「食べログ」に3840万円賠償命令 “評価点急落”で客5000人減・・・“同様の裁判”続くか(2022年6月17日)
多くの人が、点数を見て店を決めたとこがあるのではないでしょうか。「客が減ったのは、不当に評価を下げられたことによるものだ」として、飲食チェーン店がグルメサイト「食べログ」を訴えた注目の裁判。東京地裁は、食べログ側に賠償を命じました。
■“評価点急落”来客5000人以上減る
原告側の弁護士:「カカクコムに違法な行為があり、当社に対する賠償義務があるという勝訴判決であり、我々の主張がほぼ全面的に認められたとして、大変満足しております」
利用者が5点満点で評価。飲食店を選ぶ際の参考にする人も多い、大手グルメサイト・食べログ。
食べログ利用者(30代):「(食べログは)たまに使っています。予算とかもありますけど、(評価の)数値の大きさでほぼ決めています」
この食べログの評価を巡る注目の判決が16日、東京地裁で言い渡されました。
訴えを起こしていたのは、都内を中心に30店舗以上の焼き肉店を経営する「韓流村」。3年前の5月、評価点が急落し、サイト経由の来客が毎月5000人以上減ったといいます。
韓流村・任和彬社長:「見た瞬間、あごが落ちるかなと、ビックリして。点数がガクッと下がったので」
韓流村は、食べログが独自のアルゴリズム・算出方法を不当に変更し、点数が急落したと主張。わずか2週間で、0.5ポイント近く下がった店もあったといいます。さらに、他のチェーン店でも、評価の落ち込みが見られたといいます。
韓流村・任和彬社長:「大きなアルゴリズム(評価点の算出方法)に変化があったんだなと気付きまして。何かシステム的に、チェーン店の点数が下がったと気付いた」
韓流村は、チェーン店であることを理由に評価点を不当に下げられたとして、食べログを運営する「カカクコム」を相手取り、およそ6億4000万円の損害賠償を請求。
一方、カカクコム側は、次のように主張しました。
カカクコム側の主張:「算出方法の変更は、継続的なアップデートの一環である」
■「優越的地位乱用」3840万円賠償命令
16日、東京地裁は・・・。
東京地裁:「カカクコムは、韓流村よりも優越的な地位に当たる。評価点を変更した行為は、韓流村に不利益となるような取引の実施に当たる」
カカムコムの変更が、優越的地位の乱用による「独占禁止法違反」に当たるとして、3840万円の支払いを命じました。
この判決に、食べログの利用者からは、次のような声が聞かれました。
食べログ利用者(20代):「そこ(評価)基準で選んだりするので。そこを変えられていると、お店に対しての印象も結構、変わっちゃうかなと思う」「どうやって(店を)決めたらいいか、分からなくなる」
■今後“同様の裁判”続く可能性も・・・
損害賠償が認められた一方、韓流村側が求めていた、3年前に変更した、評価点を算出する「アルゴリズム」の使用差し止めについては、認めませんでした。
原告・韓流村側の弁護士:「不正利用を防止する。簡単な一言で、一切開示しないと。ほぼブラックボックス。すべて明らかにするかはともかく、基準として明確にしていいものは、明確にホームページで、こういう基準に基づいてアルゴリズムを算出していると」
アルゴリズムの使用差し止めが認められなかった理由について、裁判を取材したテレビ朝日の記者は、次のように話します。
テレビ朝日社会部・島田直樹記者:「今回、差し止めが認められる場合は、韓流村のブランドが損なわれたかどうかにあったとみられる。実際、この判決では、ブランドが損なわれたとまでは、言及していない。つまり、ブランドが損なわれていないのであれば、差し止めはしなくてもよいという判断になったとみられる」
今後も、同様の裁判が続くのではないかと指摘します。
テレビ朝日社会部・島田直樹記者:「今回の判決では、画期的な判決になったと思います。独占禁止法の優越的地位の乱用を裁判所が認めて、また損害賠償も認めたので。そういったところで、多くの店がこの算出方法の変更で損害を受けていたのであれば、それを立証することができるのであれば、裁判がこれからも続く可能性があるといえる」
判決を受けてカカクコム側は、不当な判決であるとして即日控訴しました。
(「グッド!モーニング」2022年6月17日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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