なぜ小倉美咲さんは・・・骨の発見場所「枯れ沢」とは?地元猟師と“不可解”な現場を行く(2022年5月15日)

なぜ小倉美咲さんは・・・骨の発見場所「枯れ沢」とは?地元猟師と“不可解”な現場を行く(2022年5月15日)

なぜ小倉美咲さんは・・・骨の発見場所「枯れ沢」とは?地元猟師と“不可解”な現場を行く(2022年5月15日)

山梨県・道志村で小倉美咲さんが行方不明になってから2年8カ月。
その山中で見つかった肩甲骨とDNA型が一致したため、14日、警察は美咲さんが死亡したと判断しました。
事件と事故の両面で続く捜査は、今後どうなるのでしょうか。

▽小倉美咲さん「死亡と判断」捜索続く
発見された人骨が、小倉美咲さんのものと断定されて、一夜。
(織田妃美記者)「午前8時です。規制線の中に警察の車両が入っていきます。きょうは、およそ40人体制で捜索する予定です」
規制線の前には、両手を合わせ涙ぐむ、女性の姿が・・・
(捜索ボランティア)「いろんなことが走馬灯のように蘇ってきてしまって(美咲さんの)お母さんとも、うちの娘が美咲ちゃんと2つ違うんですけど『美咲ちゃんが戻ってきたら、うちの娘も足が速かったので2人で競争したいね』だとか『ディズニーランドに一緒に行こうね』とか。こういった形で戻ってくるとは思っていなかったので、悔しい気持ちと、どうしていいか分からない状態です」
山梨県警は、道志村山中でみつかっていた肩甲骨のDNA型鑑定の結果、行方が分からなくなっていた小倉美咲さんのものと一致。14日、『美咲さんが亡くなっている』と判断したことを明らかにしました。
(木下正嗣記者)「道志村上空です。熊手やスコップなどを使って捜索しています」
捜索が行われていたのは、肩甲骨がみつかった山の中腹あたり・・・
事件や事故の両面で捜査を続け、まだ発見されていない部分や遺留品などを探しています。
(母 小倉とも子さん)「娘を探しています。」
美咲さんの行方が分からなくなってから、2年8カ月。
わずかな手掛かりを求めてチラシを配り、何度も現地へ足を運んで無事を信じ続けた母・とも子さん。
「やはり私としては、美咲が無事に戻ってくるという事を諦めたわけではないので」
しかし、その想いが届くことはありませんでした。
なぜ、美咲さんは命を落としたのでしょうか?行方不明当初から、不可解な点が上がっていました。

▽小倉美咲さんの骨 発見 なぜ今?
(佐々木一真アナウンサー)「小倉美咲さんは3年前の2019年9月21日、こちらのキャンプ場に母親と姉の3人で来ていました。午後3時40分ごろ、坂を下り、河原の先で遊んでいた子どもたちを追いかけようとここを左に曲がったの姿を母親が見たのを最後に行方がわからなくなっています。」
午後5時頃、家族は警察に通報、地元消防や自衛隊も加わり大規模な捜索が行われましたが手掛かりは掴めませんでした。
しかし行方不明から2年8カ月たった先月23日、事態は急転します。
捜索ボラティアに参加していた40代の男性は美咲さんが歩いて行った方とは反対方向のこちらの林道を進んだ先にある枯れ沢で頭の骨の一部を発見しました。
骨が発見された場所はキャンプ場から2つの峰を超えた枯れ沢です。その上流で先月28日には右足の運動靴。翌日(29日)には左足の運動靴と靴下が発見されました。
今月4日には人の右肩甲骨と長袖の黒いハイネックが見つかっています。さらに11日、長さ15cmほどの2つの骨のような物が発見されています。いずれも人の骨であれば足か手の骨である可能性があるといいます。なぜ今になって発見が相次いでいるのでしょうか。
当時、この枯れ沢を捜索した人に話を聞くことが出来ました。
(枯れ沢を捜索した男性)「何も出てこなかったから当初手がかりというか。何一つ無かったから。鳥山も無かったし・・・」
Q. 鳥山とは? 
「動物が死んでいたらカラスとかくるでしょ?それが一切なかった」
美咲さんの行方が分からなくなってから数日後に枯れ沢を捜索したという男性。
枯れ沢を捜索しながらもある違和感を感じていたといいます。
(枯れ沢を捜索した男性)「捜すときに確かに(女の子が)こんな所までくるか?っていう感じで捜していたから・・・1人で歩いたとは考えられないな。」

