酷暑で考える子どもの熱中症 危険性と対策を解説「トイレの回数、マスク、集団行動」(2022年7月1日)

酷暑で考える子どもの熱中症 危険性と対策を解説「トイレの回数、マスク、集団行動」(2022年7月1日)

酷暑で考える子どもの熱中症 危険性と対策を解説「トイレの回数、マスク、集団行動」(2022年7月1日)

1日も各地で気温が上がり、群馬や山梨、岐阜など6地点で40度以上を記録しました。一番の暑さとなったのは、群馬県桐生市で、40.4度。テレビ朝日ウェザーセンターの調べでは、一日に6地点で40度以上を観測したのは初めてのことです。

常総線では、線路がゆがんでいるのが見つかり、一部の区間で運転を見合わせました。記録的な暑さの影響とみられます。

そんななかでも、子どもたちは元気です。しかし、その裏で学校は、試行錯誤を続けています。炎天下でのプールの授業は可能なのか。連日、頭を悩ませていました。

子どもたちの安全を守るため、学校では『暑さ指数』を計測しています。暑さ指標とは気温だけではなく、湿度や周辺の熱環境、風の要素も取り入れた数値です。政府の指針では、暑さ指数で31度以上となると、「運動は原則中止」としていますが、あくまで原則なので、実際に中止するかは、現場の判断に委ねられています。

千葉県にある小学校では、水泳を実施しました。暑さ指数は31.3度でした。中止の判断もありうる暑さ指数にもかかわらず、なぜ、実施に踏み切ったのでしょうか。
山武市立大平小学校・吉川雅之体育主任:「3年ぶりになるので、子どもたちの泳力が非常に落ちている。身の安全、体力の向上のためもある。何かあったときに泳げないと困るので、熱中症を出さないためにも、細心の注意を払って判断している」

今年、初めてプールに入る児童も多く、中には水が苦手な子もいます。それでも一生懸命、水に慣れていきます。小まめな水分補給はもちろん、常にプールサイドに水をまくなど、対策は怠りません。
山武市立大平小学校・吉川雅之体育主任:「いまは気温と水温が上がりすぎて、上の温度が何度までならできるのか、決まりが正直ない。判断を各学校でしているので困っている」

小児科では、熱中症とみられる患者が、例年よりも早く増えているそうです。
峯小児科・峯眞人院長:「我々からすると『いつもと違う』がキーワード。『気持ち悪くない』『頭痛くない』『つらくない』と聞いてあげないと。熱中症ってあるところまでは、そんなにつらくないが、一線を超えると、途端に調子が悪くなるので、気を付けてあげないといけない」

◆熱中症の重症患者の治療にあたる帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・三宅康史医師に聞きました。

今のような暑い季節に、トイレの回数が減り、一度に出る量も少ない、手の甲をつまんで元に戻りにくい、顔が赤くなっているにもかかわらず汗が出ていないという症状が急に出てきたら、熱中症になる危険性があるとしています。こういった症状が出たら「体内の水分が不足しているサイン」と話します。

また、三宅医師は「マスクをつけると、熱がこもりやすい。着用時は、体を冷やす、水分補給、休憩を取り入れるなどを特に意識してほしい」といいます。ほかにもクラブ活動といった集団行動も注意が必要です。「周りに合わせてしまい、自分のタイミングで水分補給などができない状況になりやすい。子どもたちが自由に熱中症対策ができる環境が大事だ」といいます。

熱中症にかかってしまった場合、どう対処すればいいのでしょうか。まず、涼しい場所に寝かせる。冷たいタオルで体を拭く。水分補給(経口補水液など)。太い血管のある、わきの下や首などを氷で冷やす。子どもの体は小さいので、首やわきの下、1カ所を冷やすだけでも効果的だといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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