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10億円給付金詐欺 スマトラ島“不法滞在”で主犯格の男(47)確保 なぜ不正見抜けなかった?|TBS NEWS DIG
被害総額は10億円にのぼるとみられる新型コロナウイルスの持続化給付金詐欺。主犯格の谷口光弘容疑者(47)が逃亡先のインドネシアで身柄を確保されました。
日本時間の午後2時半から開かれたインドネシア当局の会見。オレンジ色の服を着て現れた男が谷口光弘容疑者です。壁に向かって立ったまま会見が始まります。
谷口容疑者はきのうの夜スマトラ島南部のカリレジョ村で身柄を確保されたということです。谷口容疑者には旅券返納命令が出されていて、逮捕容疑は不法滞在とみられます。
谷口容疑者は10数人の詐欺グループのリーダーとみられ、コロナで減収した事業主を装い持続化給付金300万円をだまし取ったとして元妻や長男らもすでに逮捕されています。
現地当局によりますと、谷口容疑者は現地で投資活動をしながらエビなどの養殖ビジネスに関わっていたということです。
会見の最後、記者からの日本語での問いかけに・・・
記者
「不正の認識はあったのですか」
「一言お願いします」
谷口容疑者
「・・・」
何も語らずに連れていかれました。
谷口容疑者の詐欺グループは、セミナーなどで勧誘した人を中小企業の関係者などと装って虚偽の申請をし、給付金をだまし取った疑いがもたれています。不正はなぜ審査の段階で見抜けなかったのでしょうか。
給付金申請の審査を行う事務局で責任者をしていた男性は、当時、申請を通すスピードが最も重視されていたと話します。
持続化給付金の審査事務局 元責任者
「審査をするのは落とすためではなく通すためだと、口で言わなくても感じながら」
男性がいた事務局は中小企業からの申請の審査を担当していましたが・・・
持続化給付金の審査事務局 元責任者
「20代の社長がいても『若いね』というくらい、『これ不正かな』という考えでは見ていなかった。特に忙しい最初の方は年齢を見ずに審査をするというのが基本の業務だった」
男性によりますと、審査では給付の決定までに5人の担当者が必要書類をチェックするシステムになっていたといいます。ただチェックしていた内容は・・・
持続化給付金の審査事務局 元責任者
「申請には確定申告書が基本的には必要なんですが、ここに受け取ったという収受印を税務署の方が押します。審査する側としてはその収受印が押されているかを確認していました」
しかし、税務署の「収受印」だけでは不正をチェックしたことにならないと専門家は指摘します。
中央大学法科大学院 酒井克彦教授
「(収受印は)申告書の内容を適法・的確なものとお墨付きを与える意味は全くない。ただ受け付けましたというだけの意味しかない」
また、少しでも不審点があれば電話などでの確認が必要だと話します。
中央大学法科大学院 酒井克彦教授
「怪しいと思ったときにはすぐに具体的な専門的な質問をする係に変えるとか、そういう審査があるんだよというだけで 抑止力になると思います」
審査をすり抜け、不正受給を繰り返していた谷口容疑者のグループがだまし取った総額は10億円にのぼるとみられています。
警視庁は谷口容疑者の身柄について「事実関係を確認中で身元が確認されれば日本への移送に向けて調整する」としています。
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