米連邦議会乱入事件から1年 続く分断【現場から、】

米連邦議会乱入事件から1年 続く分断【現場から、】

米連邦議会乱入事件から1年 続く分断【現場から、】

 シリーズ「現場から」。アメリカ・ワシントンの連邦議会乱入事件から1年が経ちます。民主主義の象徴の議会が襲われる前代未聞の事件でしたが市民の受け止めは割れていて、分断は今も続いています。

 先月、アメリカ南部テキサス州のイベント会場に長蛇の列ができていました。

記者
 「たくさんの人が詰めかけていますけれども、彼らのお目当てはあちら、トランプ前大統領がこれから行うイベントです。結構チケット高いんですけれども、たくさんの人が集まってきています」

支持者
 「トランプ氏はロックスター。彼を見に来ました」
 「アメリカをもう一度偉大にしたいんです。それが私たちの望みです」
 「トランプ氏を見られる日をずっと待っていました。彼がやってきたことを全て支持します」

 会場には数千人の支持者が詰めかけ、トランプ節に沸きました。

共和党 トランプ前大統領
 「メキシコ政府に要求を突きつけたら、『無理だ』と言うんだ。言ってやったよ、『輸出品全部に関税をかけてやる』と」

 そのトランプ氏。1年前の1月6日には、ワシントンで支持者にこう呼びかけました。

共和党 トランプ前大統領
 「地獄のように戦うぞ。地獄のように戦わなければ国を失ってしまう。ペンシルベニア通りを歩いて議会に行くぞ」

 「選挙が盗まれた」として、支持者をあおったこの直後、デモの参加者が大挙して連邦議会に乱入。議員らが緊急避難する事態となりました。訴追された乱入者はこれまでに700人を超えています。

 この事件をトランプ氏の支持者は今どう見るのか。尋ねてみると・・・

支持者
 「あれは平和的な抗議活動ですよ」
 「あれは暴動ではないですよ。真剣な思いを国に示しただけじゃないですか」

 「議会乱入は事件ではない」。実はこうした意見を持つ人は少なくありません。世論調査では、1月6日に起きたことについて、民主党支持者の85%が「暴動」だと答えたのに対し、共和党支持者の56%は「自由を守る行為」、また46%が「愛国心を示す行為」だと答えたのです。

民主党 バイデン大統領(就任前の会見 去年1月)
 「今後4年間の仕事は民主主義、良識、法の支配などを回復することです」

 事件直後、こう決意を語ったバイデン大統領。しかし1年が経った今「民主主義が危機にある」と感じている人は66%に上っています。大統領は現地6日に演説で民主主義の回復の重要性を改めて訴える予定ですが、分断の国となったアメリカに一体どこまで響くのでしょうか。(06日10:20)

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