やむを得ず“陽陽介護”に…高齢者施設でクラスター 大阪・高齢者に“外出自粛”要請(2022年7月27日)
新型コロナの感染が驚異のスピードで広がっていて、大阪では、高齢者を対象に外出自粛を要請することが決まりました。
大阪府・吉村洋文知事:「高齢者の皆さん自身の身を守る観点から、通院、食料など生活必需品の買い出し、職場への出勤、屋外での運動、生活や健康維持のため必要なものを除いて、不要不急の外出を控えていただきたい」
対象は65歳以上で、期間は28日から1カ月。高齢者と同居する家族など、日常的に接する人にも、感染リスクの高い行動は控えるよう訴えました。
大阪府・吉村洋文知事:「(Q.高齢者以外の世代に“行動制限・対策しなくていい”との誤解を与えるのでは?)何度も申し上げているが、そういう意味ではない。感染拡大期ですから“行動制限しない”は“感染対策しなくていい”ではない。基本的な感染対策をお願いしたい」
大阪では、深刻な高齢者施設でのクラスターが起きています。
あるグループホームでは入居者9人のうち7人が感染。職員も17人中、10人の感染が確認されました。
一部、肺炎の症状が見られる利用者もいます。
水野クリニック・水野宅郎院長:「もともと心臓の形とか色々あって分かりにくいけど(肺炎が)あったとしても、そんな広範囲ではないな」
クリニックから持ち込んだ酸素吸入機で様子を見るよう指導しますが、施設の人手は全く足りません。
大阪府からは、陽性者が陽性者を介護する、いわゆる“陽陽介護”はやめるよう言われていますが、そんな状況ではありません。
感染していない入居者との接触を避けるため、職員は窓から出入りしています。
水野クリニック・水野宅郎院長:「グループホームというのは家庭みたいなものなので、陽性と陰性の利用者を共同生活させるのは限界がある。認知症などは入院しにくかったり、介護施設は本当に可哀想だなという感じ。まだピークは見えていないので(感染者の)数が多くなれば、それだけやっぱり重症化する人が増えるので、僕たちは今回の方が怖いとは思っている」
大阪府が非常事態とした根拠は、足元の感染状況です。
注目すべきは、病床使用率がついに50%を超えたこと。国の方針では、病床使用率が50%を超えたら、都道府県からの要請を受けて、まん延防止措置を適用できるとしています。
大阪府・吉村洋文知事:「まん延防止措置や緊急事態宣言、つまり具体的な行動制限、飲食店に対する時短要請とか(政府が)やらないと言っている以上、大阪府から要望することもない。要請することもない」
全国では27日、感染者数が過去最多を更新したところが続出しました。全体でも20万9646人と、4日ぶりに20万人を超えて過去最多となっています。
最も感染者が多かった都道府県は、27日も東京。そして都内でも、病床使用率が50%を超えました。これは約5カ月ぶりのことです。
行動制限について、政府の考えは変わっていません。
後藤茂之厚生労働大臣:「社会経済活動をできる限り維持しながら、重症化リスクのある高齢者等を守る対策に全力を挙げて取り組んでいく」
ただ、27日夜、厚生労働省の専門家会議を終えた脇田座長はこう話しました。
アドバイザリーボード・脇田隆字座長:「行動制限が必要になるかどうかと。今、医療がかなり厳しい状況になってきていることは事実であり、やはり会議のなかでも『かなり厳しい状況になってきている』と。様々な感染対策どうあるべきなのか、今、何が一番効果的な感染対策か議論する必要がある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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