マスク外した日常へ 韓国では整形の駆け込み需要 一方、苦境の業界も|TBS NEWS DIG

マスク外した日常へ 韓国では整形の駆け込み需要 一方、苦境の業界も|TBS NEWS DIG

マスク外した日常へ 韓国では整形の駆け込み需要 一方、苦境の業界も|TBS NEWS DIG

おとなり韓国で今、整形手術の駆け込み需要が増えています。「コロナ後」の日常を取り戻そうという動きのひとつですが、一方で、苦境に立たされる業界も出てきています。

「目を閉じてください。開けてください」

診察を受けるこちらの男性。病気ではなく、鼻に加え、目の整形手術を相談しています。実は韓国では今、整形手術の需要が急増。カード会社の調査によると先月、整形外科で決済された金額は前の年の同じ時期より3割ほど増加したというのです。

なぜ今、手術するのかと言うと。

患者
「マスクをした状態では見えませんが、規制が解除されると外見が気になるため、マスクを外す前に手術しようと決めました」

先月、屋外でのマスク着用義務が解除された韓国。解除初日とおよそ1か月後のソウル市内を比べると、マスクを外している人が少し増えています。

そんな今、コロナ禍の2年半近くマスクの下に隠れていた顔の部分が気になり始めた・・・こうした心理を背景に“駆け込み整形”の需要が増えているというわけです。

ところで、どの部位の手術に人気があるのでしょうか。

整形病院の医師
「今はマスクで隠されていたあごの下のラインを改善する『リフティング』手術が流行しています」

需要があるのほ整形だけではありません。ソウル市内の化粧品店では口紅やリップなどの売れ行きが好調。

化粧品店マネージャー
「マスクを外すことが可能になったので、リップ製品を探すお客が一番多いです。売り上げがずっと伸びています」

市民からはこのような声も。

ソウル市民
「みんなが顔の下の方を気にするから、私も気になって化粧品を買いに来ました」
「(マスク着用時は)化粧は目までしていたけど、今は顔全体にしないといけないので時間がかかります」

こうした変化で苦しい立場に置かれるようになった人たちもいます。

記者
「マスクの需要が減っても、工場では設備が傷まないように動かさないといけません。しかし、倉庫には在庫が溜まっていく一方になっています」

こちらのマスク製造工場では売り上げがかつての1割にまで激減しました。

マスク工場の経営者
「(マスクは)使用期限がありますので、出荷されないと全て焼却処分しなければならない状況です」

経営者によると、安定供給のためとして政府はマスクの販売ルートを一部統制。薬局など指定した機関に優先的に卸すよう指示したため、元々の顧客を失うことになりました。

さらに大企業などが市場に参入し、マスク製造業者の数は爆発的に増え工場への需要も落ち込み、大きな打撃を受けているというのです。

マスク工場の経営者
「政府はマスクをたくさん作るよう促して不足がなくなり良い結果が出ましたが、私たちに直接もたらされる良い結果は何もありません」

海外から入国する人の隔離措置を完全に撤廃し、日常を取り戻そうという動きを一層加速させている韓国。マスク工場の経営者は、今後は輸出に活路を見出そうと日本を含め海外の顧客開拓に力を入れる考えですが、事態打開につながるのでしょうか。

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