“知床観光船”社長立ち会い確認 専門家”特異な構造”を指摘(2022年5月28日)

“知床観光船”社長立ち会い確認 専門家”特異な構造”を指摘(2022年5月28日)

“知床観光船”社長立ち会い確認 専門家”特異な構造”を指摘(2022年5月28日)

・ブルーシートに覆われたKAZU1(カズワン)を桂田社長を立ちあわせ戦隊状況の確認
・専門家「船全体が重くなって沈んだ可能性が高いのではないか」

報告 仁科健吾
「午後5時半過ぎです。桂田社長がブルーシートの中から出てきました。KAZU1(カズワン)の立ち入りが終わったとみられます」
ブルーシートに覆われた知床遊覧船のKAZU1(カズワン)。きょう海上保安庁は、桂田社長を立ちあわせ船体状況の確認などを行いました。
現場を訪れた専門家は・・・
水難学会 斎藤秀俊会長
「証拠書類になるようなものに関しては、持ち主が指を指しながら写真を撮っていくということを1か所、1か所やるような形で、そういう形でフラッシュが焚かれているのかなと思います」
引き揚げられた船から、何がわかるのでしょうか。
斎藤会長「まず全体的に大きな損傷がない。ブルーシートで覆われていても何処かへこんでいれば見えるのですけど、そういう形跡もないです」
船内も重要です。今も運航記録簿や点検記録簿など重要書類が残されている可能性があるといいます。新たにタブレット端末なども見つかっています。
斎藤会長「GPS信号はどんなに基地から離れていても受信できますので、そういったデータが残っている。電源が落ちたという時刻、場所が残っている可能性はある」
気になる事故の原因ですが、「特異な船の構造」を指摘する声も。
もともと、瀬戸内海の船会社が所有していたKAZU1(カズワン)は、船のエンジンが前方に位置する珍しい構造です。2011年、知床の海を進むKAZU1(カズワン)の姿を元海上保安監の伊藤裕康氏に見てみてもらいました。
元海上保安監・海上災害防止センター 伊藤裕康 理事長
「エンジンが前にある割には、船首が浮き上がっているなと何かしら船尾のほうに重しのようなものを積載している可能性はあるのではないか」
関係者によると、KAZU1(カズワン)は、瀬戸内海から知床の海へと運航するエリアを変えたため船尾に1.5トンの重りを積み、船が安定するように改造されたといいます。しかし、去年10月の映像では・・・
伊藤理事長「頭が浮いていたのですが、だいぶ船首のほうが下がっているなということがわかります。ということは、後ろに乗せていた重しのようなものを取り除いて、船のバランスをなるべく水平に近いようにしたのではないか」
瀬戸内海を走っていた当時のバランスに戻したことで、知床の海での航海が難しくなったのではといいます。
伊藤理事長「波が静かな時は、この様な前が沈んだような形でも問題ない。波が高くなってくると、このように船首が下がった形になると、船首の方から波を受けやすくなって、波に突っ込んでいくような走り方になる。(前部に)エンジンがあるので、ずっと重い感じですのでどーんといった時に、なかなか上がりにくい。どこからか浸水してですね、エンジンルームにも(海水が)溜まってエンジンも止まるようになってしまったと。船全体が重くなって沈んでしまった可能性が高いのではないかと思います。」
KAZU1(カズワン)の船内では、行方不明者の捜索も行われましたが、発見には至らなかったようです。

※「KAZU1(ワン)」は正しくはローマ数字
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事