“開かずの踏切”1時間で47分遮断 踏切内で電車停止“イライラ爆発”・・・改善見通しは【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年6月17日)

“開かずの踏切”1時間で47分遮断 踏切内で電車停止“イライラ爆発”・・・改善見通しは【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年6月17日)

“開かずの踏切”1時間で47分遮断 踏切内で電車停止“イライラ爆発”・・・改善見通しは【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年6月17日)

 都内にある、いわゆる“開かずの踏切”。ピーク時には、1時間のうち47分間も遮断機が下りているということです。去年、国土交通省が「改良すべき踏切」に指定しましたが、改善の見通しが立っていません。地元の市議が、早急な改善を訴えています。

■5カ所が集中・・・近隣住民は大迷惑

 夕方、帰宅ラッシュの時間帯。鳴り響く踏切の前には、大勢の人の姿があります。背後には、長い車の列もできています。

 東京・調布市の京王線・柴崎駅近くにある「つつじケ丘5号踏切」。一度閉まるとなかなか開かない、いわゆる“開かずの踏切”です。

 ラッシュ時には、開かずの踏切を待つ人で、道はいっぱいになります。待ち時間が長すぎるため、諦めて引き返す人の姿もありました。

 遮断棒が上がると、人と自転車、バイク、そして車が一斉に踏切を渡り始めます。対向車線にも、車の列ができていました。

 定点カメラの映像で検証すると、ピーク時には1時間のうち、およそ47分間遮断されていました。

 実は、このエリアには5カ所の踏切があり、そのすべてが去年、国交省から改良すべき踏切に指定されました。

 いわば、開かずの踏切の密集エリア。周辺住民は、迷惑をしているといいます。

 踏切を利用する女性:「向こう側に、歯科医院があるんですけど。ここで引っ掛かると、時間通りに行けないので。 ここから、すぐそこなのに電話したりと・・・」「そこでつかまってしまって、郵便局の現金の振り込みが、窓口が4時までですから、使えなかったことがありますね」

 開かずの踏切を取材していると、線路上で“ある異変”がありました。

■踏切上で電車停止・・・利用者怒り

 踏切が開くのを待っていると、目の前の電車が突如、徐行運転になりました。

 すると、なんと踏切のど真ん中で電車が完全に停止。駅のホームで電車を待つ人も、心配そうな顔で止まった電車を見つめています。

 待っている人の中には、何事かと周りを見渡す人もいます。遮断機が下りてから、待つこと7分。待っている人々にイライラが募るなか、何とか電車が動き出しました。

 しかし、踏切が開いた、わずか10秒後、再び警報音が鳴り響きます。渡ることができた車は、3台だけです。

 さらに待つこと3分。やっと踏切が開き、車が渡り出した次の瞬間、2回連続で、数秒間しか開かなかった踏切。しびれを切らしたのか、警報音が鳴り始めているにもかかわらず、手前にいた白い車が、強引に踏切内に侵入しました。

 白い車は遮断棒をギリギリで交わし、そのまま横断していきました。強行突破するのは、車だけではありません。

■“危険横断”遮断機上げ・・・強行突破

 悪びれる様子もなく、堂々と渡る男性。強引に上げた遮断棒は、ぐにゃりと曲がってしまっています。危険な横断が、日常的に繰り返されています。

 男性:「(Q.遮断機が下りてきて危なかった?)電車が来るなと思って」

 歩行者が車道にまで広がり、車と接触しそうになる場面もありました。

■近くに地下道も利用者少なく・・・なぜ?

 近隣住民に大きな負担となっている、開かずの踏切。周辺に迂回(うかい)路はないのか、取材を進めると、踏切から およそ120メートル離れた所に、歩行者が利用できる地下通路がありました。

 実際に地下通路の迂回路を歩いてみると、踏切の向かい側に到着するのに、時間は4分13秒かかりました。交通量も少なく、スムーズに反対側へ渡ることができました

 地下通路の利用者の数を調べてみました。

 画面左は、踏切前に仕掛けた定点カメラの映像です。開かずの踏切前には、多くの利用者がいますが、一方で画面右側の地下通路の利用者はまばらです。

 この日、午後6時からの1時間で、地下通路を利用した人は、わずか31人。なぜ、地下通路を使う人は少ないのでしょうか?

 踏切を利用する女性:「(Q.地下を通る迂回路も?)あるんでしょうけれど、でももう、『ここ』と『ここ』なんで。『急いでいかないと』ってなると・・・」「(Q.目の前に見えていると?)そうなんですよ。“あー!”っていうのが、結構多いですね」

■国指定も改良せず・・・市議「早期に」

 去年、改良すべき踏切に指定されたにもかかわらず、開かずの踏切に、いまだ改良の動きが見られません。

 踏切を利用する女性:「めっちゃ怒っています。『本当どうにかして』って、いつも思います」

 この問題について、地元・調布市の市議は、次のように話します。

 調布市議会・井上耕志議員:「当然、早期に解決していかなければいけない内容。国、あるいは東京都と歩調を合わせながら、京王電鉄さんとも力を合わせて。各主体が一体化しながら、この問題について『取り組みを進めていく』と」

 開かずの踏切が5カ所集中する、このエリア。一向に改良が進まない、そのわけとは?

■5カ所集中 整備計画見通し甘く・・・

 問題となっているのは、京王線・柴崎駅近くにある、つづじケ丘5号踏切です。

 ピーク時には、1時間のうち47分間、遮断機が下りているということで、国交省が去年、改良すべき踏切に指定しました。

 京王線には、改良すべき踏切が全部で6カ所ありますが、うち5カ所は柴崎駅と、その隣のつつじケ丘駅の周辺に集中しています。

 なぜ、この一帯に集中しているのでしょうか?京王線では、調布駅から国領駅までの区間で、2012年に地下化が完了。また、仙川駅から笹塚駅の区間を、2030年までに高架化させることで、開かずの踏切の解消を図っています。

 一方、間にある柴崎駅とつつじケ丘駅は、東京都が地下化や高架化以外の対策区間に指定したため、既存の道路の整備などで対応することになりました。

 しかし、その整備の対象となった「清水架道橋」は、柴崎駅から500メートルほど離れた所にあります。さらに、道幅が狭く、拡張工事も行われていないため、通勤時間帯には渋滞が発生しています。

 地元の調布市では今年から、この地域も線路の高架化する調査を進める方針ですが、事業の開始時期は決まっていないということです。
 
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年6月17日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事