脱炭素“GX”に官民150兆円投資　財源は不透明…検討案は“広く長く薄く”国民が負担「増税と騒がないで」

脱炭素“GX”に官民150兆円投資　財源は不透明…検討案は“広く長く薄く”国民が負担「増税と騒がないで」　｜TBS NEWS DIG

GXという言葉をお聞きになったことがありますか？グリーントランスフォーメーションの略で「脱炭素化することで社会を変える」という意味ですが、政府は官民で150兆円を投資するとしています。ただ、増税など国民負担が増える可能性も出てきました。

アメリカ西部の山火事。延焼面積が急拡大し、いまも数千人が避難を余儀なくされています。

ヨーロッパにも熱波が到来。イギリスでは観測史上初の40℃を記録しました。

日々感じる地球温暖化。日本は「脱炭素」をどう実現するのか・・・

岸田総理
「2050年、炭素中立（カーボンニュートラル）の目標達成に向けて、エネルギー全産業、ひいては経済社会の大変革を実行していく」

27日、政府が初めて開いたのは「GX=実行会議」です。GXとはグリーントランスフォーメーション、脱炭素化に向けた社会変革という意味で、担当大臣には萩生田経産大臣を任命しました。

ただ、課題は山積みです。

投資額は今後10年間で、官民あわせて150兆円と巨額です。うち、20兆円は「GX経済移行債」とよばれる国債、つまり国の借金で確保しますが、財源が決まっていません。

検討されている案の一つは、広く長く薄く国民に負担してもらうこと。

山口壯環境大臣
「東日本大震災の後の復興債に似たような格好になるかもしれない」

東日本大震災の時に発行した「復興債」。10兆円を超える財源は、所得税に25年にわたり上乗せしたり、10年間、住民税を1人1000円ほど増やしたりしています。

また、炭素税などCO2の排出量に応じて負担を求める「カーボンプライシング」や、電気料金への上乗せも検討されているといいます。

財務省関係者
「一気に負担増を求めるわけではないのだから、増税増税って騒がないでほしいのが本音です」

とはいえ、企業や家計への負担は重くなりそうです。

課題はほかにも・・・

岸田総理
「原発の再稼働とその先の展開策など、明確に示してもらいたい」

原発の再稼働です。経済界も・・・

経団連十倉雅和会長
「原発全部でいま36基あります。（再稼動を進めたいという）意味での首相の発言だと解釈」

増税も含めた負担増や原発再稼働の加速、脱炭素に向けて世論を二分しそうな議論がやってくるのは確実です。

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