なのでこの2、3週間でベッドが全部埋まった形になります」

主に新型コロナの重症や中等症の患者が入院することになっている、埼玉県の病院。ただ、第7波では爆発的に感染者が増えたため、現在は、県の依頼で軽症の患者も数多く受け入れています。その結果・・・

埼玉医科大学総合医療センター岡秀昭教授「僕たちはどちらかというと重症者のためにベッドを空けておきたかったんです。本当に重症になった患者さんが、受け入れ先がなくなって、助けられる人が助けられなくなるってことが起こりうる事態になっているということです」

入院している患者で多いのは高齢者。食事や移動などでも、医療スタッフの手助けが必要です。

看護師「ご自分で動けない方はトイレの介助とか、寝たきりになってしまう方はおむつを替えたりとか、たくさん手が掛かる状態になっています」

高齢の患者には多くの人手が必要な上、医療スタッフも感染や濃厚接触によって100人規模で欠勤していることから、新しい病床を増やすことは難しいといいます。

看護師「この人が明日休みになっちゃったから、違う看護師が明日急遽夜勤やってとか、明日昼間勤務にしてとか、勤務変更も大変になってきている」

心無い言葉も、医療の現場を疲弊させています。

埼玉医科大学総合医療センター岡秀昭教授「受診できない患者さんが、『なんで受診できないんだ』って我々を攻撃する。『なんで待たせるんだ』、ひどいと『俺を殺す気か』みたいな感じですね。それで現場の人たちがその対応で非常に疲弊している」

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