医療従事者4回目接種スタート 倦怠感などのコロナ後遺症に光明か? 慈恵医大が発表(2022年7月23日)
新型コロナウイルスの感染者が急増するなか、学校などで夏休みが始まって最初の週末を迎えました。こうしたなか、23日に東京都では3日連続で3万人を超える新規感染者が確認されています。
人のにぎわいは戻っても感染拡大は止まりません。東京の新たな感染者は23日、3万2698人。3日連続で3万人を超えました。
重症者は22日より1人減って14人。全体の病床使用率は46.5%です。自宅療養者は22日時点で12万人を超え、1カ月前の10倍に増えています。
東京では、大規模接種会場で医療従事者などを対象とした4回目のワクチン接種が行われました。
4回目接種は、これまで重症化リスクの高い60歳以上の人などに限定されていましたが、感染急拡大に伴って医療従事者や高齢者施設で働く職員なども対象となりました。
4回目接種を受けた看護師:「感染状況は急速に拡大していて、同僚なども結構、疲弊してきているなかで、早めに打てたことはすごく良かったなと思います」
第7波にどう立ち向かうべきか、自治体からはこんな声も…。
大阪府・吉村洋文知事:「入院している人の70%以上が70代以上の高齢者です。そういった年代の人は、より感染が広がっているから気を付けて下さいという意味で何らかの行動抑制をお願いすることはあり得ると思っています」
感染者の急増で懸念されることは他にもあります。後遺症です。
厚生労働省の研究班が先月に発表した調査結果によりますと、新型コロナウイルスで入院した患者約1000人のうち13%の人が1年後にも倦怠(けんたい)感や疲労感が続いていると回答。
他にも呼吸困難や筋力の低下などの後遺症とみられる症状が続いている人が一定数いることが分かっています。
東京慈恵会医科大学・近藤一博教授:「倦怠感、うつ症状が強く出る人がいて、大きな社会問題に世界中でなっている」
東京慈恵会医科大学・近藤一博教授の研究グループはコロナ後遺症の「倦怠感」や「うつ」の症状を持つマウスを作り出し、脳の異常を調べました。
すると、においを検知する「嗅球(きゅうきゅう)」という脳の一部に損傷がみられ、脳全体にも炎症が起きていました。
東京慈恵会医科大学・近藤一博教授:「新型コロナウイルスが鼻の奥にある『嗅球』を攻撃することによって、アセチルコリンという神経物質が減って脳が炎症しやすくなる状態になる」
「アセチルコリン」とは、脳の炎症などを抑制する神経伝達物質です。この物質の減少によって脳の炎症が強まり、倦怠感やうつの症状を引き起こしていると考えたのです。
そこで、近藤教授が治療法として考えたのが「ドネペジル」という薬です。認知症の治療薬としても使われ、アセチルコリンの濃度を高める薬です。
マウスに投与したところ脳の炎症が改善し、倦怠感やうつの症状もなくなったといいます。
東京慈恵会医科大学・近藤一博教授:「ドネペジルは安全性が確認されている薬なので、Long COVID(後遺症)に効くかどうかの治験がやりやすい」
今年秋から人に対する臨床試験が行われる予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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