“カキ殻”ポイ捨て 注意に逆ギレも・・・大迷惑 潮干狩り場で“ルール無視”(2022年5月11日)

“カキ殻”ポイ捨て 注意に逆ギレも・・・大迷惑 潮干狩り場で“ルール無視”(2022年5月11日)

“カキ殻”ポイ捨て 注意に逆ギレも・・・大迷惑 潮干狩り場で“ルール無視”(2022年5月11日)

 東京都に隣接する千葉県市川市の人気潮干狩りスポットに、大量のカキの殻が捨てられ、けが人が出るなど問題となっています。カキの殻を不法投棄する人たちを直撃しました。

■潮干狩り場に“大量カキ”

 千葉県市川市を流れる「江戸川」。この時期は、アサリやホンビノス貝、カキが無料でとれ、地元で人気の潮干狩りスポットになっています。

 訪れる人の中には、大きなカートを引く女性や、胸まで防水の服を着た、完全装備の男性もいます。

 そして、大量の貝を運ぶ人もいます。中身は「カキ」です。

 袋を引きずりながら、急な坂を必死に登る女性。相当な重さなのでしょうか。その場で座りこんでしまいます。

 なんとか上り終えると、よほど重たかったのでしょうか。袋を土手に持ち上げ終わった瞬間、その場で倒れこみました。

■身だけ採集・・・殻は“ポイ捨て”

 江戸川でとることができるカキ。実は、そのカキの“貝殻”が今、問題となっています。

 “カキ殻”の上に板を敷いて、一心不乱にカキをとる女性がいました。

 ザルの中には、“カキの身”だけがびっしりとあふれています。すると、身をはがした後の殻を目の前に放り捨てます。

 江戸川では、カキの殻を捨てるのは“不法投棄”にあたり、違反した場合は「5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。

 カキの殻を捨てた女性:「(Q.むいてカキの殻はどうするんですか?)持って帰らない」「(Q.鋭いじゃないですか?危ない?)大丈夫」

 河川事務所では、殻ごと持って帰るよう呼び掛けていますが、不法投棄をする人は後を絶たないといいます。

 さらに、大量のカキを岸まで運んで、身をむいている男性。すると次の瞬間、バケツいっぱいに入ったカキの殻を、次々と川に投げ捨てていきます。

 殻を捨てていた男性:「(Q.殻は持ち帰らないといけないと書いてあるんですが、今捨ててましたけれども?)・・・」

 男性は聞く耳を持たず、その後も殻を捨て続けました。

■“カキの身”だけ大量に・・・逆ギレも

 潮干狩り場で人が増え始める、正午すぎ。西側の岸で、カキ殻を捨てる人を次々と目撃しました。

 カキの殻を捨てた女性:「友達と来ました」「(Q.殻を捨てるのはダメなんですけど?)すぐ帰りますから」

 初めてここに来たという、中国語を話す女性。プラスチックの容器に、むいた身をためていきます。

 注意するとその場を離れますが、別の場所で再びカキをむき始めます。

 カキの殻を捨てた女性:「まだ、いくつかしか捨ててないよ。私たちがやっていなくても、こんなに(殻がいっぱい)あるじゃない。ここら辺、全部危ないでしょ。私が来ても来なくても、変わらないでしょ」

 殻を捨てたことをあっさり認め、開き直る女性。再三にわたり場所を変え、およそ3時間、カキをとり続けました。

 最後は、ザルからカキの身をポリ袋に移します。むいたばかりの殻を大量に放置し、その場を後にしました。

 そもそもなぜ、ここでは大量のカキがとれるのでしょうか?

■500mポイ捨て・・・あきれた言い訳

 実は、この江戸川放水路は、東京湾からわずか1キロほどの場所にあり、潮の満ち引きの影響を大きく受けます。

 大潮の日には、岸から20メートル付近まで水が引き、川底が出現。そこに顔を見せたのが、カキです。

 真水と海水が入り混じるこの場所は、餌(えさ)となるプランクトンが豊富で、カキが育つのに適しているといいます。

 千葉県によると、このエリアでは漁業権がないため、誰でもカキを獲ることができます。

 しかし、カキの身だけを取り、殻を捨てていく人が相次ぎ、何重にも積み上がったカキ殻の山が、川岸沿いにおよそ500メートルも続いています。

 4年半前には、国や市川市などが協力して、およそ15トンのカキ殻を撤去。河川事務所では取り締まりを強化しましたが、その後も殻を不法投棄する人は減らず、“いたちごっこ”の状態が続いています。

 一方、反対の岸でも、カキ殻の山の上に集まるグループがいました。手慣れた様子で身を外し、殻はその場に投げ捨てています。

 カキの殻を捨てた女性:「(Q.貝の殻がたくさん捨てられて、問題になっている?)知りません」

 なぜ殻を捨てるのか、理由を聞きました。

 カキの殻を捨てた女性:「何で持ち帰らないといけないのですか?ここに殻を捨てておけば、また、たくさんのカキが生まれてくるのですから」「(Q.殻を捨てると困るので、捨てないで?)分かりました、はい・・・」

■“不法投棄”けが人も「子ども危ない」

 不法投棄されたカキの殻で、こんな被害もありました。

 泥の中に隠れていたカキ殻で、指先を切ってしまったといいます。子どもを持つ親からは、不安の声も上がっています。

 子どもを持つ親:「足も危ないので、子どもとかは、長靴を履いてもらったり・・・」「小さい子どもと、やっぱり来たいので。自分がけがするのは気を付けるんですけど。子どもがけがするのは、怖いですね・・・」

■パトロールも「どんどん増える」

 けが人が出るなど、深刻な問題となっている、江戸川のカキ殻不法投棄。地元漁協の林さんは、定期的にパトロールを行っています。

 千葉県市川市漁業協同組合・林克樹さん:「白くなっているの、分かりますかね。ああいうところは、むいた跡です。(全部)カキ殻です」

 “カキ山”には、むいたばかりの真っ白な殻が、多く目立ちます。さらにパトロールを続けると・・・。船の上から注意しますが、やめる気配がありません。

 結局、船から降りて、林さんが殻を集めることになりました。30分のパトロールの間に、少なくとも6組が、カキ殻を不法投棄していました。

 注意され、慌てて捨てた殻を回収し始める女性。しかし、むいた身の量と比べると、明らかに殻が少ないことが分かります。

 林克樹さん:「前は、こんなになかったので。どんどん増えていっているので、歯止めを掛けていかないと。カキ殻だらけになってしまう。地道ですけど、ゴミ拾ったりとか、自分たちもできるところから、やっていきたいと思います」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年5月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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