“迷走台風” 沖縄を再直撃 関東は猛暑続きでトマトが日焼け…苦しむ農家に救いの手(2023年8月6日)

“迷走台風” 沖縄を再直撃 関東は猛暑続きでトマトが日焼け…苦しむ農家に救いの手(2023年8月6日)

“迷走台風” 沖縄を再直撃 関東は猛暑続きでトマトが日焼け…苦しむ農家に救いの手(2023年8月6日)

ゆっくりと迷走しながら猛威を振るい続ける台風6号。
このあと、急カーブして九州に上陸する可能性が出てきています。
さらに、影響は台風から離れた関東にも及ぶおそれがあります

■“迷走台風”沖縄を再直撃 道路20m崩落

風切り音と共に降る、横殴りの雨。ゆっくりとした速さで、沖縄を再び直撃した台風6号。各地に大きな被害を出しています。
(濱元晋一郎記者)「雨が降り続くなか、読谷村の住宅街では斜面が大きく崩れました。一部だけ色が変わっているのが分かります」
けさ、『線状降水帯』が発生した沖縄本島。『土砂災害警戒情報』が発表されるなか、読谷村では、土砂崩れが発生しました。村では、住民112世帯、271人に対し、警戒レベル5の『緊急安全確保』を発表しました。
(避難した住民)「怖いですねやっぱり。全然こんなにすごいのがくるとは思わなかったんですよね。まさか自分がそういう立場になるとは思ってなかったので…」
こうした被害は、島内の至る所に…
(上田健太郎記者)「こちら道路が20mほど陥没してしまっています。ブルーシートがかけられ、通れなくなってしまっています」
西原町の住宅街では、道路がガードレールと共に長さ20m、幅4mに渡って崩落。その影響か、下の住宅の塀からは、土砂を含んだ大量の水が流れ出していました。
(付近の住民)「きのうの(夕方)5時頃ですね。音がしよったんですよ、ガラガラと。水道管が破裂してから相当水が出たんですよ」
大型で強い台風として北上してきた台風6号は、沖縄を通過したのち、5日“異例のUターン”。勢力を弱めたものの、暴風雨をともなって、再び沖縄を直撃しました。
「あーこれ、行けないんじゃない?あっち通行止めなん?」
名護市では、市内至る所の道路が冠水。通行止めになっていました。
(道路管理者)「こっち真っすぐはもう水いっぱいで通れなくなってますね」
「ほんとですか?」
(道路管理者)「だから回り道するしかないんですけど」
6日、沖縄本島では、最大瞬間風速34.3m。1時間雨量37.0mmを観測。本部町では、高齢者が運転する乗用車が、冠水した道路に立ち往生。運転手は無事、救出されたものの、車体の半分以上が水に浸かっていました。

沖縄からおよそ500km離れた、鹿児島県佐多岬では…
(佐々木一真アナウンサー)「あさ7時の佐多岬です。台風からまだ少し距離がありますが、既にこれだけ強い風が吹いています。時折身体が持っていかれそうなほどの強い風が吹いています。木々を見てみますと、この強風で折れてしまわないか不安になるほど、大きく左右に揺れています。」
午前中から夜にかけて線状降水帯の予測情報が発表された九州南部。鹿児島県、南大隅町では台風への備えが急がれます。
(佐々木一真アナウンサー)「こちら観光船はすでに陸に引き上げられていますね。見てみますと台風に備えてロープでしっかりと固定されています。」
佐多岬を巡る観光船は台風の影響で当分の間欠航を決めたといいます。近くの畜産農家では風による被害を警戒していました。
(永吉畜産 永吉敏春さん)「(柱の)腐食が3本あるので、これが巻き上げられたらねちょっと怖いなと…」
「(屋根を支える)鉄骨が3つさびて根元の部分がなくなっています」
(永吉敏春さん)「人間が出来る対策というのは知れている。自然の猛威は防ぎようがない。牛には一晩頑張ってもらうしかない」
番組は大隅半島を北上しながら宮崎県へ向け取材。すると徐々に天候に異変が…
(佐々木一真アナウンサー)「正午過ぎです、風に加え雨脚が非常に強くなってきました。バチバチと大きな音を立ててフロントガラスをうちつけています。」
宮崎県延岡市北方で今年一番となる1時間に48.0mmの激しい雨が降りました。野生の御崎馬が生息することで知られる都井岬では…
(佐々木一真アナウンサー)「たくさんいますね。国の天然記念物に指定されている御崎馬です。よく見ますと子どもの馬もいるんですけど、時折強い風が吹くからでしょうか、大人の馬のすぐそばで過ごしています」
100頭ほどいるという野生馬。台風による子馬への被害が心配されます。
(都井岬灯台の職員)「やっぱり野生馬がいるので危なくないかというのもあるし。春駒といって3月末あたりから生まれる。そういう子馬は雨風はね…でも本能的に親と一緒にいて林の中に避難して大丈夫ではないかと思うけど…」
気象庁は引き続き九州南部、奄美地方で7日夜にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があるとして注意を呼び掛けています。

