母国憂うミャンマー人実習生 帰国か否か狭間で葛藤(2021年12月31日)

母国憂うミャンマー人実習生 帰国か否か狭間で葛藤(2021年12月31日)

母国憂うミャンマー人実習生 帰国か否か狭間で葛藤(2021年12月31日)

 ミャンマーではクーデターで実権を握った軍による弾圧が続いています。日本で働く技能実習生は母国に帰るか、残るか、決断を迫られています。遠く離れた家族を思う女性を取材しました。

 軍事クーデターからまもなく1年。ミャンマーでは多くの市民が弾圧され、1300人以上が亡くなっています。

 「母国に帰りたい」。葛藤を抱えながら、日本で必死に働く1人のミャンマー人女性と出会いました。

 技能実習生のセイさん(27)。ミャンマーから日本にやって来て3年。介護スタッフとして働いています。

 セイさんと同じ時期にミャンマーから来日した介護技能実習生は25人で、全員が20代の女性です。

 介護人材が不足する日本で必要不可欠なのがセイさんら外国人です。

 パルシステム東京では、技能実習生も日本人スタッフと変わらない給料やボーナスが支給されます。

 物価の高い日本で母国の家族に少しでも仕送りをするため、外食を控えて毎日、自炊をしています。

 利用者から信頼も厚いセイさんですが、3年の任期を延長せず、来年2月にミャンマーへ帰国し、家族と生活することを決めていました。

 しかし、軍事クーデターがすべてを変えました。

 家族は弾圧が激しいヤンゴンを離れ、今も田舎に避難しています。

 技能実習生・セイさん:「心配しました。今は生活はどうですか、大丈夫ですか、お元気ですか」

 危険をおかしても帰るか、日本にとどまるか、悩み続けてセイさんが出した答えは・・・。

 技能実習生・セイさん:「今はミャンマーの政治(状況)はあまりよくない。帰国しても意味はない」

 セイさんは日本に残り、遠くから家族を支える道を選びました。

 技能実習生・セイさん:「私の両親とお兄さん2人のためにお金を仕送りします」

 選択を迫られた25人の実習生のうち、1人を除いた全員が日本に残る意思を固めました。

 会社も彼女たちが来年以降も働けるように、長期の在留が可能になる「特定技能」に資格を変更する手続きを進めています。

 技能実習生・セイさん:「(Q.仕事はどうですか?)すっごく楽しい。一番楽しい。私はおじいさんとおばあさんが大好き」

 遠い異国にやって来たミャンマーの若者たちは今、揺れる母国と家族を思いながら必死に働いています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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