「旧統一教会」会長が緊急会見 “安倍氏銃撃”容疑者母親が所属(2022年7月11日)

「旧統一教会」会長が緊急会見 “安倍氏銃撃”容疑者母親が所属(2022年7月11日)

「旧統一教会」会長が緊急会見 “安倍氏銃撃”容疑者母親が所属(2022年7月11日)

 11日午後、山上徹也容疑者が「恨みがあった」と犯行の動機に挙げていた宗教団体が会見しました。容疑者が供述しているような母親と教会の間で「金銭トラブル」はあったのか。そして安倍元総理との関係についても言及しました。

 なぜ、志半ばにして、命を落とさなければいけなかったのか。11日午後、山上容疑者が名前を挙げた宗教団体が会見を行いました。

 会見を行ったのは、「世界平和統一家庭連合」。旧統一教会の会長です。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「多くの社会的な不安や心配事が発生したとしていたら、それも合わせて重く受け止めていかなければならない」

 10日、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者。凶行に走った理由を、こう話しています。

 山上徹也容疑者の供述:「母親が宗教に金を払いすぎて破産した。元々、トップを殺そうとした。安倍元総理がその宗教団体と関係があると考え殺そうと思った」

 親族によると、山上容疑者には両親と兄、妹がいましたが、父親が亡くなった後、祖父が山上家を支えていたそうです。

 山上容疑者の親族:「祖父は、娘が小さい子3人を抱えたまま夫を亡くしたつらさを癒すために宗教に依存するのは仕方ないなと思っていたと思う。祖父は徹也が大学に上がる前だったと思うが、亡くなった。その後、かなり激しい勧誘があった」

 教会は、母親が会員だったことは認めています。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「2カ月前に一度主催した企画に参加。この半年は一カ月に一度くらい」

 山上容疑者の家族が、破綻していたことは把握していたとしています。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「破綻していることがこちらで知っていた立場でさらにそこに献金を願う、要求することはありません。そのように指導しておりません。このご家庭が破綻された諸事情は、私どもも把握していない。現場に問い合わせても、当時のことを分かっている人もいなく把握しきれていないのが現状です。ただ『破綻されていた』ということは知っている。このご家族に高額献金を要求したかという事実は記録上、一切残っていない」

 献金は一般的に本人の意思で行われるといいます。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「例えば月例献金・礼拝献金とか、また無記名献金のようなものもある。このように献金には色んな種類がある。そして本人の意思で献金されていきますが、献金の額は本人の信条に基づいて献金されていると受け止めている」「(Q.これ以上献金すると破綻するからやめましょうというのはあるのか?)むしろ、そっちの方が多いです」

 この世界平和統一家庭連合とはいったいどのような宗教団体なのか。旧統一教会といえば思い出すのは、あのイベントです。

 日本からも著名な女優らが参加した「合同結婚式」です。多くの信者同士が、その日初対面の新郎・新婦とも言われ、日本でも話題になりました。

 参加した男性:「これから本当に幸せになっていきたい」

 その創始者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏により1954年に韓国ソウルで創立されました。

 2012年に文氏が亡くなった後も、日本でも50万人を超える信者がいるとされています。

 今回の凶行について、教会は捜査に全面協力する姿勢を見せています。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「要望があればいつでも要請下さいとお伝えしているので、もし要請があれば全面協力したいと考えている」

 そもそも、山上容疑者が供述していた安倍元総理との関係。教会と安倍元総理の関係は深かったのでしょうか。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「私たちの友好団体が主催する行事に安倍元総理がメッセージなどを送られたことはある。世界平和統一家庭連合の会員として安倍元総理が登録されたことはありませんし、顧問になったこともない。明確にそこは申し上げたい。これは臆測だが、当法人と友好団体の区別がついていなかった。創設者が一緒で、そういう観点からすべてが同じに見えたのかと」

 一方的な恨みだったのでしょうか。教会に対する、新たな行動が明らかになりました。

 山上容疑者は事件前、奈良市内の宗教団体の関連施設で手製の銃の試し撃ちをしていたことが分かりました。

 その試し撃ちの痕跡なのかは分かっていませんが、撃たれたような跡も見えます。

 周辺の住民にも、事件前日・当日の生々しい記憶がありました。

 近隣住民:「(銃声が聞こえたのは)8日やと思う。(事件)当日、朝の3時半から10時くらい。普通の音じゃなかった。バーンという」「7日の朝4時です。交通事故でもない。こんな音って感じ。(息子が)軽自動車が走り去るのを見たと。警察にも電話した」「私は休んでいたけど飛び起きた。安倍さんが撃たれた時の2回目の大きいバージョン。あれよりももっとひどかった。普通あんな音鳴らない。バーンていう感じ」

 試し撃ちの音だったのかは分かっていませんが、大きな音は、一度や二度ではなかったという証言もあります。

 近隣住民:「爆発音はでかい音でバーンバーンって2発ぐらい鳴るぐらい。結構前から」「(Q.どれくらい前)数カ月じゃない。もう1、2年(前)。光ってもないし、花火かなと思くらいの音。違和感、感じながらずっといた」

 母が教会に参加するようになり、さらに思わぬ出来事が容疑者の身に降り掛かります。

 山上容疑者の親族:「7、8年前に徹也の兄が亡くなった。その時、徹也は『なんで兄ちゃん死んだんや。あほやな。生きていたらいいことあるのに』と言っていた。だからこの子は大丈夫やろなと思っていた」

 事件当日。その足取りも徐々に分かってきました。

 事件発生の1時間半ほど前に現場周辺に到着。近くの複数の商業施設に出入りしていたことが防犯カメラから確認されました。

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「本当に今、報道されているようなことが動機の根源にあるとなった場合は、私たち教団においても、とても重く受け止めなければいけない事実だと考えております」

 山上容疑者の親族:「どれだけ憎んでも母親を撃つことはできない。で、安倍さんを撃った。私はそうじゃないかと思う。彼をかばうことはできないけど」

 教会のトップを狙っていたとする容疑者。なぜその矛先が安倍元総理に向かったのか。捜査関係者への取材で新たな経緯が分かりました。

 捜査関係者への取材から:「祖父の岸元総理が宗教団体を日本に招いたという話があり、その親族の安倍元総理を狙うことにした。宗教団体のトップが日本に来た時に殺そうと思っていたが来ないのであきらめて安倍元総理を狙った」

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「自民党から当法人へ、当法人から自民党へというお金の動きは一切ありません。岸元総理が何か特別な計らいをしたとか特別な影響を与えているということは、まずないと思います」

 恨みと思い込みにより、理不尽に奪われた命。11日も多くの人がその死を悼んでいます。

 その死を悼むのは、日本だけではありません。

 アメリカのブリンケン国務長官。哀悼の意を表すため11日、来日しました。

 アメリカ、ブリンケン国務長官:「アメリカ国民は日本の人々同様、深い喪失感のなかにあります。在職中の安倍総理は誰よりも日米関係をさらなる高みへと発展させました」

 安倍元総理の遺体を乗せた車。東京・渋谷区にある自宅を出発します。沈痛な面持ちの昭恵夫人の姿も見えます。

 自民党本部に設けられた献花台。暑さのなか、多くの人が手を合わせていました。

 車は都内を走り、通夜・告別式が行われる増上寺へ向かいます。

 午後6時から身内や親しい関係者によって通夜が行われます。

 昭恵夫人が喪主を務め、岸田総理大臣ら多くの国会議員も参列します。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事