「1日1億円分」両替所が“円不足”・・・“燃料高騰”で銭湯廃業 「ドクターX」ロケ地も(2022年6月17日)

「1日1億円分」両替所が“円不足”・・・“燃料高騰”で銭湯廃業 「ドクターX」ロケ地も(2022年6月17日)

「1日1億円分」両替所が“円不足”・・・“燃料高騰”で銭湯廃業 「ドクターX」ロケ地も(2022年6月17日)

 インフレが世界に広がっています。人気観光地ハワイでは、トイレットペーパー12ロールが3000円以上になり、日本では市民に愛され、ドラマの舞台ともなった銭湯が閉店しました。

■ハワイ物価上昇・・・「うまい棒」1本36円

 米FRB・パウエル議長:「インフレが進みすぎている。そうした背景から、本日、FOMC(連邦公開市場委員会)は、政策金利を0.75ポイント引き上げました。今後も、金利の引き上げが適切であると思われます」

 FRB(連邦準備制度理事会)は先月、0.5%の大幅利上げを実施したばかりにもかかわらず、5月の消費者物価指数は、去年と比べて8.6%と40年ぶりの高い伸びとなり、さらなる大幅な利上げに踏み切りました。

 0.75%の利上げは1994年以降最大ですが、記録的なインフレの抑制に向け、今後も政策金利は引き上げられる見通しです。

 インフレ真っただ中のアメリカ。人気観光地ハワイでの生活の様子を自身ユーチューブで配信している、日本人のMariさんによると・・・。

 ハワイ在住の日本人・DJ Bee Hawaiiさん:「例えば、ポキ丼をワイキキとかで買うと、15ドルくらいするんですけど。それに、チップを15%とか入れると、17ドルちょっと。それを円にすると、2300円とかかかってきちゃうので、結構高いですよね」

 7年前は1300円ほどで食べられたものが、インフレと円安の影響で、2倍近くに値上がりしています。

 ハワイでは、どれだけ物価が高くなっているのでしょうか?近所のスーパーをのぞいてみました。

 DJ Bee Hawaiiさん:「こちらに置いてある卵はですね、なんと8ドル49セントなので、1141円になります」

 18個入りとはいえ、卵が日本円で1141円。10個あたりに直すと633円なので、日本のおよそ3倍です。

 DJ Bee Hawaiiさん:「こちらがジャパニーズスナックエリアになるんですけど。日本のお菓子とがが売っているんですが、うまい棒が、これが8ドルで売っています。これ1000円しますね、日本円で。高い!」

 30本入りで1075円なので、一本およそ36円。日本でも4月から1本12円に値上げしたうまい棒ですが、それでもハワイのほうが3倍高い計算です。

 DJ Bee Hawaiiさん:「こちらのトイレットペーパは、なんと、およそ25ドルしますね。こちらも(12ロールで)28ドルほどします」

 日本円に直すと・・・。
 
 DJ Bee Hawaiiさん:「(12ロールで)3762円になります。え~高い。確かに、全部高くなっていると思います。それでも皆、買うしかないから、売れていますね」

 他にも、意外なところで円安の影響が出ているといいます。

 DJ Bee Hawaiiさん:「ちょうど、私の旦那が先日、円をいっぱい買っておこうということで。両替所に電話をしたら、全部円がない状態。今のうちに、後で旅行に行く時に使えるかもしれないから」

■「1日1億円分」両替所が“円不足”

 円を求める動きは、日本でもあります。

 この外貨の両替所には、一日150人ほどが押し寄せ、日本にもかかわらず、円不足になっているといいます。

 インターバンク・佐藤豪代表:「円安なので、1日1億円くらいの買い取りがあります。お支払いする円が足りなくなる状況が起きています」

 アメリカから来たという、日本人の女性は、次のように話します。

 アメリカから来た日本人女性:「うれしいです。ハハハ。円がとても安いので、その理由で来ました。貯金したい」

■「100円ショップ」閉店相次ぐ・・・

 こうした円安や原材料の高騰のあおりを受けているのが、値上げをしにくい「100円ショップ」です。

 都内で9店舗を運営していたこの店は、先月末までにすべての店舗を閉店しました。

 閉店の張り紙を眺める元常連客は、次のように話します。

 100円ショップの元常連さん:「円安の影響は、かなり大きいんじゃないかな。ほとんど輸入品だから、既製品は。よく来てました。色々な物を買っていました。大手のやつは大体均一化しているけど、ちょっと違ったようなものが。100円ショップ、皆ずいぶん助かっている。残念だね」

■「ドクターX」ロケ地・銭湯も廃業

 急激な円安や燃料の高騰は、自治体ごとに料金が決まっている「銭湯」にも打撃を与えています。

 地域の人に長年愛され、ドラマのロケ地になった有名銭湯も、のれんを下す決断をしました。入り口には、「お客様に、心より感謝致します」という張り紙が張られています。

 近所に住む女性:「地域に根差してるお風呂屋さん。さみしいです」

 東京・中野区の銭湯「千代の湯」。創業70年、ドラマ「ドクターX」のロケ地にもなった有名銭湯ですが、今月4日、惜しまれつつも店、を畳む決断をしました。

 千代の湯店主 瀬戸広朝さん:「親が開いた銭湯だから、閉めたくなかったもんで。なんとか、やれるだけやろうってやってたんですけどね」

 御年80歳の経営者・瀬戸広朝さん。10歳の時に母・千代さんが創業し、2代目として銭湯を継ぎました。

 木の香りが漂う、昔ながらの脱衣室を抜けると、大きな富士山の絵が目に飛び込んできます。この立派な富士山を描いた銭湯絵師の丸山清人さんも、「半世紀以上やっているが、廃業が続き、うんと寂しい」と語っています。

 全国の銭湯が加盟する全浴連によると、銭湯の数は今年4月時点で1865軒。この2年で、およそ1割に当たる、200軒ほど減っていて、都内だけでも毎月1、2軒の銭湯が廃業しているといいます。

 瀬戸広朝さん:「一番最後は、ガス代がどうしようもなんないと。そんな感じになりましたね。50人くらい来れば(売り上げで)ガス代が出てくるけれども、来ない日もあるからね。その半分の日もあるから、ガス代だけで終わっちゃう」

 去年と今年の同じ月のガス代を見てみると、なんと2倍以上。先月は、ガス代だけで36万円以上もかかっていました。

 瀬戸広朝さん:「何とか来てくれる人がいるから、6月は何とかやろうと思っていたんだけど。窯が壊れちゃったから、どうしようもなくて。僕がやっているうちに、こんなことになるなんて思わなかったから。さみしいね」

■「大規模緩和」日銀どうする?

 アメリカに続いて、スイスや台湾の中央銀行でも16日、物価の上昇を受けて、政策金利の引き上げを決定。スイスでの利上げは予想外のことで、およそ15年ぶりとなります。

 ニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が1年5カ月ぶりに、3万ドルを割りました。こうしたなか、日銀は16日に続いて、17日も金融政策決定会合を開きます。

 果たして、日本は現在の大規模な金融緩和策を続けるのか。物価高につながる円安にどう対処するのか。黒田総裁の会見が注目されます。

(「グッド!モーニング」2022年6月17日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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