【独自】チョルノービリ原発に塹壕 ロシア軍兵士の無謀な行動|TBS NEWS DIG
モスクワでは華々しく戦勝記念日の式典が行われていますが、JNNはウクライナでの無謀ともいえるロシア軍の行動を取材しました。チョルノービリ(チェルノブイリ)原発の独自取材で見えてきたのはいわば捨て駒となっているロシア軍兵士の状況です。
記者
「橋が崩壊してますね。ロシア軍の侵攻を妨げるためにウクライナ側がどこかのタイミングで破壊したものと思われます」
JNNのカメラは1か月余りロシア軍によって占拠されていた原発の敷地に入りました。
1986年に人類史上最悪の原発事故を起こしたチョルノービリ原発。近づくにつれて見えてきたのは・・・
記者
「塹壕が掘られている。これ以上行くなということです。なぜかというとロシア軍がブービートラップを仕掛けている可能性があり、この辺りが軍によってクリアされているか分からない。これもレーションパック(軍の携帯食料)ですね」
塹壕の周りに捨てられていたのはロシア軍の携帯食料の空き箱でした。
制限区域内の本来は放射能汚染の心配のない場所でも・・・
記者
「放射性物質に気をつけろと書いてある。ロシア軍が制限区域内をめちゃくちゃに行き来していることによって放射性物質を持ち込んでいる可能性があるから気をつけろということです。この中は入るなと印が・・・」
ロシア軍がチョルノービリ原発を制圧したのは侵攻初日の2月24日。原発の関連施設で働くスキルタさんはその瞬間をすべて見ていました。
アレクサンドル・スキルタさん
「頼むから装甲車のキャタピラで汚染物質をまき散らさないでくれと思っていた」
ただその時には線量が最も高いとされる「赤い森」と呼ばれるエリアにロシア軍が立ち入るとは思ってもいなかったといいます。
アレクサンドル・スキルタさん
「赤い森という場所があるんだ。それ以外にも彼らが知らない汚染されている場所はある。そんなところを軍用車両で走り回って塹壕まで掘っていると聞いて、とても心配した」
これはロシア軍が撤退後の「赤い森」の映像。いたるところに塹壕が掘られているのが分かります。
記者
「赤い森というのは完全に立ち入り禁止となっていて線量もかなり高い場所といわれている。今、4マイクロシーベルトになりました」
取材クルーが特別な許可を得て「赤い森」を通過すると、日本政府が定める除染後の空間線量の17倍以上の数値でした。
ウクライナメディアによりますと、適切な知識がない指導部に送り込まれたロシア兵は「赤い森」に塹壕を掘り、大量被ばくした可能性があるということで、複数の人に重度の放射線障害が出たとの報告も上がっているということです。
ロシア側は原発敷地内にいた兵士たちの状況について沈黙したままですが、ウクライナ側の報告が事実だとすれば、前線の一部の兵士たちは指導部による非人道的な侵攻のいわば捨て駒になっているのかもしれません。
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