ロシア大使の顔に“赤い液体” 「来るべきでない」侵攻に抗議(2022年5月10日)

ロシア大使の顔に“赤い液体” 「来るべきでない」侵攻に抗議(2022年5月10日)

ロシア大使の顔に“赤い液体” 「来るべきでない」侵攻に抗議(2022年5月10日)

 ウクライナを電撃訪問したEU(ヨーロッパ連合)の大統領が避難先の地下シェルターで会談を行う異例の事態となりました。オデーサではロシア軍のミサイル攻撃が相次ぎ、ウクライナ軍の報道官によりますと、1人が死亡し5人が負傷したということです。

 人々が抗議の声を向けるその先にいる男性。顔が赤く染まっています。

 一体何が起きたのか、その瞬間です。

 男性に1人の女性が近づくと顔に赤い塗料が投げつけられました。

 男性はロシアの駐ポーランド大使、セルゲイ・アンドレーエフ氏。ロシアの戦勝記念日に合わせ、献花のためソ連兵の墓地を訪れたところ、ウクライナ侵攻に抗議する人々に取り囲まれたのです。

 駐ポーランド、アンドレーエフ大使:「我が国と大統領を誇りに思う」

 抗議する女性:「ウクライナを侵略するあの人たちが献花しに来るべきではありません」

 戦勝記念日の式典はウクライナ南東部マリウポリでも開かれました。

 開催したのはロシアが後押しする自称独立国のドネツク人民共和国です。

 自称・ドネツク人民共和国、指導者・プシーリン氏:「神聖な日、勝利の日に解放されたマリウポリの市民を祝福する機会が得られてうれしく思う」

 自称・ドネツク人民共和国のプシーリン氏が解放されたとしたマリウポリ。街はロシア側によって完全に破壊されました。

 ウクライナ側に残る最後のとりで「アゾフスタリ製鉄所」にはまだ兵士がいます。

 ウクライナ、国防省報道官:「マリウポリでは敵がアゾフスタリ製鉄所の封鎖を継続している。砲兵や戦車でもって急襲作戦を続けている。空襲の可能性も否定できない」

 製鉄所内にいるアゾフ大隊の兵士はまだ戦う意思を見せています。

 アゾフ大隊兵士:「誰も私たちがこれほど長く持ちこたえるとは予想していなかったが、私たちはまだ持ちこたえている。捕虜になった場合、生き残れる可能性は高くない。だから降伏は受け入れがたい。敵にそんな大きな贈り物はできない」

 マリウポリの市議は製鉄所に残る兵士に対して、ロシアが11日、化学兵器による攻撃を仕掛けようとしているとSNSで訴えました。

 市内には多くの住民が残っているとして家から出ないよう注意を促しています。

 南部の港湾都市オデーサも9日夜、再びミサイルによる攻撃を受けました。

 ミサイルはロシアが8年前から支配するクリミア半島から飛来し、ウクライナ軍の報道官によりますと、1人が死亡し5人が負傷したといいます。

 新たに公開された映像では、ミサイルの直撃を受けたショッピングモールが激しく破壊され、炎に包まれていることが分かります。

 その同じ日、同じオデーサをEUのミシェル大統領が電撃訪問し、攻撃を受けた建物などを視察しました。

 EU、ミシェル大統領:「ロシア政府はあなたたちの自由と民主主義の精神を処刑したがっているが、絶対に成功しないと確信している」

 ミシェル大統領はウクライナのシュミハリ首相との会談にも臨みました。

 ところがシュミハリ首相によりますと、その会談のさなかにもロシア軍のミサイル攻撃があり、2人は地下シェルターに退避しそこで会談を続けたといいます。

 北東部ハルキウ州ではウクライナ側が激しく抵抗し、ロシア軍を押し戻しています。

 ウクライナ軍兵士:「9日の戦勝記念日に敵が悪いサプライズを用意している可能性があり、緊張が高まりました。だが私たちは戦い、敵を撃退する準備はできている」

 5月9日、ロシアの戦勝記念日はナチスドイツに勝利したことを祝うものです。

 ウクライナのゼレンスキー大統領も戦勝記念日のコメントを出しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシアは第2次世界大戦の勝者にとって大事なことを忘れたようだ。だが、ウクライナと自由世界が思い出させ、忘れられなくする。大戦の犠牲者を追悼し繰り返される大事な言葉、それは『2度と繰り返してはいけない』だ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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