ピクトグラム設置・・・観光地では試行錯誤の感染対策 観光目的の入国2年ぶり再開(2022年6月10日)
政府は、約2年ぶりに外国人観光客の受け入れを再開しました。ただ、感染リスクの低いアメリカやイギリス、中国、韓国など、98の国と地域からに限られます。感染拡大を防ぐため、1日当たりの上限は2万人。当面は添乗員が付く、ツアー客限定です。
浅草着物レンタル『大吉』大友雄介店長：「本当に待ちに待った、いよいよだなと。まるで、きのうの夜は、遠足の前の日みたいな。パッケージツアーだとフリーの時間が少ない。着物レンタルにまで足を延ばしてもらえるか不安。ただ、そうは言っても、この2年間、じっと耐えていた。パッケージでも、フリーでも楽しみなのは楽しみ」
世界的に希少な自動で演奏する楽器の音色が楽しめる美術館でも受け入れの準備が進んでいます。コロナ禍で外国人観光客がゼロだったため、日本語だけにしていたパンフレットに英語と中国語の表記を加えていました。一方で、課題もあります。日本の感染対策をどう外国人に伝えるか試行錯誤していました。この美術館では、検温や手指の消毒について、英語表記だけでなくて、ピクトグラムでも表現されています。
河口湖 音楽と森の美術館・堀内正一副支配人：「（Q．外国人観光客への対策ですか？」英語表記だけでは、言語がわからない人もいるので、ピクトグラム表記にすることで、一人一人にお願いすることができる。マスクの徹底、消毒、検温のお願いを入館時しているが、海外のお客さまは、その辺、日本が厳しいという声も聞く。常に言語対策をやりながら、コミュニケーションをとって、おもてなしできればなと」
ただ、受け入れを再開したのに観光に訪れた外国人の姿は、どこにも見当たりません。10日はビザ発給などの入国手続きを再開しただけなので、実際、ツアー客がやってくるのは先です。
斉藤国土交通大臣：「早くとも来週以降になるのではと見込んでいる。先日来、観光庁や日本政府観光局の海外事務所には、国内外から非常に多くの問い合わせをいただいていて、訪日需要の高さを改めて感じている」
その盛り上がりは、お隣、韓国でもみせています。日本がツアー客の受け入れを発表してから、週に数件しかなかった問い合わせが、多い日は300件を超えるほどになっています。福岡と大分を周って、温泉などを楽しむツアー。すでに売り切れとなった日もあります。
旅行代理店・YBツアーの担当者：「日本は韓国と一番近く、飛行時間が短いという点と、長期間にわたって温泉旅行ができなかったので、そのツアー予約が多くなっている」
今回のツアーでは、マスクの着用など、日本式の感染対策が求められています。
旅行代理店・YBツアーの担当者：「韓国でもマスク着用は、ある程度、慣れ親しんだ文化となっているので、着用への拒否感はほぼないようだ」
ところが、マスクがネックになって、日本行きを敬遠する人たちもいます。イギリスにある会社では、コロナの前までは、年間1万人の旅行者を日本に送り出していました。いま、新たな予約状況は3名のみ。ネックになっていたのは、ガイド付きのツアー客限定というルールです。
日本旅行の専門会社のジェームズ・マンディさん：「顧客のほとんどが、添乗員なしの個人旅行やオーダーメイドの旅行を選ぶ。80％の顧客がそうだ」
フランスの会社の担当者もこう話します。
旅行代理店のティエリー・マンソン社長：「予約は芳しくない。自由に旅行できないことが大きい。日本政府の発表により、フランス人は日本に行かない。来年を待つだろう」
自由な旅行スタイルを求め、厳しい感染対策を望まない人たちはアジア圏の別の国を選ぶ傾向にあるそうです。東南アジアの受け入れ態勢です。インドネシアは、日本と違って、感染状況に関係なく、世界各国から観光客を受け入れています。入国にあたって、原則2回のワクチン接種証明が必要ですが、個人旅行は可能です。タイでは、ワクチンを接種していない人でも、出国前72時間以内にPCR検査の陰性証明があれば入国可能で、個人旅行もすることができます。ベトナムは、ワクチンを打っていなくても入国でき、個人旅行も可能です。
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
