【独自】和歌山の高校“ずさん運営”文科大臣「大変遺憾」・・・給食費も業者に“未払い”(2022年6月6日)
和歌山南陵高校のずさんな学校運営について、文部科学大臣が「大変遺憾」という見解を示しました。番組の取材で新たに、給食を出す事業者にも未払いがあることが分かりました。
■教職員の給与・・・また“未払い”
末松信介文部科学大臣:「法人運営に混乱を生じていることは、もう明らかでございます。大変遺憾なことであります」
和歌山県・仁坂吉伸知事:「説明責任を果たすということをしないのは、良くないと思う」
「教職員への給与支払い遅延」「学生寮のガス停止」「朝食が菓子パン1個」。学校運営の資金が回らず、次々と未払いを引き起こしている私立和歌山南陵高校。
先月の学校法人への立ち入り調査に続き2日、和歌山県は高校で関係者への聞き取りを実施。きっかけは、またもや発覚した教職員への給与の未払いです。
学校法人南陵学園・小野和利理事長:「皆様へのお給与の支払いができなかったことにつきましても、大変申し訳なく思っております」
4月分給与は“3週間遅れ”で、5月20日に支給。ほどなくして、31日に振り込まれるはずだった5月分の給与は、学校運営を引き継ぐとされる法人から寄付が行われず、支払えなかったといいます。
県の行政指導はこれまで、9回にも上ります。しかし、学校運営の状況は改善されず、“カネの疑惑”は深まるばかりです。
■修学旅行費も・・・差額“5万円”未返還
不安が募るのは、教職員だけではありません。
和歌山南陵高校の保護者:「修学旅行の差額分の返金。すごく多額のお金が、この先返ってくるのか、すごく不安に思っています」
保護者が問題視するのは、台湾への修学旅行のため、入学時からコツコツとためた1人10万円の積立金です。
番組が独自に入手したのは、去年11月に行われた実際の修学旅行のスケジュールです。
初日の宿泊先は、学校と同じ和歌山県内にある温泉。2日目も、県内の温泉。新型コロナの影響で、行き先が台湾から和歌山へと変更されたためです。
県内旅行に変更したため、積立金10万円のうち5万円が余った計算になりますが、生徒64人分、300万円以上が家庭に返還されていないというのです。
和歌山南陵高校の保護者:「(Q.小野理事長に会ったことは?)ありません。なので、出てきて謝罪のうえ、お話をして頂きいたい」
小野和利理事長:「(Q.すみません、テレビ朝日なんですが・・・)そういうことだったら余計しないよ」「(Q.説明しませんか?)警察呼ぶよ」
2日、再び小野理事長の自宅を訪ねました。
自宅:「(Q.和歌山南陵高校について、お話を伺いたくて・・・)こちらは個人の自宅なので、そのような用件をお話しすることはできません。お帰り下さい。今、警察に電話中です」
小野理事長について、近隣住民は、次のように話します。
近隣住民:「会っても、頭を下げるだけで、話は全然したことない」「(Q.理事長、いつ見掛けたか?)きのう見た。犬の散歩」
■給食業者には・・・100万円“未払い”
5日、寮に給食を提供している会社を取材すると、新たな“未払い”も浮上しました。
有限会社フジコーポレーション・藤田晃弘代表取締役:「1カ月分を翌月の末に頂いてるので、5月31日だと、4月分の給食費を振り込んでもらってる。31日に100万円頂いて、4分の1。残りを翌日に半分ほど頂いた。すべては頂いてないです」
この会社に委託された給食の費用は、毎月およそ400万円。しかし、先月末の振り込みは、わずか100万円。翌日に200万円が振り込まれましたが、いまだ100万円が未払いです。
藤田晃弘代表取締役:「毎月頂くお金から、私たちも仕入れたり、調理する方の給料を払ったりするので。色々な問題が浮上してきるので。運営を続けていけるかの不安はある」
和歌山南陵高校が資金難に陥り、数々の未払いを引き起こしている問題。先月18日に、高校の寮に貼り出された文書です。
寮に貼られた文章:「育ち盛りの皆様のお食事を任せて頂いている以上、突然、給食が中止になるような事態を招かないよう、社内で日々、調整を図っております。安心して食堂にお越し下さい」
給食を出す会社が、寮生を心配させないよう貼り出したといいます。現在も、未払い金100万円の回収は不透明なものの、「当面の間は給食を出して行く」方針を決めた背景には、ある理由があるといいます。
藤田晃弘代表取締役:「寮生が困るから、食事出さないと。あの子ら、おなかすかせたまま生活させるわけにいかないでしょ。民間企業なので、お金をもらい、給食作るのが当たり前ですが。そのこと切り離して考えないといけない部分も、食事のことだからあると思う」
小野理事長は今後、説明会を開く予定があるのでしょうか。
代理人弁護士は取材に対して、「事業承継が完了後に、事業承継先にて行われる予定となっている」と回答しています。
(「グッド!モーニング」2022年6月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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