新型コロナ専門家有志が“全数把握”や“原則公費負担”の見直しを提言した背景とは|TBS NEWS DIG

新型コロナ専門家有志が“全数把握”や“原則公費負担”の見直しを提言した背景とは|TBS NEWS DIG

新型コロナ専門家有志が“全数把握”や“原則公費負担”の見直しを提言した背景とは|TBS NEWS DIG

全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、専門家有志が2日、現在のコロナ対応の早期見直しを求める提言を公表しました。感染者の全数把握や診療の原則公費負担を見直すよう求めていますが、その背景には限界に近づきつつある医療現場の現状があるといいます。

■病床使用率50%以上が24都府県「感染が収まってからではなく今すぐ対応を検討すべき」

井上貴博キャスター:
ここからは2日に公表された専門家有志の提言を中心に見ていきます。

まずご覧いただく数字は、全国の病床使用率です(8月1日時点、内閣官房HPより)。
▼沖縄は現在77%
▼神奈川が85%

重症者用病床使用率は
▼神奈川は20%
▼沖縄40%

やはり重症患者よりも一般病床使用率がどんどん高まってきている状況です。
こういった流れを受けまして発表された提言です。現在のコロナウイルスへの対応や早期の見直しを求める提言が公表されました。

主なテーマは2つです。
▼感染拡大をどう抑えていくのか
▼柔軟かつ効率的な保健医療体制への移行

新型コロナ分科会 尾身茂会長
「感染が収まってから議論をする意見もあるが、分科会の大多数は今すぐ検討すべきという意見の一致があった」

第7波が収まってからではなく、今すぐにということで意見が一致した。そして、この発表に結びついたということです。

■感染者の“全数把握”の見直し “公費負担”は重症患者だけに

現在、保健所を中心として感染者の全数把握を行っています。しかし、今回の提言ではこのように求めています。
▼全数把握は段階的に見直し
▼「重症化懸念」患者の情報把握は継続 など

海外でも全数把握はほぼしていませんし、どこまで意味があるのかということが言われていた中で、今後は重症化懸念の患者さんに絞って継続するのはどうかという提言です。

医療機関については現在、以下のようになっています。
・入院は限られた医療機関が主体
・外来は空間など厳格に分離できる外来施設が中心

対応は一部の医療機関しかできませんので、そこに患者さんが殺到しパンクしてしまう懸念があります。

そこで今後は
▼外来・入院対応可能な医療機関を拡大すべき
などという内容が提言に盛り込まれています。

続いて公費負担について。診療の費用負担について現在は原則として全員公費で負担しています。これは政治判断で続けるべきだという意見がある中で、専門家の提言では
▼重症患者は公費負担を続ける
▼それ以外は保険診療
このリスクに応じてすみ分けをするのはどうか、という内容が取りまとめられています。

また、検査・受診について、現在は“感染疑い”も含めて医療機関での受診と検査が推奨されています。一方提言では
▼医療機関受診にこだわらず、家庭などで抗原検査を活用してもらう
▼年齢については記載はありませんでしたが、若年者(基礎疾患なし)は、受診を必須としない
としています。
リスクに応じて、リスクのある方・症状のある方を中心に検査と医療、受診について集中的に投入していくということが提言でまとめられています。

Nスタでもお世話になっている医師のお二方に話を伺っています。

国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授
「(公費負担について)重症者以外は医療費の負担が発生することになる。そうすると受診控えが心配」

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁院長
「今一番の問題は検査体制にある。PCR検査ができず治療すべき人が治療投薬をきちんとできていない」

■医療体制はアンバランスなまま 「社会経済を回すにはそれなりの体制と行動を」

ホラン千秋キャスター:
それぞれの分野において、おそらく医療従事者の皆さんの考えというのはそれぞれ違うと思いますが、このタイミングでこの提言を出されたというのは、やはりこのままいくと医療の形というものが保てないという危機感があるんでしょうか?

国立病院機構三重病院 谷口清州 臨床研究部長:
おっしゃる通りです。我々医療側としては最大限の努力をもちろんしますが、もうかなり限界に近づきつつあるので、まずきちっと考えていただきたい。
政府や国民は社会経済を回していくことを選択されたわけです。当然のことながら、感染者が増えるというのは予測できるわけですし、軽症者もたくさん出るってこともわかっていたわけです。
ただ保健医療体制というのは、これまでの感染者を抑制したときの体制そのまんまです。こういうアンバランスがあるからこそ今のような状況になっているわけで、社会経済を回すにはそれなりの体制と行動をしていただかないと持ちませんっていうことをきちんと、お伝えしなきゃないと考えています。

ホランキャスター:
社会の方針を変えていくのであれば医療の方針も変えてくださいということだと思うんですが、今挙げられたいくつかの提言の中で、まずここはとにかく早急に着手してほしい、変えてほしいというのはどこですか?

国立病院機構三重病院 谷口 臨床研究部長:
今、本来受診して治療を受ければない方たちが、受診できていないっていうのが最も大きな問題だろうと思…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220803-6032695)

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