安倍氏の国葬実施を決定 戦後唯一“吉田茂元総理”の時は…(2022年7月22日)

安倍氏の国葬実施を決定 戦後唯一“吉田茂元総理”の時は…(2022年7月22日)

安倍氏の国葬実施を決定 戦後唯一“吉田茂元総理”の時は…(2022年7月22日)

 政府は22日、安倍元総理大臣の国葬を9月27日の火曜日に実施することを閣議決定しました。国内外から多くの参列者が見込まれるなか、松野官房長官は「休日とすることは検討していない」としています。

 安倍元総理大臣が凶弾に倒れて22日で2週間。

 安倍元総理の国葬が9月27日に日本武道館で行われることが正式に決まりました。

 松野官房長官:「葬儀委員長は内閣総理大臣が務めることとなります。国葬儀に関する事務を実施する『故安倍晋三国葬儀事務局』を内閣府に立ち上げました」

 政府は事務局などを立ち上げ、海外からの要人の調整を本格化させます。

 林外務大臣:「参列希望は、すでに各国から極めて多数の弔意メッセージが寄せられており、安倍元総理が外交で残された大きな足跡を改めて感じている」

 安倍元総理と親しかったアメリカのトランプ前大統領は参列を検討していることを明かしています。

 また、国葬は無宗教形式で簡素・厳格に行うといい、費用は全額国費で負担し、予備費でまかなわれます。

 ちなみに国葬ではありませんが、おととし、中曽根元総理の「内閣と自民党による合同葬儀」の費用は約2億円でした。

 松野官房長官:「(Q.国葬当日を休日にするか?)国葬儀の当日を休日とすることは検討していません」

 総理経験者の国葬は戦後1967年の吉田茂元総理だけです。

 自衛隊の礼砲が響くなか、式場の日本武道館に着いた吉田元総理の遺骨。そして喪主によって祭壇へと運ばれ、葬儀委員長である当時の佐藤栄作総理の手で納骨台へと安置されたのでした。

 当時の佐藤栄作総理は追悼の辞を述べました。

 佐藤栄作総理大臣(当時):「ここに国民各位とともに偉大な先人の業績をたたえ、生前の面影をしのびつつ、心からご冥福をお祈り致します。吉田先生、どうぞ安らかにお眠り下さい」

 専門家は当時の様子について…。

 中央大学文学部・宮間純一教授:「儀式自体には国内外から5000人くらいの賓客が招かれて参列し、(日本)武道館で行われましたので、九段下には8500人くらいの群衆が押し掛けたとの新聞記事が見られます。また、吉田元総理の邸宅から武道館までの道には約7万人の人だかりができたというので、それなりに大掛かりに行われたのは事実。しかし一方で、あまり関心を持たない層や反対派も存在したようで、佐藤栄作元総理が亡くなった時にも国葬にしようという議論があったようだが、結局、反対派の意向を無視できなくて、実施にこぎ付けられなかったというのが実態のようです」

 安倍元総理の国葬については一部で反対の声が上がっています。

 立憲民主党・泉代表:「説明や審議を我々としても求めてきましたが、そういったものも何もないという状況のなかで、この今回の政府の決定に私は賛同しかねる。反対だと表明したいと思います。そもそも元総理の業績というものを時の政権が主観的に評価をするということが正しいのか」

 また、松野官房長官は国葬は「弔意を強制することにつながる」などの批判があることについて、改めて趣旨を強調しています。

 松野官房長官:「様々なご意見があることは承知をしていますが、国葬儀は儀式として実施されるものであり、国民一人ひとりに政治的評価や喪に服することを求めるものではないということは、これまでも申し上げてきた通りであります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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