「病気が治ったのに生きていくのがつらい」小児がん経験の女子大生 “寛解”も残る障害|TBS NEWS DIG
子どもの病気である「小児がん」。治療後、大人になってからも障害を抱えることが多くあります。小児がん経験者の女子大学生を取材しました。
浦尻一乃さん。笑顔が絶えない21歳の大学生です。でも、同世代と少し違うところがあります。一乃さんの身長は、140センチほど。これは、5歳の時に発症した「小児がん」の影響です。
小児がん経験者 浦尻一乃さん
「(治療中)辛いとかしんどいとかはもちろんあったんですけど、なんでみんな遊んでるのに遊べないんだろうとか、そういうのが大きかったんです」
12歳で小児がんの症状がみられない「寛解」と診断されましたが、成長期の身体には大きな影響が残りました。発達の異常に加え、腎臓や腸などにいくつもの障害を抱えています。
小児がん経験者 浦尻一乃さん
「お手洗いの回数がみんなより多いので、授業中も抜けることが多かったりっていうのが一番大変なもので、あとは身体の中の臓器の障害とかは何個か持っています」
この日、一乃さんは腎臓内科と血液腫瘍科で診察を受けました。定期的な通院は欠かせません。
今、頭を悩ませているのが金銭面の負担だといいます。
小児がん経験者 浦尻一乃さん
「画像検査をすると、何万円とかしちゃうので、それを今は親が負担してもらってるんですけど、自分で払っていくとなると、3~4か月に1回もこれるのかなっていう不安はあります」
小児がんなど、特定の子どもの慢性疾患には医療費を一部助成する制度があります。しかし、この制度は20歳までと期間が限定されています。一乃さんの去年の医療費負担は、それまでと比べ年間で10万円ほど増えました。
国のがん対策の指針となる「がん対策推進基本計画」。きのう、5年に一度の策定に向けた厚労省が主催する協議会が開かれました。専門医は小児がんの経験者に対する継続的な支援が必要だと訴えます。
東京都立小児総合医療センター 湯坐有希医師
「(小児がんで)濃厚に治療を受けた方だと、ほぼ必発っていう感じで、何かしらの晩期合併症(障害)が出ている。20歳の誕生日を超えた途端に、いきなり3割負担、2割負担になる。今、小児がんのサバイバーの人たちが直面している問題点かなと思っています」
一乃さんは今、臨床検査技師になるための国家試験の勉強をしています。将来を考えた時、民間企業への就職に不安を感じたからです。
小児がん経験者 浦尻一乃さん
「持病があるっていうお話をすると、アルバイトの面接でさえ落とされてしまうので。病気が治ったのに、その後生きていくのがつらいっていう世の中がすごく不思議でしかたないので、なんとかなればいいなって思います」
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