“100年猛暑日知らずの街”を緊急取材 軽井沢より涼しい?(2022年6月30日)
各地で朝から気温がぐんぐん上がっていますが、千葉県で飛び抜けて涼しい町があったんです。100年猛暑日知らずの町を緊急取材しました。
もう暑さにうんざりの関東の人が思い浮かべる避暑地といえば…。
70代女性:「那須かしら…那須」
60代女性:「やっぱり、軽井沢とかあっちの方に行ったら涼しい」
しかし、番組の気象班が気付いたのは、そんな名立たる避暑地よりも“涼しい町”の存在。それが、千葉県の勝浦市です。
都心から車で2時間弱…。早速、現地を緊急取材。
実際、朝5時に東京・六本木を出た時よりも、車の外気温の表示は、7度も下がっていました。
勝浦の30日午前9時の気温は24.2度。飛び抜けて、気温が低いのが分かります。それこそ「軽井沢」より、標高750メートル近い「那須高原」よりも。
カツオの水揚げ関東一を誇る勝浦は、実は1906年の観測開始以降、一度も35度以上の猛暑日になったことがありません。
そう、勝浦は“100年猛暑知らず”。なぜ、こんなに涼しいのでしょうか。
“100年猛暑知らず”の千葉県勝浦市。30日も関東で40度近くまで気温が上がるなか、最高気温は、26.3度でした。
勝浦漁港に近い民宿で話を聞くと…。
勝浦市観光協会(民宿神田オーナー)・江澤修副会長:「(Q.冷房、今年は?)まだ全然使っていないです」「(Q.過ごせるんですか?)まだまだ涼しいですよ」
こちらの休憩スペースに関しては冷房はおろか、扇風機すら置いていません。
勝浦市観光協会(民宿神田オーナー)・江澤修副会長:「これ西向きの窓なんですけど、朝晩、風が入ってきて涼しいですね。扇風機なんかいらないですよ」
もちろん、強がりではありません。民宿のオーナーで、観光協会の副会長も務める江澤さんは、いまだに寝る時、掛布団に毛布を使っているといいます。
観光客もびっくりです。
観光客:「本当に嘘みたいね、こんなに涼しくて。きのうの天気予報でも都心が35度の予報。こちら(勝浦は)25度だった。『嘘だろう』と思ったけど本当に涼しい」
江澤さんによると、涼しいのは「今に始まったことではなく昔から」。
勝浦市観光協会・江澤修副会長:「大正の初期に、ここを別荘地にしようっていう計画を立てたんですね」
大正時代から「理想郷」と呼ばれる土地もあるなど、昔から過ごしやすい場所として知られていたそうです。
この“涼しさ”をもたらしているのが、お尻の地形です。
勝浦市観光協会・江澤修副会長:「(Q.チーバくんの?)ちょうど、お尻になっているのでね。お尻(の位置)になる勝浦は。突き出していますから、太平洋にね涼しい風が入ってくる」
勝浦は海に突き出た地形で、そこに海側から涼しい風が吹き付けるといいます。漁業関係者に「涼しい訳」を聞いてみると…。
勝浦港市場食堂「勝喰」・関和久代表:「この水(海水)が冷たいから、南風が吹くからその冷風で涼しんだよ」
勝浦付近の海水温は、確かに、沖合よりも陸に近い方が温度が低いのが分かります。
なぜ、海水温が低くなっているのでしょうか。一つの要因として、「水深」が関係しているとみられます。
勝浦の海は、沖に出るとすぐ深くなります。勝浦沖では、その深い所の冷たい海水が上へ湧き上がり、表面の暖かい海水は下へもぐり込むという循環が起こりやすくなっています。
これで、海水がかき混ぜられて、海面温度が下がり、涼しい風が吹くのです。
勝浦港市場食堂「勝喰」・関和久代表:「今、良い風来たっぺこれ。サァーッと来たっぺ。この風がもっと吹けば、もっと涼しいんだよ。最高ですよ、ぜひ勝浦にいっぱい余っていますから土地が」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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