■都心は天気急変…北海道では河川氾濫

台風の影響で、南から湿った空気が流れ込み、台風から離れた関東でも雨雲が発達しました。取材班が中央道を走っていると…
(島田直樹記者)「今、三鷹市周辺に入りました。雨粒が大きくなって激しくなってきました。」
この時、まだ路面は濡れていませんでしたが、しばらくすると…
「前方が見づらくなってきています。」
路面が徐々に濡れてきました。さらに…
「高速道路、水たまりがあるのでしょうか、トラックの後輪からは水しぶきが飛んでいます。少し水が溜まっていますね。」
各地で、降った突然の雨。いずれの場所も、晴天からの急な雨でした。前線の影響で今月3日から雨が断続的に降り続く北海道。
6日、午後、深川市を流れる雨竜川が氾濫しました。国土交通省と気象台は一時「氾濫発生情報」を出し、最大級の警戒を呼び掛けています。
一方、災害級の猛暑が続く日本列島。この日、全国の223地点で猛暑日となりました。東京都心は、34.8℃と猛暑日にはなりませんでしたが、5日までで、すでに年間の猛暑日最多記録16日に並んでいます。

■「トマトが日焼け」猛暑で農作物“規格外”に

異例の暑さは、農作物にも深刻な影響を与えています。野菜の通販を手がけるバイヤーが訪れたのは、千葉県・匝瑳市の農園。
(オイシックス・ラ・大地 買いつけを担当する 山下由美子さん)「これがいわゆる日焼けしたトマト?」
(和郷園 ミニトマト生産者 鵜澤正明さん)「基本的には処分される」
通常、ミニトマトは、全体が赤く色づいています。しかし、こちらのトマトは、赤色がまだらで、大きさも不揃い。通常、“規格外”とされ、出荷されないトマトです。
(鵜澤正明さん)「もう温度が高すぎる。遮光とかもやっているんですけど、やっぱり日差しが強いのが原因」
25℃程度が適温だという、このミニトマト。しかし、連日の猛暑、強い日差しが実の色を変えてしまったのです。
こうした、“規格外の青果”を年間175t販売している「おたすけoisix(オイシックス)」。
バイヤーの山下さんによれば、各地で同様の被害が出ているといいます。
(山下由美子さん)「果物が暑すぎて熟度が上がらなくてまだ収穫できません、いつ収穫できるか例年と違って(予定が)見えないとか。」
こちらの農園でも、現在およそ2割が出荷できないという状況。味に遜色はなくとも、いずれ廃棄される運命です。
(山下由美子さん)「濃いですね味が。美味しいです。」
(鵜澤正明さん)「もう出荷はできないです。ウチでは。」
そこで急遽、この“規格外ミニトマト”を販売するための会議が行われました。
(山下由美子さん)「普通のトマトではないよということはしっかりお客様にお伝えしないといけない。正直に日焼けと言ってしまってもいいのかなと」
販売サイトでは、トマトの状態や、“規格外”とされた事情を丁寧に説明。“固い部分は煮込む”など、調理法のアドバイスも踏まえ、「日焼けした不揃いトマト」として、すぐに販売することが決まりました。
(山下由美子さん)「本当に大変な中農家さんも作っているというのがあるので、農家さんのためにもお客様のためにも、Win-Winの形になるような商品を提供できるように、架け橋みたいな立場・役割を担えたらいいなと思っています。」

■“霧のシャワー”需要急増… 長引く猛暑で対策急務

長引く猛暑で、問い合わせが殺到している製品があります。
「ここを開けてもらって、ここに水道水を入れてもらって…」
霧のシャワーで空気を冷やす「ミストファン」と「ミストシャワー」。ペットボトルをリサイクル加工するこちらの工場では、ミスト装置のデモンストレーションが行われていました。
(ミスト装置を販売する 霧のいけうち ノズル事業部東京営業所 牧丘次長)「毎日暑いのでお客様の方からなんとかこの暑さに対して熱中症対策、暑さ対策ができないかということで、問い合わせは本当に増えてますね。」
ミスト装置の売り上げは、去年に比べ5割アップ。中でも自由に移動できるタイプが一番人気だといいます。
夏場になると駅前や公園、商業施設などでみかけるミストシャワー。設置場所は多様です。
(牧丘次長)「たとえば農家であったり、酪農であったり、牛も夏になると熱中症になるらしくて。ミストで冷やしてやるとお乳の出も回復するということで」
実際、どれくらい温度が変わるのか…ミスト設置前は、35.9℃ですが、ミストを設置すると33.5℃と、2度以上温度が下がりました。工場で働く人は…
(リサイクル工場の従業員)「すごい涼しい!気持ちいい!めっちゃ気持ちいいすごい涼しい!全然違いますね。」
(リサイクル工場の担当者)「温度が下がってくれればちょうどいい環境になるのかなと思うので、一応3台検討したいと思いますので、よろしくお願いいたします。」
(牧丘次長)「特別に暑いので、何かしないといけないっていう、作業現場、運動場、屋内外で冷房が使えない大空間ですね。最近だと災害の避難所とかそういったところで使われたりとかもしますね。」

8月6日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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