▽美咲さんの骨発見の「枯れ沢」とは
次々と骨や美咲さんの物とみられる物が発見されている枯れ沢とはどの様な場所なのでしょうか?
(骨などが発見された枯れ沢を知る 平賀一彦さん)「猟をする時にたまに行くだけ。この辺は山菜が出るの。」
地元の猟師でこの枯れ沢に何度も訪れたことのある平賀さんは沢の特徴について・・・
(平賀一彦さん)「(林道から)20mくらいあがるともうそれから大きな石が・・・」
林道から重点的に捜索が行われている岩までおよそ300m。下流には数十cmの石が転がるエリアがあり、上流に進むにつれ、1m程の岩が点在する場所があるといいます。勾配は最大で45°ほどで足場は悪いといいます。
捜索の為、規制線が張られた現場・・・
しかし同じ山の中にこの枯れ沢に似た場所があるといいます。案内してもらうと・・・
Q. 手で持つことが出来ないような石がゴロゴロ転がっていますけど現場もこういった状況?
「そうです。沢の幅とか勾配が似てますね」
林道から入ると幅数十cmの石が散らばる場所が・・・
勾配は厳しくないものの足場は良くありません。さらに奥へ進むと・・・
Q. 坂を登るにつれ岩の大きさが大きくなってきますね?
「そうですね、やっぱり石が流れて小さくなるけど流れ無いから大きくなる。」
Q. こういう大きな岩も現場に?
「あります。」
さらに・・・
Q. 岩の前に土があるが現場の腐葉土の状況は?
「葉っぱが違うだけで土は似ています。深さがない、10cmから15cmくらいたまっているだけなんでそんなに深くないです。」
岩場が多く、余程の雨が降らないと物は下へ流れづらい状況で、平賀さんによると2019年10月の台風19号以外、涸れ沢に水が流れることは無かったといいます。
「(現場に)猟をするためうちのグループが行っている毎年1年に2、3回」
Q. 人がいる気配とか洋服、靴などは?
「ないない。改めていくら言っても不思議だけ。分からない・・・」
美咲さんがキャンプ場から枯れ沢まで行くルートは2つ。
1つは母親の目撃証言とは逆の方向に進み、林道を通り枯れ沢の下から入るルート。しかしこのルートは証言には合いません。
もう1つは山を登る形で涸れ沢の上から入るルートです。しかし・・・
「美咲さんが枯れ沢にたどり着くためには、うす暗い林道を通って、この高い山を越えてないといけません。地元の方によると道は険しく整備されていないため、小学1年生の女の子1人では難しいのではないかということです。

▽美咲さん「死亡と判断」今後の捜査は
現場を何度も訪れた、元・警視庁刑事の吉川祐二氏は・・・
(元警視庁刑事 吉川祐二氏)「人の手によって、第三者が介在して連れ去られたということも考えられます」
吉川氏が着目したのは、美咲さんが最後に目撃された先の“橋”付近。この辺りで警察犬による匂いの捜査が途絶えていたと言います。
(元警視庁刑事 吉川祐二氏)「ここで途絶えたということは、ここから先、美咲ちゃん自身で歩いていない可能性が高いんですね。ここで車に乗るとか、そのような可能性が高いですね」
また、元・埼玉県警科学捜査研究所の雨宮氏は、残された骨や遺留品が、重要な手掛かりになる可能性があると言います。
(元埼玉県警科捜研法科学研究センター所長 雨宮正欣氏)「例えば、骨折痕のあるような骨が発見されたりとか、その部位がどこか、ある程度判明すれば、何かが起きたことが推測はつきますので、それ以外には何らかの不自然な損傷をした着衣であったりとか、体液が付着した着衣、こういうものが発見されれば、事件性もしくは事故、どちらかの判断に大きな資料になると思います」

5月15日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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